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衆院選 憲法論議 国民主権の深化のために(朝日)

2017/10/17 12:34
20171016

朝日新聞
(社説)衆院選 憲法論議 国民主権の深化のために
2017年10月16日05時00分

憲法改正の是非が衆院選の焦点のひとつになっている。

自民党、希望の党などが公約に具体的な改憲項目を盛り込んだ。報道各社の情勢調査では、改憲に前向きな政党が、改憲の発議に必要な3分の2以上の議席を占める可能性がある。

政党レベル、国会議員レベルの改憲志向は高まっている。

同時に、忘れてはならないことがある。主権者である国民の意識とは、大きなズレがあることだ。


■政党と民意の落差

民意は割れている。

朝日新聞の今春の世論調査では、憲法を変える必要が「ない」と答えた人は50%、「ある」というのは41%だった。

自民党は公約に、自衛隊の明記▽教育の無償化・充実強化▽緊急事態対応▽参議院の合区解消の4項目を記した。

なかでも首相が意欲を見せるのが自衛隊の明記だ。5月の憲法記念日に構想を示し、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と語った。メディアの党首討論で問われれば、多くの憲法学者に残る自衛隊違憲論を拭いたいと語る。

一方で首相は、街頭演説では改憲を口にしない。訴えるのはもっぱら北朝鮮情勢やアベノミクスの「成果」である。

首相はこれまでの選挙でも経済を前面に掲げ、そこで得た数の力で、選挙戦で強く訴えなかった特定秘密保護法や安全保障関連法、「共謀罪」法など民意を二分する政策を進めてきた。

同じ手法で首相が次に狙うのは9条改正だろう。

だが、改憲には前向きな政党も、首相の狙いに協力するかどうかは分からない。

希望の党は「9条を含め憲法改正論議を進める」と公約に掲げたが、小池百合子代表は自衛隊明記には「もともと合憲と言ってきた。大いに疑問がある」と距離を置く。

連立パートナーの公明党は「多くの国民は自衛隊の活動を支持し、憲法違反の存在とは考えていない」と慎重姿勢だ。


■必要性と優先順位と

時代の変化にあわせて、憲法のあり方を問い直す議論は必要だろう。

ただ、それには前提がある。

憲法は国家権力の行使を規制し、国民の人権を保障するための規範だ。だからこそ、その改正には普通の法律以上に厳しい手続きが定められている。他の措置ではどうしても対処できない現実があって初めて、改正すべきものだ。

自衛隊については、安倍内閣を含む歴代内閣が「合憲」と位置づけてきた。教育無償化も、予算措置や立法で対応可能だろう。自民党の公約に並ぶ4項目には、改憲しないと対応できないものは見当たらない。

少子高齢化をはじめ喫緊の課題が山積するなか、改憲にどの程度の政治エネルギーを割くべきかも重要な論点だ。

朝日新聞の5月の世論調査で首相に一番力を入れてほしい政策を聞くと、「憲法改正」は5%。29%の「社会保障」や22%の「景気・雇用」に比べて国民の期待は低かった。

公約全体で改憲にどの程度の優先順位をおくか。各党は立場を明確にすべきだ。

安倍首相は、なぜ改憲にこだわるのか。

首相はかつて憲法を「みっともない」と表現した。背景には占領期に米国に押しつけられたとの歴史観がある。

「われわれの手で新しい憲法をつくっていこう」という精神こそが新しい時代を切り開いていく、と述べたこともある。


■最後は国民が決める

そこには必要性や優先順位の議論はない。首相個人の情念に由来する改憲論だろう。

憲法を軽んじる首相のふるまいは、そうした持論の反映のように見える。

象徴的なのは、歴代内閣が「違憲」としてきた集団的自衛権を、一内閣の閣議決定で「合憲」と一変させたことだ。

今回の解散も、憲法53条に基づいて野党が要求した臨時国会召集要求を3カ月もたなざらしにしたあげく、一切の審議を拒んだまま踏み切った。

憲法をないがしろにする首相が、変える必要のない条文を変えようとする。しかも自らの首相在任中の施行を視野に、2020年と期限を区切って。改憲を自己目的化する議論に与(くみ)することはできない。

憲法改正は権力の強化が目的であってはならない。

必要なのは、国民主権や人権の尊重、民主主義など憲法の原則をより深化させるための議論である。

その意味で、立憲民主党が公約に、首相による衆院解散権の制約や「知る権利」の論議を掲げたことに注目する。権力を縛るこうした方向性こそ大切にすべきだ。

改憲は政権の都合や、政党の数合わせでは実現できない。

その是非に最後に判断を下すのは、私たち国民なのだから。
引用終わり
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私見
「憲法は国民を国家権力から保護するもの」との論旨は、それはそれで結構なのだが、国家には主権を守る義務がある。そのために、国家の構成員で有る国民は、何をしなければならないのかを問われる。

言い換えれば権力から保護されるというのは、それに見合った義務と責任が生じることでも有る。押付け憲法と押付け民主主義は、見直す時期に来ている。

閑話休題


日本国憲法は占領下に制定させられた「瑕疵」がある。独立国の矜持としてその状態は正されなければならない。

武力不行使、戦力不保持、交戦権否認を規定した九条は、主権を放棄した棄民条文である。それでは、主権を維持できないので、「九条は国家の自衛権を否定したものではない」と解釈して、自衛隊を創設し現在に至っている。

*国防を担う実力組織が憲法に規定されていない。
*国家緊急事態措置に付いての規定がない。

こうした歪な状況は速やかに是正すべきだ。衆院選では改憲派が三分の二以上当選する事を望みたい。

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安全保障 北朝鮮への備えを冷静に語れ(読売)

2017/10/17 10:51
20171016

読売新聞
社説
安全保障 北朝鮮への備えを冷静に語れ
2017年10月16日 06時00分

◆対話で成果生む「圧力」が肝要だ◆


北朝鮮情勢が緊迫化する中での選挙だ。日本の平和と安全を確保するため、説得力ある外交・安保政策が求められる。

安倍首相は、衆院解散を「国難突破解散」と命名した。北朝鮮問題への対応について、国民の信を問う姿勢を強調する。

トランプ米大統領は、北朝鮮に対する軍事的な選択肢に繰り返し言及している。今後、米朝間の緊張が高まり、一触即発の事態に発展する可能性も否定できない。

◆粘り強い外交努力を

首相は遊説で、国連安全保障理事会の制裁決議を履行し、北朝鮮に政策転換を促す考えを訴える。対話のための対話を否定し、「ぶれてはならない」と力説している。

北朝鮮が核ミサイル開発に固執する姿勢のまま対話に臨んでも、成果は期待できまい。首相の目指す方向性は妥当である。

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は7日の党中央委員会総会で、核開発を続けると明言した。「反米対決戦を総決算する」との強硬姿勢も崩していない。

公明党は公約で、「対話と圧力」の下での包括的解決を掲げた。希望の党は、対話への手段として「制裁の厳格な実施を働きかける」と主張する。日本維新の会も「断固たる措置」を求める。

各党が圧力強化で概おおむね一致したのは、北朝鮮の脅威が深刻化しているとの共通認識からだろう。

無論、危機をいたずらに煽あおり立てることは避けねばならない。

軍事的圧力は欠かせないが、トランプ流の暴言には不安を抱かざるを得ない。首相は、米国の先制攻撃まで支持すると受け取られるような言動は慎むべきだ。

「国難」という以上、首相には「対話か圧力か」といった二者択一的な議論を排し、国民の分断を回避する努力が求められる。

◆邦人救出も検討課題に

首相は、トランプ氏ら各国首脳との良好な関係も強調する。日米韓の結束に加え、北朝鮮との関係が深い中国やロシアにも働きかけるなど、粘り強い多国間外交を展開できるかどうかが問われる。

朝鮮半島有事が現実味を帯びてくれば、政府は、国民を守るため新たな対応を迫られる。

自民党は公約で、自衛隊による在留邦人救出の態勢構築や能力向上を挙げた。麻生副総理は、武装難民が日本に流入する危険性にも言及した。政府・与党は、様々なケースを想定し、総合的な対策を検討しておくことが重要だ。

尖閣諸島周辺での中国の活発な海洋進出を含め、日本の安全保障環境は一段と厳しくなってきた。日米同盟と国際連携を強化した安全保障関連法の重要性が増しているのは確かである。

希望の党は、日米同盟の深化を唱えて、集団的自衛権行使を限定容認する安保関連法を是認する。「合憲か違憲かを巡る不毛な対立から脱却し、党派を超えて取り組む」との認識は評価できる。

野党第1党だった旧民主党や民進党は安保関連法に反対し、与党との亀裂が修復不能になった。希望の党が安保政策で与党と足並みをそろえた意義は小さくない。

立憲民主党は、「専守防衛を逸脱し、立憲主義を破壊する」などとして、安保関連法への反対を強める。共産、社民両党は、関連法の廃止を唱える。

だが、安保関連法は、合理的な憲法解釈変更によって従来の政府見解と整合性が取れている。

北朝鮮対応で、自衛隊は米軍と共同で警戒活動を行うなど、緊密に連携している。安保関連法に基づく米艦防護や給油で日米の信頼関係はかつてなく高まった。

安保関連法を廃止すれば、日米関係は悪化し、日本の抑止力も弱まる。廃止論は疑問である。

◆日米同盟どう強化する

米軍普天間飛行場の辺野古移設に関し、自民党は「着実に進める」と公約に明記した。希望の党の小池代表も同様の考えを示す。

立憲民主党が辺野古移設を再検証し、ゼロベースで見直すと主張するのは理解に苦しむ。

辺野古移設は、日米両政府が、地元の意見を踏まえて調整した実現可能な唯一の解決策だ。県外移設を模索し、挫折した民主党政権の教訓をもう忘れたのか。

残念なのは、沖縄県東村で米軍の輸送ヘリコプターが不時着し、炎上したことだ。地元自治体は反発している。こうした事故の被害を極小化するためにも、市街地にある普天間飛行場の辺野古移設を完遂する必要がある。

各党は、危険性除去や地元負担軽減の議論を深めるべきだ。

2017年10月16日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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憲法改正 「国のあり方」広く議論したい(読売)

2017/10/17 10:50
20171014

読売新聞
社説
憲法改正 「国のあり方」広く論議したい
2017年10月14日 06時00分

◆自衛隊の位置付けへ理解深めよ◆


憲法改正は、国の最高法規をより良い内容にする試みであり、各党が正面から取り組むべき重要課題だ。活発かつ真剣な論議を期待したい。

衆院選では、与党の自民、公明両党に加え、希望の党、日本維新の会、日本のこころが憲法改正に前向きな姿勢を見せている。

ただ、優先すべき改正項目に関して、各党の見解は異なる。

◆優先テーマには乱れも

自民党は公約に、自衛隊の明記、教育無償化、緊急事態条項の創設、参院選の合区解消の4項目の改正を目指す方針を明記した。抽象的な表現にとどめた前回衆院選と比べて大幅に踏み込んだ。

政権党として、9条改正を主要公約に挙げたのは初めてである。高く評価したい。

公明党も「加憲」を掲げ、環境権や地方自治の強化、緊急時の国会議員の任期延長を例示した。

希望の党の公約は、「自衛隊の存在を含め、時代に合った憲法のあり方を議論する」と訴える。情報公開や地方分権、一院制の導入などにも言及した。

自衛隊については、「国民の理解が得られるかどうか見極めた上で判断する」と留保条件を付ける。小池代表も党首討論会で、「今のまま進めるのは防衛省と自衛隊の関係が逆転してしまう」と語り、否定的な見解を示している。

維新の会は従来、教育無償化、道州制など統治機構改革、憲法裁判所の設置の3項目を重視する。今回の公約は、「国際情勢の変化に対応し、国民の生命・財産を守るための9条改正」にも触れ、自衛隊の明記にも含みを残した。

自衛隊の位置付けや緊急事態時の特例措置、政府と自治体の関係などは、国のあり方に関わる重要なテーマである。

国民主権、基本的人権の尊重、平和主義という現行憲法の3原則の堅持を前提に、大いに議論を深めてもらいたい。

◆超党派の合意形成を

改正項目の本格的な絞り込みは選挙後、衆参両院の憲法審査会などで行われる見通しだ。選挙中の論戦で、各党の主張にどんな共通項や接点があるか、探ることも排除すべきではあるまい。

そうした作業自体が、国民の関心を高め、理解を広げることにも役立つはずだ。

自民党は衆院選後、改正に向けた党内論議を再開する。出馬を見送った高村正彦副総裁を再任して、主導的な役割を担わせる。

政府は長年、自衛隊は9条2項が保持を禁止する「戦力」ではなく、合憲とする憲法解釈を維持してきた。大多数の国民も、自衛隊の国防や災害派遣、国際協力活動を高く評価している。

だが、自衛隊の存在は、70年以上、一度も改正されたことのない憲法と現実の乖離かいりの象徴だ。

北朝鮮の核ミサイルの脅威などで日本の安全保障環境が悪化し、自衛隊の役割は一段と重要になっている。一部の憲法学者が自衛隊を「違憲」と主張するような異常な現状は是正せねばならない。

自衛隊の根拠規定に関し、公明党は慎重姿勢を強めている。

「意図は理解できないわけではないが、多くの国民は自衛隊を憲法違反の存在とは考えていない」として、必要性は大きくないとの考えをにじませる。

山口代表は、当面、自民の党内論議を見守る意向を示す。

国民投票で過半数の賛成を得るという改正の高いハードルを踏まえれば、より多くの党の合意を形成することが望ましい。

立憲民主党は、首相の解散権の制約や国民の「知る権利」の議論は進めるとしつつ、「安保法制を前提とした9条の改悪に反対」すると訴える。もともと「護憲」を掲げる共産、社民両党は、9条改正への反対姿勢を強めている。

選挙結果が、9条改正の可否に影響を与えるのは確実だ。

◆緊急事態条項も重要だ

大規模災害時などの緊急事態条項の創設も優先課題である。

国政選の実施が困難となるような甚大な被害が生じた際、国会議員任期を特例で延長できるようにすることには、自民党だけでなく、公明、希望両党も前向きだ。

多数の被災者の救助や支援をより効果的に行うため、首相や政府の権限を一時的に強化する仕組みも同時に検討すべきだろう。

こうした規定を憲法に設けておけば、緊急時にも超法規的な対応をとることなく、立憲主義を守ることにつながる。災害大国の危機管理という観点からも、しっかりと議論しなければなるまい。

2017年10月14日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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政治姿勢 国民の疑惑には真摯に応えよ(読売)

2017/10/14 00:38
20171013

読売新聞
社説
政治姿勢 国民の疑念には真摯に答えよ
2017年10月13日 06時06分

国民の信頼がなければどんな政策も円滑に推進することはできない。疑念が生じたら、常に真摯しんしに向き合い、誠実に説明を尽くすべきだ。


衆院選では、安倍首相の政治姿勢も問われている。首相は臨時国会で審議に入らないまま、衆院を解散した。野党は、森友・加計学園問題の疑惑隠しと批判する。

7月の東京都議選での自民党大敗後、首相は、疑惑で国民の不信を招いたことについて「深い反省」を示し、丁寧に説明すると約束した。選挙中も、その後も、言葉通りの対応に努めねばなるまい。

森友学園への国有地売却や、国家戦略特区を利用した加計学園の獣医学部新設では、首相の知人らへの便宜供与の有無が焦点である。

従来の国会審議で、首相の関与を明言する関係者がいないのは、首相が主張する通りだ。政府関係者は、国有地売却や特区選定作業に不正はなかったと証言する。

一方で、学園側との面会などを巡り、政府関係者が「記録がない」「記憶にない」と繰り返したことは国民の疑念を高めた。

森友学園問題では、近畿財務局職員が学園の要望を受け、「できるだけゼロ円に近い額になるよう作業している」などと述べたことも明らかになった。従来の国会答弁との整合性が問題となる。

同じ説明を重ねることが「丁寧な説明」ではない。必要に応じて内部調査を行い、新たな事実関係を明らかにするなど、踏み込んだ説明を行わなければ、国民の理解を広げることは難しい。

それには、政府内における正確な記録の保存が前提となる。

自民党が公約に「国民への情報公開、説明責任を全うするため、行政文書の適正な管理に努める」と明記したのは、一連の反省を踏まえたものだろう。

国家戦略特区についても、「透明性を向上し、国民に分かりやすい運用を行う」としている。

会議の議事録など、保存すべき公文書の範囲を明確化し、政府全体でルールを統一することが欠かせない。行政に支障が生じない限り、政策決定プロセスなどを積極的に公開することも大切だ。

希望の党は「隠蔽いんぺいゼロの断行」を公約に掲げる。公文書管理法を改正し、行政文書の恣意しい的な廃棄を禁止するという。

代表である小池百合子東京都知事は、この公約通り、まずは都政の政策に関する情報公開を徹底することが求められよう。

2017年10月13日 06時06分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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衆院選 安保法と憲法9条 更なる逸脱を許すのか(朝日)

2017/10/14 00:37
20171013

朝日新聞
(社説)衆院選 安保法と憲法9条 さらなる逸脱を許すのか
2017年10月13日05時00分

「憲法違反」の反対論のうねりを押し切り、安倍政権が安全保障関連法を強行成立させてから、初めての衆院選である。

安倍首相は、安保法によって「はるかに日米同盟の絆は強くなった」「選挙で勝って、その力を背景に強い外交力を展開する」と強調する。

安保法に基づく自衛隊の任務拡大と、同盟強化に前のめりの姿勢が鮮明だ。

混沌(こんとん)とした与野党の対決構図のなかで、安保法をめぐる対立軸は明確である。


■「国難」あおる首相

希望の党は公約に「現行の安保法制は憲法に則(のっと)り適切に運用する」と掲げた。

同法の白紙撤回を主張してきた民進党の前議員らに配慮し、「憲法に則り」の前置きはつけた。ただ、小池百合子代表は自民、公明の与党と同じ安保法容認の立場だ。

これに対し立憲民主、共産、社民の3党は同法は「違憲」だとして撤回を求める。

首相は、北朝鮮の脅威を「国難」と位置づけ、「国際社会と連携して最大限まで圧力を高めていく。あらゆる手段で圧力を高めていく」と力を込める。

たしかに、核・ミサイル開発をやめない北朝鮮に対し、一定の圧力は必要だろう。だからといって軍事力の行使に至れば、日本を含む周辺国の甚大な被害は避けられない。

平和的な解決の重要性は、首相自身が認めている。

それでも「国難」を強調し、危機をあおるような言動を続けるのは、北朝鮮の脅威を自らへの求心力につなげ、さらなる自衛隊と同盟の強化につなげる狙いがあるのではないか。

安倍政権は、歴代内閣が「違憲」としてきた集団的自衛権を「合憲」に一変させた。根拠としたのは、集団的自衛権について判断していない砂川事件の最高裁判決と、集団的自衛権の行使を違憲とした政府見解だ。まさに詭弁(きべん)というほかない。


■枠を越える自衛隊

その結果、自衛隊は専守防衛の枠を越え、日本に対する攻撃がなくても、日本の領域の外に出て行って米軍とともに武力行使ができるようになった。

その判断は首相や一握りの閣僚らの裁量に委ねられ、国民の代表である国会の関与も十分に担保されていない。

安保法の問題は、北朝鮮への対応にとどまらない。

国民の目と耳の届かない地球のどこかで、政府の恣意(しい)的な判断によって、自衛隊の活動が広がる危うさをはらむ。

しかも南スーダン国連平和維持活動(PKO)で起きた日報隠蔽(いんぺい)を見れば、政府による自衛隊への統制が機能不全を起こしているのは、明らかだ。

来年にかけて、防衛大綱の見直しや、次の中期防衛力整備計画の議論が本格化していくだろう。自民党内では、大幅な防衛費の増額や敵基地攻撃能力の保有を求める声が強い。

報道各社の情勢調査では、選挙後、自公に希望の党も加わって安保法容認派が国会の圧倒的多数を占める可能性がある。

そうなれば、国会の関与がさらに後退し、政権の思うがままに自衛隊の役割が拡大する恐れが強まる。

今回の衆院選は、安倍政権の5年間の安保政策を問い直す機会でもある。

安保法や特定秘密保護法。武器輸出三原則の撤廃、途上国援助(ODA)大綱や宇宙基本計画の安保重視への衣替え……。

一つひとつが、戦後日本の歩みを覆す転換である。

次に首相がめざすものは、憲法への自衛隊明記だ。自民党は衆院選公約の重点項目に、自衛隊を明記する憲法改正を初めて盛り込んだ。

安保法と、9条改正論は実は密接に絡んでいる。


■民主主義が問われる

安保法で自衛隊の行動は変質している。その自衛隊を9条に明記すれば、安保法の「集団的自衛権の行使容認」を追認することになってしまう。

「(安保法を)廃止すれば日米同盟に取り返しのつかない打撃を与えることになる」

首相は主張するが、そうとは思えない。

立憲民主党などが言う通り、安保法のかなりの部分は個別的自衛権で対応できる。米国の理解を得ながら、集団的自衛権に関する「違憲部分」を見直すことは可能なのではないか。

衆院選で問われているのは、憲法の平和主義を逸脱した安倍政権の安保政策の是非だけではない。

この5年間が置き去りにしてきたもの。それは、憲法や民主主義の手続きを重んじ、異論にも耳を傾けながら、丁寧に、幅広い合意を築いていく――。そんな政治の理性である。

「数の力」で安保法や特定秘密法を成立させてきた安倍政権の政治手法を、さらに4年間続け、加速させるのか。

日本の民主主義の行方を決めるのは、私たち有権者だ。

引用終わり
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私見
論説委員の憲法や国防に関してのネガテブ思考には唯々呆れるばかりだ。

筆者には、武力不行使、戦力不保持、交戦権否認の憲法9条は、主権を放棄した棄民条文としか見えない。又、安倍政権が策定した集団的自衛権の限定行使しか認めない安保法制もおかしなものとしか言いようがない。

現行憲法は占領下に於いて、占領政策の一環として作られたもので、その成立過程に「瑕疵」がある。為政者に独立国家の政治家としての矜持があるならば、押付けられた憲法を後生大事に戴くことなどしなかっただろう。

例え、条文が同じで有るとしても、成立過程に「瑕疵」が有る押付け憲法を廃棄して、自国が作った憲法を持つべきものだ。

その意思が多くの国会議員や朝日を始めとするメディアに欠落しているのではないか。


************** 社説の気になる部分 **************
安倍首相は、安保法によって「はるかに日米同盟の絆は強くなった」「選挙で勝って、その力を背景に強い外交力を展開する」と強調する。

安保法に基づく自衛隊の任務拡大と、同盟強化に前のめりの姿勢が鮮明だ。

混沌(こんとん)とした与野党の対決構図のなかで、安保法をめぐる対立軸は明確である。
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日米相互安全保障条約は、日本が米国を防衛する義務がないことから米国内に「安保ただ乗り論」を惹起した。それが現在も米世論の底流に存在していると見なければならない。

それを顕在化させないために、安倍首相は、安保法制で集団的自衛権の限定行使容認を打ち出した。決して前のめりの姿勢ではない。


************* 社説の気になる部分 ****************
安倍政権は、歴代内閣が「違憲」としてきた集団的自衛権を「合憲」に一変させた。根拠としたのは、集団的自衛権について判断していない砂川事件の最高裁判決と、集団的自衛権の行使を違憲とした政府見解だ。まさに詭弁(きべん)というほかない。

■枠を越える自衛隊

その結果、自衛隊は専守防衛の枠を越え、日本に対する攻撃がなくても、日本の領域の外に出て行って米軍とともに武力行使ができるようになった。

その判断は首相や一握りの閣僚らの裁量に委ねられ、国民の代表である国会の関与も十分に担保されていない。

安保法の問題は、北朝鮮への対応にとどまらない。

国民の目と耳の届かない地球のどこかで、政府の恣意(しい)的な判断によって、自衛隊の活動が広がる危うさをはらむ。

しかも南スーダン国連平和維持活動(PKO)で起きた日報隠蔽(いんぺい)を見れば、政府による自衛隊への統制が機能不全を起こしているのは、明らかだ。
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安倍政権の見解を詭弁とするなら、憲法9条の規定に関わらず「9条は自衛権を放棄したものではない」との解釈で自衛隊を創立した事も又詭弁だろう。

その解釈は認めて、安倍政権が集団的自衛権の限定行使を容認したことを「詭弁」とするのは、筋が通らない。

裁判所が憲法の抽象的審査をしない事を踏まえて、内閣法制局が法の合憲性を、有権解釈をしているに過ぎない。それは時々の政治情勢・安保環境を反映したものにならざるを得ない。

+++
「その判断は首相や一握りの閣僚らの裁量に委ねられ、国民の代表である国会の関与も十分に担保されていない。」
+++
とあるが、憲法に自衛隊の根拠がなく専ら解釈変更によって自衛隊の行動を規制するからには裁量によらざるをえない。
それを防ぐためにも憲法に国軍規定と国家緊急事態措置を盛り込む必要があるとは理解できないのか?

+++
「国民の目と耳の届かない地球のどこかで、政府の恣意的な判断によって、自衛隊の活動が広がる危うさをはらむ。」
+++
に至っては笑うしかない。現行法制や自衛隊の装備で国外に於いて、武力行使などできる能力など有しないのは明白だろうに・・・。


************** 朝日社説の気になる部分 **************
立憲民主党などが言う通り、安保法のかなりの部分は個別的自衛権で対応できる。米国の理解を得ながら、集団的自衛権に関する「違憲部分」を見直すことは可能なのではないか。

衆院選で問われているのは、憲法の平和主義を逸脱した安倍政権の安保政策の是非だけではない。

この5年間が置き去りにしてきたもの。それは、憲法や民主主義の手続きを重んじ、異論にも耳を傾けながら、丁寧に、幅広い合意を築いていく――。そんな政治の理性である。
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個別的自衛権では及ばない部分が有ったからこそ、集団的自衛権の限定行使を容認する安保法制を制定したのだ。

集団的自衛権に関する「違憲部分」とは何を指しているのか説明して頂きたい。

+++
「米国の理解を得ながら、集団的自衛権に関する「違憲部分」を見直すことは可能なのではないか」
+++

日米相互安全保障条約を双務的なものにするには、日本も応分の負担をしなければならない。国防の在り方は、打撃力を米国任せにすることなくある程度の打撃力を保持して、足らざるところは米国に補完を依頼するのが国家としての本来の姿だ。

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衆院選公示(各紙)

2017/10/11 21:38
20171011

読売新聞
社説
衆院選公示 安倍政権の「信任」が問われる
2017年10月11日 06時00分

日本が直面する様々な政策課題に関して、どの政党、候補者の主張が説得力を持つのか。真贋しんがんを冷静に見極めたい。


第48回衆院選が公示された。定数465に対し、1200人近くが立候補した。

自民、公明両党が過半数の233議席を上回れば、安倍首相は続投する意向を表明している。

希望の党は、小池代表が出馬を見送り、候補者も235人と、過半数にぎりぎり達するにとどまった。小池氏は「候補者が全員当選というわけではない」とも語っており、希望の政権獲得は見通せない。失速感は否めまい。

選挙の性格が、政権選択から安倍政権の信任に変わってきた、と言える。

首相は福島市で演説し、「北朝鮮の脅威」に対する国際社会の連携を訴えた。「話し合いのための話し合いは意味がない」と述べ、圧力強化の必要性も強調した。

読売新聞の世論調査では、重視したい政策として、外交・安全保障が景気や社会保障を上回って最多となった。異例のことだ。

北朝鮮の度重なる核実験や弾道ミサイル発射を踏まえ、首相は「国難突破」選挙と位置づける。日本の安全確保へ、各党は、より建設的な論戦を深めるべきだ。

小池氏は東京都内で演説し、消費増税の「延期」を主張した。増税分の一部を教育無償化などに使途変更する首相の意向を「しょぼい話」と切り捨て、「安倍1強政治を変えよう」と呼びかけた。

自民、希望両党の主張はバラマキへの懸念がある。使途変更による財政再建分の削減は新たな借金と同じだ。希望の党も、凍結に伴う財源確保策が曖昧である。具体的な肉付けが欠かせない。

政治家の劣化が指摘されて久しい。自民は、若手の前議員による不祥事や失言が相次いだ。風頼みで、苦労せずに当選したことが背景にあるのは確かだ。

希望は、結成間もないという事情があるにせよ、政治経験の乏しい新人を大量に擁立している。候補者の選定作業は厳密に行われたのか、疑問が拭えない。

選挙戦では、政治家個人の資質と能力もしっかり吟味したい。

18、19歳の有権者約240万人にとって、全国規模の衆院選での投票が初めて可能となる。

選挙は民主主義の根幹だ。教育、雇用など、若者に身近な争点も多い。関心のある公約の各党の政策を比較するなどして、貴重な1票を適切に行使してもらいたい。

2017年10月11日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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日経新聞
社説
17衆院選 次世代に責任ある経済政策論議を
2017/10/11付

衆院総選挙が10日公示され正式に選挙戦がスタートした。衆院解散に打って出た安倍晋三首相は、2019年10月に予定する消費税の使途拡大について国民に信を問うとしているが、選挙戦では経済政策の全体像に踏み込んで議論すべきだ。


◇増税見送りは無責任


12年12月に安倍政権が発足してからもうすぐ5年。政権は、大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略の3本の矢からなる経済政策、アベノミクスを推進した。

12年末から始まった景気拡大は9月で戦後2番目の長さになったもようで、首相が主張する通り名目国内総生産(GDP)は50兆円増え、雇用も大きく改善した。一方、政府・日銀の合意で掲げた2%の物価目標は、黒田東彦日銀総裁のもとでの異次元緩和にもかかわらず達成していない。

民主党政権下の与野党3党は、消費税率の2段階での10%への引き上げを決めた。安倍政権は8%への引き上げは14年4月に予定通り実施したが、10%への引き上げは2回延期した。

安倍首相は、19年10月に消費税率を予定通り上げるが、その増収分5兆円強のうち約2兆円を教育の無償化などへの新規歳出に充てるという。この結果、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を20年度に黒字化する財政健全化の目標も先送りした。

衆院選前の野党再編で民進党が分裂し、希望の党と立憲民主党が新たに立ち上がったが、野党は19年の消費増税見送りで一致している。与党の主張する教育の無償化には野党から異論はなく、消費税率を予定通り上げるかどうかが、今回の選挙の主要争点となった。

与党の消費税の使途変更も、本来は財政健全化に充てるべき税収を新規歳出に回す政策で、実質的に赤字国債を出すのと変わらない。与党案でも財政規律は緩んでいるのに、消費増税凍結という野党の主張はさらに無責任といわざるを得ない。

希望の党は増収策として、企業の内部留保への課税を掲げているが、経済政策としても、財源確保策としても問題のある政策だ。業績が好調な企業がもっと賃上げや投資にお金を使うように促すことは重要だが、増税を使って圧力をかける手法には問題がある。国会議員の定数・報酬削減や行政改革など希望の党や日本維新の会が主張する「身を切る改革」も教育無償化の財源としては不十分だ。

教育の無償化という政策は国民には心地よく響く。重要なのはその費用対効果をしっかり検証するとともに、限られた財源をどう配分するかという点だ。

少子・高齢化の進展で、年金・医療・介護などの社会保障費は急激に膨らんでいる。そこに教育の無償化など次世代への投資を追加するだけなら、財政は大きく悪化する。教育へ使うお金を増やすならば、所得や資産を持つ高齢者への給付削減など歳出を抑制する必要がある。


◇成長戦略も議論深めよ


首相は、教育の無償化も含めた「全世代型社会保障」を掲げている。この政策を実施するのならば、社会保障の制度改革にも踏み込んだ配分見直しや、10%に引き上げた後の消費税の扱いなど中長期の財政健全化策もあわせて決めるべきだ。

希望の党は、すべての国民に最低限の生活に必要なお金を配るベーシックインカム(最低生活保障)を掲げたが、中身は極めてあいまいだ。野党とはいっても、財源対策から逃げずに、政権をとった時に次世代に負担を先送りにせずにすむ社会保障や財政健全化の道筋を示すのが責任ある態度だ。

安倍政権は成長戦略を掲げたが、規制改革や働き方改革など生産性向上につながる構造改革は金融緩和や財政出動に比べると歩みが遅い。希望の党が、既得権益やしがらみを排した規制改革の推進を訴えているのはもっともだ。

安倍政権は生産性革命を掲げているが、生産性を引き上げるための規制改革や労働市場改革などについては、もっと活発に議論してほしい。

今後の選挙戦で各党は、消費税を上げる、上げないという問題だけでなく、10年、20年先も見据えた日本経済のあるべき姿とそこへの道筋についての議論を深めてほしい。
引用終わり
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朝日新聞
社説
(社説)衆院選 安倍政権への審判 民意こそ、政治を動かす
2017年10月11日05時00分

近年まれにみる混沌(こんとん)とした幕開けである。

衆院選が公示され、22日の投開票に向けた論戦が始まった。

発端は、安倍首相による唐突な臨時国会冒頭解散だった。

選挙準備が整わない野党の隙をつくとともに、森友学園・加計学園問題の追及の場を消し去る。憲法53条に基づく野党の臨時国会召集要求を無視した「自己都合解散」である。

だが解散は、思わぬ野党再編の引き金をひいた。民進党の崩壊と、小池百合子・東京都知事率いる希望の党の誕生だ。


■「1強政治」こそ争点

選挙戦の構図を不鮮明にしているのは、その小池氏の分かりにくい態度である。

「安倍1強政治にNO」と言いながら、選挙後の首相指名投票への対応は「選挙結果を見て考える」。9条を含む憲法改正や安全保障政策をめぐる主張は安倍政権とほぼ重なる。

固まったかに見えた「自民・公明」「希望・維新」「立憲民主・共産・社民」の3極構図は今やあやふやだ。

むしろ政策面では、安保関連法を違憲だと批判し、首相が進める改憲阻止を掲げる「立憲民主・共産など」と「自民・希望など」の対立軸が見えてきた。

野党なのか与党なのか。自民党に次ぐ規模である希望の党の姿勢があいまいでは、政権選択選挙になりようがない。戸惑う有権者も多いだろう。

だからこそ、確認したい。

この衆院選の最大の争点は、約5年の「安倍1強政治」への審判である。そして、それをさらに4年続けるかどうかだと。

この5年、安倍政権が見せつけたものは何か。

経済を前面に立てて選挙を戦い、選挙後は「安倍カラー」の政策を押し通す政治手法だ。

景気と雇用の安定を背景に選挙に大勝する一方で、圧倒的な数の力で特定秘密保護法、安保法、「共謀罪」法など国論を二分する法律を次々と成立させてきた。


■一票が生む緊張感

ことし前半の通常国会では、数の力を振り回す政権の体質がむき出しになった。

加計学園に絡む「総理のご意向」文書、財務省と森友学園の交渉記録……。国会で存在を追及されても「記憶がない」「記録がない」で押し切る。政権にとって不都合な証言者には容赦なく人格攻撃を加える。

国会最終盤には「共謀罪」法案の委員会審議を打ち切って採決を強行する挙に出た。1強のおごりの極みである。

行政府とその長である首相を監視し、問題があればただす。国会の機能がないがしろにされている。三権分立が危機に瀕(ひん)しているとも言える。

そんな1強政治を前にして、一票をどう行使すべきか。考え込む人も多いかもしれない。

自分の一票があってもなくても政治は変わらない。政党の離合集散にはうんざりだ。だから選挙には行かない――。

しかしそれは、政治の現状をよしとする白紙委任に等しい。

7月の東京都議選最終盤の一場面を思い起こしたい。

「こんな人たちに負けるわけにはいかない」。東京・秋葉原でわき上がる「辞めろ」コールに、首相は声を強めたが、自民党は歴史的敗北を喫した。

選挙後、首相は「謙虚に、丁寧に、国民の負託にこたえる」と述べたが、その低姿勢は長くは続かなかった。内閣改造をへて内閣支持率が上向いたと見るや、国会審議を一切せずに冒頭解散に踏み切った。

それでも、都議選で示された民意が政治に一定の緊張感をもたらしたのは間違いない。


■無関心が政権支える

1強政治は、どれほどの「民意」に支えられているのか。

首相は政権に復帰した2012年の衆院選をはじめ、国政選挙に4連勝中だ。

最近の国政選挙は低投票率が続く。前回14年の衆院選の投票率は戦後最低の52・66%で、自民党の小選挙区での得票率は48・1%だ。つまり、有権者の4分の1程度の支持でしかない。

そして衆院選小選挙区の自民党の得票総数は、05年の「郵政選挙」以降、減り続けている。有権者の選挙への関心の低さが1強を支えている。

一票は、確かに一票に過ぎない。だがその一票が積み重なって民意ができる。そこに政治を変える可能性が生まれる。

政治家は一票の重みを熟知している。だから民意の動向に神経をとがらせる。

日本は今、岐路に立つ。

少子高齢化への対応は。米国や近隣国とどう向き合うか。原発政策は……。各党が何を語るかに耳を澄まし、語らない本音にも目をこらしたい。

納得できる選択肢がないという人もいるだろう。それでも緊張感ある政治を取り戻す力は、有権者の一票にこそある。

自分のためだけではない。投票は、子どもたちや将来の世代への責任でもある。
引用終わり
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毎日新聞
社説
日本の岐路 衆院選がスタート 「よりまし」を問う12日間
毎日新聞2017年10月11日 東京朝刊

日本の大きな岐路となる衆院選が公示された。投開票は22日。それに向けた選挙戦が始まった。


「与党の自民・公明」か。「希望の党・日本維新の会」か。「共産・立憲民主・社民」か−−。

選挙直前になって二つの新党が誕生し混迷してきた選挙の構図は、主にこの3グループの選択となった。

安倍晋三首相が唐突に衆院解散に踏み切ったことから、各党とも準備不足は否めない。首相の足元の自民党の公約も急ごしらえだ。

衆院の小選挙区は、二つの主要な政党が1議席を争う形を想定して導入された制度である。3極に分かれたことで、有権者の選択が複雑になったのは確かだろう。

自民党を除く各党は過半数(233議席)を取れる十分な候補者を擁立しておらず、「政権選択」の条件が十分そろっているかも疑問だ。

◇最大の争点「安倍政治」

だが改めて指摘しておきたい。

今回は安倍政権の約5年の実績をどう評価するのか、そして安倍政権が4年後の2021年秋まで続くことを是とするのか、しないのかが焦点だ。

「安倍1強」状態が続く中、安全保障法制や「共謀罪」法はじめ、与党が数の力で強引に法律を成立させる国会運営が繰り返されてきた。

加計学園や森友学園問題に見るように、行政のゆがみも見えてきている。内閣支持率の急落につながった両問題に対する安倍首相の説明は今も説得力を欠いている。アベノミクスに関しても評価はさまざまだ。

北朝鮮情勢を「国難」と訴え解散した手法も含め、最大の争点は「安倍政治」そのものの是非である。

安倍首相は自民と公明の与党で過半数を確保すれば政権を維持すると明言している。半数を1議席でも上回れば「政権は国民に信任された」と言うのだろう。

しかし、そうだろうか。加計問題などを棚上げし、首相自身の保身を狙ったような衆院選だ。過半数を取っても大幅に議席を減らせば自民党内で責任を問う声は強まり、来秋の自民党総裁選で安倍首相(総裁)が3選されるのは難しくなるはずだ。

つまり首相交代につながる可能性がある選挙だということだ。

一方、希望の党は大きな焦点だった小池百合子代表(東京都知事)の出馬は見送られた。総選挙後の首相指名選挙で誰に投票するかは、結果を見てから考えるという。

安倍政権を倒すという目標は明確だが、仮に安倍首相が退陣した場合には、自民党との連携も否定していないように見える。

こうしたあいまいさは政権を担うとアピールしている政党として、有権者に対して無責任だ。

◇希望はあいまいさ排せ

小池氏は「安倍1強の政治をただすために有権者に選択肢を示す」と言う。そうであるなら、党として選挙後の対応をどう考えているのか、もっと具体的に示すべきだろう。

そんな中、個別の政策では各党の違いが見えてきた。

大きなテーマが憲法改正だ。自民党が引き続き勝利すれば、改憲論議は憲法9条の1項と2項を維持し、「自衛隊を明記した条文を追加する」という首相が提起した案を中心に進む可能性が高くなるだろう。

希望の党は改憲自体には積極的だが、首相の自衛隊明記案には否定的だ。立憲民主党は今の安保法制を前提とした9条改正に反対している。

消費税に関して自民党は再来年秋に予定通り10%に税率を引き上げるものの、増税分の一部を教育無償化などに充てると言う。対する希望の党と維新は消費増税の凍結を主張。立憲民主党も増税に否定的だ。

原発政策は、希望の党が「30年までに原発ゼロ」と公約に掲げたことで争点に浮上してきた。立憲民主党と共産、社民両党も「原発ゼロ」で一致している。これが国民的議論につながっていくことを期待したい。

沖縄県の米軍普天間飛行場の移設計画の是非も全国的に議論したい。

暴言や不祥事が続き、議員の質の劣化が問題になっている。候補者本人を見極めるのも重要だ。

今後、各党幹部や候補者が一方的に演説する場面が増えるだろう。何を強調するかだけでなく、何を語りたがらないかにも注目したい。

「安倍1強」の継続か、自公政権の下での首相交代か、野党の政権奪取か。難しい選択だが、どんな政治状況になるのが、よりましなのか。私たち有権者は考えていきたい。
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産経新聞
2017.10.11 05:02更新
【主張】
衆院選公示 複数の選択肢ないままか

(1/2ページ) .
公示された第48回衆院選は、誰が強調しようがしまいが、政権選択選挙である。

国のかじ取りを担う指導者は誰か、よって立つ理念や政策は何かを提示しあうことが、戦いの軸となるべきだ。

ところが、希望の党の小池百合子代表は、議員定数の過半数の候補者を擁立しながら、自らの出馬を見送った。首相指名の候補も、あらかじめ決めていない。

自民、公明両党は安倍晋三政権の継続を掲げており、その信任を問う形にはなる。

そうであっても、この国を誰に託すかが不明確なままの選挙は不十分だ。今からでも遅くない。これらをきちんと示し、与野党の論戦を深めてほしい。現状では、有権者が複数の政権の選択肢を見いだすことは困難である。

野党側は「希望の党、日本維新の会」と「共産、立憲民主、社民3党」の2極に分かれている。

小池氏は公示後の第一声で「安倍1強政治を終わらせよう」と訴えた。ならば、首相候補を不在にしたまま、もし「終わらせた」後はどうなるのか。

小池氏が、自民党と連立政権を組む可能性について否定していないのも、責任ある姿勢とはいえない。選挙結果によって判断する要素は残るだろう。だとしても、まず自らが選挙後の政権の姿を描いてからの話ではないか。

(2/2ページ) .
何事も「選挙結果を踏まえて考える」では、掲げている理念や政策をどれだけ信用してよいのか判断がつかない。希望が党幹事長や政策責任者などを決めていないのも、この党の信頼性を乏しいものにしている。

共産、立憲民主、社民3党は、選挙協力のほか憲法9条改正反対や安全保障関連法廃止で一致する。ただし、首相指名で足並みが揃(そろ)うかは不透明だ。それでは、政権の受け皿として現実的に位置づけることはできない。

自民党など与党は、戦う相手が枠組みを明確に構築できないのをみて、安堵(あんど)していないか。

安倍首相は北朝鮮危機や少子高齢化を国難と位置づけ、その突破を掲げて解散に打って出たことを忘れてはならない。

その具体的な処方箋を示し、国民の理解を得ることができなければ、たとえ政権を継続できたとしても、危機を効果的に乗り切っていける保証はないからである。
引用終わり
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衆院選あす公示(各紙)

2017/10/10 17:43
20171009

読売新聞
社説
あす公示 責任ある政策論争を展開せよ
2017年10月09日 06時00分

◆各党の力量を冷静に吟味したい◆


第48回衆院選は、あす公示される。

安倍首相の解散表明を受け、大幅な野党再編など異例の展開が続いた。だからこそ、各党の政策や実行力を冷静に吟味し、誤りなき日本の針路を選択したい。

選挙戦は、与党の自民、公明両党に対し、希望の党、日本維新の会の保守中道系野党と、共産、立憲民主、社民の左派・リベラル系野党が挑む3極の構図である。

希望の結成と民進党の分裂・合流などによって、従来の与野党対決が大きく様変わりした。

◆野党再編で違い明確に

憲法改正や安全保障関連法について、与党と保守中道系野党は支持・容認し、左派・リベラル系は反対する。2019年10月に予定される消費増税には与党が賛成で、野党は凍結・中止を求める。

理念・政策などを軸にした野党再編の結果、各党の違いが鮮明になったのは結構なことだ。

衆院選の最大の焦点は、自民、希望両党の対決である。

安倍首相は、自民党の現有議席をどこまで守り、長期安定政権の基盤を維持できるか。希望は、準備不足が否めない中、小池百合子東京都知事の代表就任、民進の大量流入のサプライズをバネに、どれだけ勢力を拡大できるか。

日本記者クラブ主催の8党首討論会では、消費増税の是非が一つの重要な論点となった。

首相は、消費増税を予定通り実施し、その使途を教育無償化などに振り替える考えを強調した。増税凍結を唱える希望に対しては代替財源の確保策を質ただした。

小池氏は、経済の現状は「好景気の実感を伴っていない」として「いったん立ち止まろうと言っている」と語るにとどめた。公約にある大企業の内部留保への課税など各論には言及しなかった。

選挙では、与野党とも、国民の痛みを伴う改革には消極的になりがちだ。急増する社会保障の財源を安易に次世代につけ回すことのないよう、もっと責任ある政策論争を展開する必要がある。

北朝鮮情勢に関連し、首相は、2003年に米中両国の圧力で6か国協議を実現した例を挙げて、圧力があってこそ、対話で成果が生まれると指摘した。

◆安保政策の共有が重要

安全保障政策に関し、小池氏が「北朝鮮情勢が大変厳しい中、リアルな政治を進める」と述べ、安保関連法を容認する立場を明確にしたことは評価できる。

事実上の野党第1党が安保関連法の合憲性を支持することは、今後の安保論議をより建設的なものにするはずだ。

将来、政権交代があっても、外交・安保政策は継承される。そうした安定した政治体制を構築する一歩となることが期待される。

憲法改正について、安倍首相は「最後に決めるのは国民だ」と強調し、自衛隊の明記など4項目の改正を目指す考えを示した。

小池氏は、陸上自衛隊の日報問題を取り上げ、根拠規定の追加に「大いに疑問がある」などと語った。一方で、地方分権や情報公開を進めるための改正は積極的に支持する考えを示している。

公明党の山口代表は、改正に関する国民の理解は成熟した段階にないとし、「自民党の議論を見守っていく」と述べた。維新の松井代表は、教育無償化を追加する必要性を力説した。

共産、立憲民主、社民の各党は9条改正への反対を表明した。

希望が改正自体には前向きなため、改憲勢力が引き続き衆院の3分の2を占めるのは確実だ。

ただ、具体的な改正項目では足並みがそろっていない。どんな条件なら、自衛隊の明記などの合意形成が図れるのか。各党は選挙戦で、各論を深めてもらいたい。

◆首相は疑惑の説明を

首相は、森友・加計学園の疑惑に関して「李下りかに冠を正さずで、疑いを持たれるのは当然だ。私がもっと慎重であるべきだった」と反省の弁を述べた。国家戦略特区関係者の発言を紹介し、疑惑への自らの関与は改めて否定した。

臨時国会の実質審議がないままの衆院解散は、野党から「森友・加計隠し」と批判されている。首相は、より積極的に情報を開示し、丁寧な説明を続けるべきだ。

小池氏は、希望が首相候補を明らかにしていないことについて、「選挙の結果を見てから考える」と従来の見解を繰り返した。

衆院定数の過半数の233を上回る候補を擁立する方針だが、一気に政権を獲得するのは難しいという判断があるのではないか。

2017年10月09日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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日経新聞
社説
安倍政権5年へ審判を下す衆院選
2017/10/9付

衆院選があす公示され、22日の投票日に向けて選挙戦が始まる。選挙直前に新党がふたつ誕生し、何が何だかわからないという有権者も少なくないだろう。ここは政治の基本に立ち返り、約5年間に及ぶ安倍晋三首相の政権運営への審判を下す場と考えればよいのではなかろうか。

1996年の衆院選から小選挙区制が導入され、政界の枠組みは自民VS新進〜民主〜民進の二大政党体制が続いてきた。


◇方向性が不透明な希望

その民進党がふたつに分裂し、保守系は東京都の小池百合子知事がつくった希望の党に合流し、リベラル系は立憲民主党を立ち上げた。共産党などを含めた野党の大同団結を期待する市民運動勢力からは失望の声が出ている。

だが、考え方の違う勢力が「非自民」だけをスローガンにして一緒になっても結局はうまくいかない例を何度も見てきた。かつては右も左も包含するキャッチオール型だった自民党も近年は保守系にほぼ収束した。非自民を名乗らなくても、政策で対立軸をつくることは可能だ。

問題は、希望の党の方向性が不透明なことだ。日本記者クラブが開いた8党首の討論会で、小池氏はゴルフになぞらえて「フェアウエーど真ん中で有権者に選択肢を示す」と説明した。

立憲民主党を結党した枝野幸男代表らを排除したことで、左寄りでないことはわかった。しかし、それと希望の党が掲げる「寛容なる改革保守」はどうつながるのか。そもそも寛容と改革の関係がよくわからない。安倍政権より右寄りと目される候補もいる。

加えて、わからなさを助長しているのが、首相候補の不在である。党首討論で小池氏は「しっかり戦い抜くのがまずあって、その結果としての判断だ。安倍1強政治を変えていくのが大きな旗印だ」と繰り返すにとどまった。

非自民という言い回しをしないところから類推すると、自民党に打撃を与え、安倍首相を退陣に追い込んだうえで、新総裁と連立するということなのだろうか。

小池氏は希望の党の公約発表の際、経済政策は「アベノミクスに代わるというか、加えてといった方が正しい」と語った。同じ保守同士で政策的な違いはさほどないとしても、選挙後に自民党と組むことも視野に入れているならば、明言して選挙を戦うべきだ。

自公政権打倒を期待する有権者が希望の党に投票し、選挙後に裏切られたら、政治不信はますます高まろう。

立憲民主党も何がしたいのかが見えてこない。党首討論で、枝野氏は「誰かがどこかで決めて、多くの国民が従わなければならない」と強調した。安倍政権の国会運営がやや強引なのはその通りだが、多数を握った与党が公約したことを推進するのはある意味で当たり前である。

何でも反対だった社会党が消滅したことを考えれば、抵抗型の政党が長続きするとは思えない。立憲民主党は「安倍政権のもとで格差が広がった」と攻撃するのであれば、具体的な社会保障政策などで違いを打ち出すべきだ。


◇森友加計の説明丁寧に

政権選択選挙は、ときの政権の継続を望むのか、望まないのかという選択肢を示すのが本来の姿だ。野党で最も多くの候補を立てる希望の党が与野党交代を目指しているのかが不透明な現状では、安倍政権への通信簿のつもりで投票するしかあるまい。

党首討論で、安倍首相は突然の衆院解散の大義について「北朝鮮の脅威」を挙げ、「圧力をかけていくことに国民の信を得る」と発言した。外交政策は重要な争点のひとつだが、この選挙が有事への白紙委任であるかのような表現には違和感がある。

解散表明時の記者会見でほとんどの時間を費やした消費増税分の使途の変更と優先順位が変わった理由も知りたいものだ。

森友・加計疑惑については「私自身が何度も説明した」「妻については私が代わって十分に話した」と述べるにとどめた。理解を得るためにはもっと丁寧な説明をする必要がある。

今回の衆院選は、18歳選挙権が導入されて最初の政権選択選挙である。与野党ともこんな程度の説明で、高校生が納得すると思っているのだろうか。
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朝日新聞
(社説)衆院選 あす公示 「語らぬ争点」に目を
2017年10月9日05時00分

安倍首相の解散表明から2週間、衆院選があす公示される。

きのうまでのメディアや日本記者クラブでの党首討論で見えてきたのは、各党首がアピールする争点の裏にある、「語りたがらない争点」である。

まず解散の大義だ。首相は北朝鮮情勢を強調する。

だがそれは臨時国会の冒頭、審議に一切応じないままの解散の理由にはならない。憲法53条に基づく野党の召集要求を3カ月も放置した末にである。

北朝鮮にどう向き合うかは、対話と圧力のどちらに力点を置くかの違いはあれ、各党の差は実は大きくない。選挙で問うというより、むしろどうやって国際社会の力を結集するか、国会で各党が論じ合うべき課題だ。

なぜ冒頭解散なのか。共産党の志位和夫委員長は首相に「森友、加計学園疑惑隠し。これ以外にない」とただした。その通りだろう。

もう一つは、希望の党の小池百合子代表の姿勢だ。

「安倍1強を倒す」と言いながら、自民党との近さがいっそう鮮明になった。

外交・安保政策は自民党と「違いはない」と明言。9条を含む憲法改正の議論にも意欲をみせる。半面、自民党との対立軸と位置づける「消費増税凍結」「2030年原発ゼロ」は、財源や実現へのプロセスが相変わらずあいまいなままだ。

小池氏はさらに、みずからの立候補を否定し、選挙後の首相指名投票で党としてだれに投じるかは「選挙結果をふまえて考える」と明確にしない。これでは政権選択選挙とは言えない。

見えてくるのは、選挙後に自民党と連携する可能性だ。

定着したかに見えた「自民・公明」「希望・維新」「立憲民主・共産・社民」の三つどもえの構図自体があやしくなる。

政権交代に期待して希望の党に一票を投じたら、自民・希望の大連立政権ができた――。有権者にとって、そんな事態も起きかねない。

事実上の野党第1党である希望の党が自民党と手を結べば、緊張感ある政治は実現しようがない。7月の東京都議選の惨敗を受けて、表向き憲法改正には慎重姿勢に転じていた首相が、再び「憲法への自衛隊明記」を訴え出したのも、小池氏の姿勢が反映しているように見える。

どんな政策を、だれの責任の下で進めるのか。選挙前にはっきりさせることが、小池氏の有権者への最低限の責務だ。

各党が語りたがらない本音を互いにあぶり出す。そんな論戦を期待する。
引用終わり
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毎日新聞
社説
日本の岐路 首相の討論会発言 これが丁寧な説明なのか
毎日新聞2017年10月9日 東京朝刊

選挙構図が二転三転する中、各党の立場や争点がようやく見えてきたのは確かだろう。衆院選の公示(10日)を前に日本記者クラブが主催する党首討論会がきのう開かれた。


しかし唐突に衆院解散に踏み切った安倍晋三首相の説明は相変わらず説得力を欠いた。

臨時国会での質疑を封じて解散を表明した際、首相は国会など必要ないといわんばかりに「選挙は民主主義における最大の論戦の場だ」と言い切り、加計学園や森友学園問題の「疑惑隠し」ではないと力説した。

それでは討論会での説明が国会に代わるものだったろうか。

加計問題に関して首相は「私が影響力を行使したわけではない」と、これまでの国会答弁を繰り返した。加えて、首相寄りの関係者の証言がもっと報じられていれば国民の理解は進んだ−−とマスコミに責任を転嫁するような反論も展開した。

また森友問題では、首相の妻・昭恵氏の国会招致について「私が代わって十分に説明している」と引き続き拒否する考えを示した。

「丁寧に説明する努力を積み重ねたい」という首相の約束はどこへ行ってしまったのか。これでは国民の不信感が消えるはずがない。こうした首相の姿勢も含め、引き続き衆院選の焦点となるだろう。

首相は北朝鮮問題を挙げて「国難突破解散」だと言う。討論会では今後、北朝鮮情勢はさらに緊迫するとの見方を示した。今のうちに衆院選を行い、国民の信を得て乗り切りたいとの考えかもしれない。

だが、そうした情勢分析をしているのなら、まず国会できちんと説明するのが筋だ。説明もなく「国難」と不安をあおって選挙に臨むというのは、やはり順番が逆だ。

一方、希望の党の小池百合子代表は、選挙後の首相指名で党として誰に投票するか、「選挙の結果も見ながら進めていく」と重ねて語った。

小池氏は選挙後、仮に安倍首相が退陣する事態となったら、自民党、もしくは自民党の一部と連携する可能性も否定していないようだ。

ただし、こうしたあいまいな姿勢は有権者には分かりにくい。小池氏自身が出馬せず、しかも政権選択選挙だと言う以上、首相候補は衆院選投票前に決めておくべきである。
引用終わり
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衆院選 森友・加計 「丁寧な説明」どこへ(朝日)

2017/10/07 11:27
20171006

朝日新聞
(社説)衆院選 森友・加計 「丁寧な説明」どこへ
2017年10月6日05時00分

「謙虚に丁寧に、国民の負託に応えるために全力を尽くす」

安倍首相は8月の内閣改造後、森友・加計学園の問題で不信を招いたと国民に陳謝した。

だがその後の行動は、謙虚さからも丁寧さからも縁遠い。

象徴的なのは、憲法53条に基づく野党の臨時国会の召集要求を、3カ月もたなざらしにしたあげく、一切の審議もせぬまま衆院解散の挙に出たことだ。

首相やその妻に近い人に便宜を図るために、行政がゆがめられたのではないか。森友・加計問題がまず問うのは、行政の公平性、公正性である。

もう一つ問われているのは、「丁寧な説明」を口では約束しながら、いっこうに実行しない首相の姿勢だ。

安倍首相は7月の東京都議選での自民党惨敗を受け、衆参両院の閉会中審査に出席した。

そして、この場の質疑で疑問はさらに膨らんだ。

たとえば、加計学園による愛媛県今治市の国家戦略特区での獣医学部の新設計画を、ことし1月20日まで知らなかった、という首相の答弁である。

首相は、同市の計画は2年前から知っていたが、事業者が加計学園に決まったと知ったのは決定当日の「1月20日の諮問会議の直前」だと述べた。

だが、県と市は10年前から加計学園による学部新設を訴えており、関係者の間では「今治=加計」は共通認識だった。

さらに農林水産相と地方創生相は、昨年8〜9月に加計孝太郎理事長から直接、話を聞いていた。加計氏と頻繁にゴルフや会食をする首相だけは耳にしていなかったのか。

首相の説明は不自然さがぬぐえない。

朝日新聞の9月の世論調査でも、森友・加計問題のこれまでの首相の説明が「十分でない」が79%に達している。

それでも首相は説明責任を果たしたと言いたいようだ。9月の解散表明の記者会見では「私自身、丁寧な説明を積み重ねてきた。今後ともその考えに変わりはない」と繰り返した。

ならばなぜ、選挙戦より丁寧な議論ができる国会召集を拒んだのか。「疑惑隠し解散」との批判にどう反論するのか。

首相は「国民の皆さんにご説明をしながら選挙を行う」ともいう。けれど解散後の街頭演説で、この問題を語らない。

首相は「総選挙は私自身への信任を問うもの」とも付け加えた。与党が勝てば、問題は一件落着と言いたいのだろうか。

説明責任に背を向ける首相の政治姿勢こそ、選挙の争点だ。
引用終わり
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私見
森友・加計問題を追及した野党は、国会会期中に於いても閉会中審査に於いても疑惑とする具体的な根拠を提示できなかった。

それでも、事実の解明が進んでいないとか、説明責任が果たされていないとか、さも問題ありげに語ったのは、事実の解明というよりも安倍政権にダメージを与える事が目的だった。

森友学園への土地譲渡の件は、それを所管する財務省に問題があるはずだが、なぜか麻生財務相に批判の矛先が向かず安倍首相に向かっている。これもおかしな話だ。

加計学園が経営する岡山理科大学に、獣医学部を新設することに付いて、手続き上誤りはなかったことは作業部会長も言明し、加戸守行前愛媛県知事は、「行政の歪みが正された」と国会で発言している。それを朝日は報道せずに、前川前文部事務次官の発言した「行政が歪められた」との発言を報道している。

朝日の報道姿勢には首を傾げざるを得ない。

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衆院選 「希望の党」公約発表(各紙)

2017/10/07 11:27
20171007

読売新聞
社説
希望の党公約 政権を目指す責任感に欠ける
2017年10月07日 06時02分

憲法改正や安全保障で建設的な公約を打ち出した。「第2民進党」との批判は免れよう。


希望の党が衆院選公約を発表した。憲法改正で、地方分権や知る権利などに「幅広く取り組む」方針を明示した。

自衛隊の明記についても、「国民の理解が得られるかどうか見極めた上で判断する」として、議論を排除しない考えを示した。

いずれも歓迎したい。小池代表は従来、自衛隊の明記には慎重な姿勢だった。今後は、個別項目の議論を深めることが大切だ。

公約が「現実主義に立脚した外交安全保障」に向けて、安全保障関連法について「憲法に則のっとり適切に運用する」と容認したことは、高く評価できる。

北朝鮮の脅威を踏まえて、関連法を巡る「与野党の不毛な対立から脱却」するとしたのも妥当だ。「日米同盟を深化させる」具体策を積極的に論じてもらいたい。

内政では、与党との違いを強調しようとした結果、疑問を禁じ得ない政策が並んだのは残念だ。

2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げについて「凍結」を掲げた。消費増税による社会保障充実を訴える与党に対抗する狙いがあろう。

公約は、増税すれば景気が失速する可能性が高いと指摘する。増税の前提として、議員定数・報酬の削減、一院制実現への道筋など「身を切る改革」、不要不急のインフラ整備の見直しを挙げた。

だが、「身を切る改革」の歳出削減効果は限定的だ。増税と国会改革を連関させる合理性もない。大衆迎合との批判は免れまい。

増税凍結の代替財源として、大企業の巨額な内部留保への課税を主張した。内部留保を投資や賃上げに活用する視点は重要だが、社会保障の安定的な財源とはなり得ない。法人税との二重課税になる問題点も指摘される。

保育園の無料化や奨学金の増額など「雇用・教育・福祉の充実」をうたう一方、国民負担を避ける姿勢は、財源不足で破綻した民主党政権の公約を想起させる。

「民間活力を引き出すユリノミクス」を唱えるなら、現実的な政策による肉付けが求められる。

看板公約として、「2030年までの原発ゼロ」も打ち出した。安全性の確認された原発の再稼働を容認しながら、「原発ゼロの憲法明記を目指す」と掲げたのは理解に苦しむ。エネルギー政策の全体像を明示する必要がある。

2017年10月07日 06時02分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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日経新聞
社説
増税凍結と原発ゼロだけでは無責任だ
2017/10/7付

希望の党が衆院選の公約を発表した。消費増税の凍結と原発ゼロを看板政策に掲げたが、新たな財源や代替電力をどうするかは詳しく説明していない。政権交代を目指す以上は、政策実現に向けた具体的な道筋や経済への影響をどう抑えていくのかも有権者にきちんと示す責任がある。

党代表の小池百合子東京都知事は6日に記者会見し「タブーに挑戦する気持ちで思い切った案を公約に盛り込んだ」と強調した。

公約は2019年10月に予定する消費増税について「一般国民に好景気の実感はない。消費税10%への増税は、一度立ち止まって考えるべきだ」と指摘した。

増税の前提として議員定数や報酬の削減、公共事業の見直しに言及。「300兆円もの大企業の内部留保への課税なども検討し、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の改善を図る」とした。

国会や行政の「身を切る改革」は不断に取り組むべき課題だが、一般会計予算の3分の1を占める社会保障費の安定財源にはなり得ない。内部留保課税は企業が法人税を払って蓄積した資本への二重課税になり、経営の自主性や国際競争力を損なう恐れがある。

エネルギー政策は「30年までに原発ゼロを目指す」と明記し、発電に占める再生可能エネルギーの比率を30%まで向上させて省エネを徹底するとした。風力や太陽光は天候に左右される。コスト増による産業や家計への影響をどう抑え、地球温暖化対策といかに両立していくかも難しい課題だ。

公約は冒頭で「既得権益、しがらみ、不透明な利権を排除し、国民ファーストな政治を実現する」との理念を掲げた。「アベノミクスは、民間活力を引き出す規制改革が不十分だった」といった指摘はその通りである。憲法改正や安全保障政策を積極的に議論していく姿勢にも期待したい。

新党だからこそ打ち出せる清新な政策への期待度は高い。しかし現状への厳しい批判が説得力を持つのは、建設的で実現性のある対案があってのことだ。

増税先送りや福祉の充実ばかりを訴えるのなら、欧米に目立つポピュリズム政党の後を追うことになりかねない。希望の党は選挙戦での政策論争を通じて、そうではないと証明してほしい。
引用終わり
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朝日新聞
(社説)衆院選 「希望」公約 浮かぶ自民との近さ
2017年10月7日05時00分

自民党との違いを出そうと苦心しながらも、むしろ自民党との近さの方が印象的である。

希望の党が公約を発表した。

自民党との対立軸を意識したのは「消費増税凍結」と「原発ゼロ」だろう。だが急ごしらえを反映し、実現への道筋はあいまいで説得力を欠く。

消費増税2%分、5兆円余の代替財源をどうするのか。歳出削減や大企業の内部留保への課税をあげるが、税制の制度設計には時間がかかる。2年後の財源とするのは乱暴すぎる。

原発は「日本の将来を担うエネルギーとは考えない」とし、「2030年までに原発ゼロをめざす」との目標を掲げた。

では、それをどうやって実現するのか。具体的な行程表はこれからつくるという。

消費増税凍結も原発ゼロも、現状では、政策というより「主張」の域を出ない。

一方で、自民党に寄り添うような公約が目立つ。

憲法改正では「9条を含め憲法改正論議を進める」ことを公約の3本柱の一つに掲げた。

小池百合子代表は記者会見で「希望の党の存在が、これからの憲法改正に向けた大きなうねりをつくる役目を果たしていくのではないか」と語った。

民進党が憲法違反だとして白紙撤回を求めてきた安全保障法制については「現行の法制は憲法に則(のっと)り適切に運用する」と容認した。

米軍普天間飛行場の辺野古移設も、小池氏は「着実に進める立場」と言い切った。

小池氏は「安倍1強を倒す」といいながら、みずからの立候補は否定し、希望の党としての首相候補も決めていない。

同時に、選挙後の他党との協力について「結果を見て。政治では当たり前の話」と語る。安倍首相が退陣すれば、他の自民党首相のもとで連携する可能性を示唆したとも受け取れる。

だが200人以上の立候補予定者を擁し、政権奪取を掲げる事実上の野党第1党である。

自民党に代わる選択肢をめざすのか、それとも、場合によっては自民党の補完勢力となる可能性も排除しないのか。

基本的な党の姿勢を明らかにして1票を求めるのが、有権者への最低限の責任ではないか。

公約のつくり方にも疑問がある。希望の党はまだ党規約もなく、党の意思決定の仕組みさえ整っていない。すべてが小池氏の号令一下で決まっているかのようだ。

立候補予定者の幅広い論議もなく作成された公約には、大きな疑問符がつく。
引用終わり
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毎日新聞
社説
日本の岐路 希望が公約を発表 「立ち止まる」余裕はない
毎日新聞2017年10月7日 東京朝刊

希望の党が衆院選公約を発表した。重点9項目などからなり「国民ファーストな政治の実現」を掲げた。


とりわけ目を引くのは、消費増税の凍結を公約の筆頭に掲げたことだ。小池百合子代表は記者会見で「原発ゼロ」、憲法改正を含めた3点が柱だと説明した。

再来年秋に予定される消費税率の10%への引き上げについて公約は「一度立ち止まって考えるべきだ」と記した。小池氏は昨年の東京都知事選挙でも築地市場の豊洲移転を「一旦立ち止まる」と訴え、凍結した。それを念頭に置いた表現だろう。

だが、国と地方の借金は1000兆円を超し、団塊の世代が全員75歳以上になる2025年も8年後だ。財政危機と社会保障財源の確保に「立ち止まる」余裕などない。

小池氏は「立ち止まって社会保障全体を見直す」と説明した。社会保障の構想も固めず、負担から背を向けるのでは責任政党とはいえまい。

外交、内政全体のビジョンがあいまいなまま「小池カラー」の個別政策を並べた急ごしらえ感も漂う。

公約に盛られた各種の給付拡充策には新たな財源を要する。財源とあてこむ企業の内部留保課税は二重課税にふれるおそれもある。

議員定数削減など身を切る改革を掲げつつ、負担先送りを説く手法はいくつかの政党が繰り返してきた。一種の大衆迎合だろう。

経済政策は政策集で「ユリノミクス」として規制改革を強調した。成長重視の基本的方向性は「アベノミクス」とあまり変わらない。「安倍自民」への明確な対立軸が示されたとはいいがたい。

「30年原発ゼロ」と年限つき目標を示した点には自民党との差別化への意欲がうかがえる。ただし、説得力ある工程を示すべきだろう。

憲法改正は「自衛隊の存在を含め、時代にあった憲法のあり方を議論する」と9条も議論の対象とした。「知る権利」や地方自治の規定などを改正の目標としたが、安倍晋三首相が提起する9条加憲方式への賛否はあいまいだ。

公約は、策定過程がほとんど明らかにされずまとまった。急な対応を迫られたとはいえ、小池氏の一存で政策まで決まるのでは政権奪取を目指す政党として大いに不安である。
引用終わり
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産経新聞
2017.10.7 05:03更新
【主張】
希望の党と経済 これで受け皿たり得るか

(1/2ページ)【小池百合子氏「希望の党」結成】 .
このままでは、大衆迎合主義と評されても仕方あるまい。

希望の党の小池百合子代表が発表した、衆院選公約の印象である。

消費税増税の凍結や2030年までの原発ゼロなど、与党自民党との違いを際立たせる項目を並べた。

アベノミクスの向こうを張って、「ユリノミクス」を断行すると大きく出たが、民間活力を引き出すという方向性は総じて新味に乏しい。公約を進めるための財源を含め、もっと具体的な制度設計を語ってほしい。

とりわけ、政権選択選挙への取り組みを標榜(ひょうぼう)していながら、生煮えの政策を提示する姿勢は、極めて無責任である。

消費税増税を凍結することについて、景気回復の実感がないことを理由にしている。増税には景気の腰を折る可能性がある以上、景気を見極めて実施の是非を判断するのはよい。

ただ、税率10%への引き上げが予定されるのは2年先だ。足元の個人消費に勢いがない半面、企業収益や雇用環境は好転している。早々に凍結を唱えることに、十分な説得力はない。

増収分の使途変更をめぐって先に消費税を争点化したのは、安倍晋三首相の方だ。そこを逆手に取り、有権者にわかりやすい対立軸を作ったつもりだろうか。

希望の党として、消費税増税自体に反対するのか、経済好転時に実施するのかを明確にしておくべきである。

(2/2ページ)【小池百合子氏「希望の党」結成】 .
一部、目を引いたものは、企業の内部留保に対する課税である。増税の凍結財源に充てると同時に、企業が利益を設備投資や賃上げに振り向けるよう促す狙いがあるのだろう。

だが、民間活力を生かすといいながら、一方で企業への課税を強化するのは矛盾していないか。法人税との二重課税になるとの批判もある。小池氏は丁寧に政策効果を説明すべきだ。

金融緩和と財政出動に過度に依存することはないという。だからといって、明確な政策転換を図ろうという気配もなさそうだ。

幼児教育の無料化や「電柱ゼロ」など、財政支出は一段と増えるのではないか。

財政健全化への道筋を具体的に語らなければ、国民が将来に希望を抱くことはできない。バラマキの競い合いは回避すべきだ。
引用終わり
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私見
企業の内部留保への課税は、見直しすると小池代表が発言した。それはそれとして、経営者は内部にため込むのではなく社員の給与に回すべきではないのか?

又公約は、「原発ゼロを憲法に明記することを目指す」としているが是認できない。下位法に定めれば済む政策を憲法に条文化する「愚」は避けるべきだ。

太陽光発電、風力発電、潮力発電等々の再生エネルギー発電は天候に左右される大きな欠点を抱えている。それが克服できるならば、原子力発電の代替も可能で有ろうが現実には無理だと筆者は考える。

原子力発言をやめて、再生エネルギーや火力発電に切り替えるように主張する向きもあるが、再生エネルギーはその特性上、補助電源の域を脱出できず、火力発電は原理的に二酸化炭酸を発生する。

地球温暖化の要因である二酸化炭素を軽減するために、多くの国家は「パリ協定」を受入れて努力している。日本もそれに従わざるをえない。

今回、希望の党と立憲民主党が創立されたことにより、保守二党とリベラルに分かれ有権者の選択もすっきりするものになったのは評価するが、希望の党の公約は俄作りの感を否めない。選挙戦を通じて実のあるものにして頂きたい。

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《参考》
日経新聞ニュースから抜粋
希望の党の公約要旨
2017/10/6 18:30

希望の党の衆院選公約の要旨は次の通り。

【税・財政】

金融緩和と財政出動に過度に依存せず、民間活力を引き出す「ユリノミクス」を断行する。

2019年10月に予定されている10%への消費税引き上げは凍結する。

消費増税の代替財源として、約300兆円もの大企業の内部留保への課税を検討する。

ベーシックインカム導入で低所得層の可処分所得を増やす。

20年度までに基礎的財政収支を黒字化する目標は現実的な目標に訂正する。

【成長戦略】

人工知能、ビッグデータ活用の分野で競争力を高めるため、専門人材の育成・獲得をする。

民泊などシェアリングエコノミーの推進、自動運転の実現に向けた規制改革を断行する。

特区等における事業者選定において、選定過程を国民に全て開示する。

【教育・子育て】

「待機児童ゼロ」の法的義務付け。

配偶者控除を廃止し夫婦合算制度へ移行する。

幼児保育・教育の無償化、大学の給付型奨学金を大幅拡充する。

【働き方改革】

正社員雇用を増やした中小企業の社会保険料負担を免除する「正社員化促進法」を制定する。

働き方改革、再就職支援制度の抜本拡充で成長分野へ人材移動を円滑化する。

【憲法】

憲法9条を含む憲法全体の見直しを与野党協議で進める。

自衛隊の存在を憲法に位置付けることについて国民の理解が得られるか見極めた上で判断する。

国民の知る権利、地方自治の分権を明記する。

一院制により、迅速な意思決定を可能とする。

【環境・エネルギー戦略】

新規原発の建設をやめ、40年廃炉原則を徹底し「原発ゼロ」の30年までの実現を目指す。

原発ゼロを憲法に明記することを目指す。

再生可能エネルギーの比率を30%まで向上。省エネを徹底しエコ社会を実現する。

オリンピック・パラリンピック開催国として国際標準の「受動喫煙ゼロ」規制を実施する。

【外交・安保政策】

安保法制をめぐる与野党の不毛な対立から脱し、厳しい安全保障環境に党派をこえて対応する。

緊張の高まる北朝鮮への対応やミサイル防衛などを含め、現行の安全保障法制は憲法にのっとり適切に運用する。

拉致被害者全員の即時帰国に全力で取り組む。

日米同盟を深化させる一方、基地負担軽減など地位協定の見直しを求める。

【地方】

道州制導入を目指し国の権限と財源を移す。

農業関係の補助金を大胆に廃止し、農家への直接払いに一本化する。
引用終わり
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衆院選 希望の党 何目指すリセットか(朝日)

2017/10/05 20:19
20171004

朝日新聞
(社説)衆院選 希望の党 何めざすリセットか
2017年10月4日05時00分

「日本をリセット」して、何をめざすのか。相変わらず、その核心部分が像を結ばない。

小池百合子・東京都知事率いる「希望の党」が衆院選の公認候補192人を発表した。さらに追加し、最終的に過半数に届く候補を擁立したいという。

衆院選は「自民・公明」「希望・維新」「立憲民主党や共産党など野党共闘勢力」の三つどもえの構図となることが、いっそう鮮明になった。

小池氏は衆院選での政権奪取に意欲を示す。だが見えてきたのは希望と自民党の対立軸というよりむしろ、近さである。

たとえば民進党からの合流組に、希望が公認の条件として署名を求めた政策協定書だ。

民進党が廃止を求めてきた安全保障法制については「適切に運用する」と明記されている。憲法改正については「支持」するとされた。外国人への地方参政権付与には「反対」と右派色の濃い主張も盛られている。

「社会の分断を包摂する、寛容な改革保守」という党の綱領と、どう整合するのか。

一方、自民党との明確な対立軸になり得る「原発ゼロ」については協定書に記載がない。

多くの選挙区でほかの野党との競合が目立つのも疑問だ。非自民でつぶし合うような候補擁立は結果として、安倍政権を利することになる。

小池氏自身は立候補を否定している。では、選挙後の首相指名投票でだれに投じるのか。党運営をだれが統括するのか。

誕生したばかりの希望の党の統治能力は未知数だ。政治経験の乏しい候補も多い。選挙結果によっては、実質的に自民党の補完勢力になりはしないか。

そんな懸念がぬぐえないのは、小池氏が自らの自民党時代の総括をしていないからだ。しがらみを断ち切って、何をするのか。自民党ではなぜできないのかを語るべきだ。

菅官房長官は「政策に賛同いただくのであれば、しっかり対応していく」と、選挙後の希望との連携に期待を示す。

希望が政局の主導権を握ったとしても、参院は自公が圧倒的な議席を占める。希望と自公が手を組むシナリオが早くも自民党内でささやかれている。

今回の衆院選は、おごりと緩みが見える「安倍1強」の5年間への審判と、次の4年をだれに託すかの選択である。

「安倍政治」をどう評価し、どこを変えるのか。

まずそこを明確に説明することこそ、全国規模で候補を擁立し、政権選択選挙に挑む政党の最低限の責任ではないか。
引用終わり
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自民党公約 今こそ「九条改正」を語れ(産経)

2017/10/05 20:19
20171004

産経新聞
2017.10.4 05:02更新
【主張】
自民党公約 今こそ「9条改正」を語れ

(1/2ページ) .
自民党が衆院選公約を発表し、国政選挙の重点項目として初めて、憲法改正を挙げた。

「自衛隊の明記」などを例示し「初めての改正を目指す」とうたった。憲法改正の実現について国民に信を問う姿勢は極めて妥当なものだ。

公約冒頭の安倍晋三総裁(首相)メッセージでは、北朝鮮の脅威を少子高齢化とともに「国難」と位置づけた。

自衛隊員は、北朝鮮や中国の脅威から国民を守る任務を黙々と果たしている。大災害では真っ先に出動する。

国民から広範な支持を得ている自衛隊が、憲法に書かれていない。いかに異常なことかを説いてもらいたい。

戦後の日本では、憲法9条に起因する空想的平和主義がはびこり、国民を守る態勢づくりを妨げてきた。それも、自衛隊の存在が憲法に見当たらない状態が続いてきたことと無縁ではない。

国防の概念や自衛隊の存在を憲法に記すという、ごく自然なことを放置したため、非現実的な議論がまかり通り、それが国を危うくしているのである。

安倍首相が、解散表明時の会見で憲法改正に言及しなかったのはどうしたことか。腰の定まらない姿勢では、改正の重要性が伝わらない。党の先頭に立って9条改正や「緊急事態条項」を盛り込む必要性を堂々と説いてほしい。

(2/2ページ) .
重点項目の筆頭に、北朝鮮の脅威から国民を守り抜く点を掲げたことにも注目したい。安全保障政策で現実的な国のかじ取りができなければ、政権を担うことは困難である。その点で、自民党の公約は「選択肢」たり得ている。

防衛大綱の見直し、ミサイル防衛、島嶼(とうしょ)防衛の強化などを挙げたが、専守防衛の見直しや敵基地攻撃能力保有など、積極的な防衛姿勢への転換を打ち出すべきだ。

憲法の改正項目で、ばらまきに陥る恐れのある「教育無償化」を挙げたほか、「参院の合区解消」という選挙制度の一部を取り出した。大きな疑問が残る。

公約で「社会保障」を大項目として取り上げていない点は、奇異に映る。例えば高齢者の社会保障費の伸びにどう対処するのか。

消費税の使途変更に伴う、新たな財政再建計画の方向性も、公約ではよく分からない。早急にこれらの肉付けを図り、論戦の中で語ってもらいたい。
引用終わり
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主要な争点 将来不安に応える具体策示せ(読売)

2017/10/04 09:16
20171002

読売新聞
社説
主要な争点 将来不安に応える具体策示せ
2017年10月02日 06時03分

◆経済再生へ明確な展望が必要だ◆


日本が直面する経済や外交・安全保障の困難な課題を解決するには、体系的で確固とした政策が不可欠である。

人口減少社会にあって財政、社会保障の持続可能性を保ち、安定的な経済成長をいかに実現するか。北朝鮮が核・ミサイル開発を続ける中、日本の平和と安全をどう守るのか。

各党は、衆院選でその具体策を競ってもらいたい。

◆アベノミクス継続問う

安倍首相の経済政策であるアベノミクスに対する評価と継続の是非が、主要争点の一つとなる。

首相が再登板した2012年12月以降、株価は上昇し、雇用も改善した。だが、個人消費は力強さを欠き、肝心のデフレ脱却は道半ばだ。

首相は「急速に少子高齢化が進むこの国が、これからも本当に成長していけるのか。漠然とした不安に答えを出す」と述べ、アベノミクスの加速を主張する。

自民党公約の柱の一つが「人づくり革命」だ。子育て世代や若年層の負担を軽くして社会保障を全世代型に転換し、消費活性化や生産性向上を図る。

19年10月の消費税率10%への引き上げでは約5兆円の増収が見込まれる。この使途を変更し、幼稚園・保育園の無償化、給付型奨学金支給の大幅増などに約2兆円を充てる計画だ。

「教育負担の軽減」を主要施策とする公明党は、幼児教育無償化や私立高校授業料の実質無償化を打ち出した。日本維新の会は、消費増税の凍結と、高等教育を含む教育無償化を公約に明記する。

教育無償化は、ばらまきにならぬよう、費用対効果を見極めることが必要である。

注目されるのは、小池百合子東京都知事が結成した希望の党が、アベノミクスの成果は不十分だとして、代わりとなる経済政策を今後、示すとしていることだ。

党の綱領は「民間のイノベーションの最大活用を図り、持続可能な社会基盤の構築を目指す」との表現にとどまっている。民間活力を経済成長にどのように結びつけるのかなどについて、具体的に描き出してもらいたい。

消費増税の是非も審判にかけられる。小池氏は、年金や医療費の増大を抑制しなければ、増税しても消費が冷え込むだけだと主張して、消費増税の凍結を訴える。

社会保障改革案や財政健全化の見通しなどについて、より明確に説明する必要があろう。財政と景気、社会保障の全体に目配りした施策が求められる。

◆現実的な安保論議を

原発・エネルギー政策も対立軸の一つだ。安全性が確認された原発の再稼働を進める安倍政権に対し、希望の党は、30年までの原発ゼロを目指し、工程表をこれから策定する方針だという。

国民生活や企業活動の基礎となる電力を、安価で安定的に供給するための道筋を示してほしい。

北朝鮮は8月以降、日本上空を通過する弾道ミサイルを2度も発射し、6回目の核実験を強行した。北朝鮮に圧力をかけつつ、対話を通じた平和的解決を図る目標において、与野党にさほど違いはあるまい。

自民党は、日米同盟と抑止力強化を重視し、北朝鮮への圧力を堅持する、現在の道程に理解を求める。

希望の党は「現実的な安全保障政策」を掲げ、日米同盟強化にも肯定的だが、具体策に乏しい。

合流を決定した民進党は、集団的自衛権の限定行使を可能とする安全保障関連法に反対してきた。個々に希望に公認を求めるにしても基本政策で一致できるのか。共産、社民両党は、安保関連法は違憲だとして廃止論を唱える。

◆憲法改正は各論が重要

憲法改正も重要な争点だ。具体的な項目や、優先順位について、論議を深める機会ともなろう。

自民党は、9条1、2項を維持しつつ、自衛隊の根拠規定を明記するなど、4項目を掲げている。日本維新の会も、新たに9条改正を公約に盛り込んだ。

「加憲」の方針を掲げる公明党は、今回の選挙では、具体的な改正項目は挙げない見通しだ。

希望の党は、憲法改正に前向きだ。自衛隊の根拠規定を追加する自民党案について、小池氏は「理解に苦しむ」と距離を置く。地方分権や国会のあり方などを優先的に論議すべきだとの立場だ。

共産、社民両党は、護憲を前面に押し出して戦う。

2大政党の一角から観念論的な護憲という主張が消えることで、実のある論戦が期待できよう。

2017年10月02日 06時03分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
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日本の岐路 希望と民進の協議「半安倍」の中身が重要だ(毎日)

2017/10/02 10:33
20170930

毎日新聞
社説
日本の岐路 希望と民進の協議 「反安倍」の中身が重要だ
毎日新聞2017年9月30日 東京朝刊

「安倍晋三首相対小池百合子東京都知事」の対決構図に一変した衆院選が実質スタートした。

だが情勢は依然、混沌(こんとん)としている。きのう、希望の党代表の小池氏と民進党の前原誠司代表が会談し、連携していくことは確認したが、その連携の仕方について、いっそう溝が深まっているよう見えるからだ。

前原氏が望む党丸ごとの合流を、小池氏は「全員はない」と拒否し、民進党の候補者を厳しく選別する考えを示している。当面、この公認基準をどうするかが焦点となる。

小池氏は安保法制への賛否を基準の一つにする考えをにじませている。安保法制に民進党は反対してきただけに極めて高いハードルだ。

一方で多数の候補者を擁立するためには、民進党との一定の連携は必要だと小池氏は考えているようだ。候補者数の確保と政策の一致の双方を両立させるのは簡単ではない。

忘れてならないのは1996年の旧民主党結成以来、保守勢力を取り込んで政権交代を果たしながら失敗に終わった約20年間の経験だ。

さきがけ(当時)を離党して旧民主党を主導し、後に首相となった鳩山由紀夫氏は、さきがけと社民党による既成政党同士の丸ごと合併を否定して個々が判断する形を取った。

だが結果的には社民党から多くが参加し、当初から憲法や安全保障の考え方の違いが懸念されていたのは事実だ。結局、その後も「政権交代」が唯一の一致した目標だったと言っていいだろう。理念・政策の違いによる内紛は最後まで続いた。

今回も「反安倍政権」だけが結集軸になっている印象は否めない。民進党の失敗を繰り返さないためには、それだけでは済まない。公認はやはり無原則ではいけない。

「反安倍」と言っても、首相の強権的手法に反対なのか、理念や政策に反対なのか。「寛容な改革保守」をアピールする希望の党も必ずしも整理はついていない。

憲法改正も前向きなのは確かだが、何を改正するか明確ではない。それを具体的に詰める中で公認基準も明らかになってくるはずだ。

小池氏は自身の出馬は否定している。そうであるなら、政権選択選挙と言う以上、誰を首相候補にするかも、選挙前に決める必要がある。
引用終わり
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私見
小池氏は入党の条件として、憲法改正と、安保法制に賛成か否かを踏絵にした。旧民主党の愚を繰り返さないためにも評価できる措置だ。

これなくしては、2大保守政党による政権交代などは望むべくもない。

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北朝鮮の核開発は国難と捉えるべきだ

2017/10/02 10:24
20171001

毎日新聞
社説
日本の岐路 北朝鮮情勢と衆院選 争点化の必要があるのか
毎日新聞2017年10月1日 東京朝刊

今回の衆院解散・総選挙の特徴は、安倍晋三首相が北朝鮮情勢を社会保障問題と並ぶ「国難」と位置付け、「国難突破解散」と呼んだことである。


首相は「こういう時期にこそ、選挙で北朝鮮問題への対応について国民に問いたい」と語った。

確かに北朝鮮の最近の軍事的な挑発は看過できない。

8月と9月に日本上空を通過する弾道ミサイルを相次いで発射し、政府は住民に避難を呼びかけた。9月には6回目の核実験を強行し、「水爆」実験の成功だと主張した。

緊迫した情勢が続き、日本や世界を不安に陥れているのは疑いようがない。

◇与野党の違いは小さい

では、こうしたなかで、首相は北朝鮮問題の何を問うのか。

核実験に対し、国連安全保障理事会は石油供給制限を含む厳しい制裁決議を全会一致で採択した。

日本国内でも与野党が制裁の完全履行などを求める声明を出した。北朝鮮に厳しい態度で臨むことでは各党とも大きな違いはない。

首相が圧力路線に重心を置くのに対し、民進党は「冷静な外交力」を求め、共産党は対話重視という温度差はあろう。

しかし、「圧力と対話」は相互に補完する関係にある。そのバランスをどう取るかは論点だとしても、二者択一ではないはずだ。

圧力は対話を引き出すための手段である。にもかかわらず、首相は対話路線を否定し、対立軸を無理に作り出そうとしているようにみえる。

それを争点とし国民に選択を迫るなら、世論の分裂を促しかねない。

むしろ、首相には、北朝鮮情勢を踏み台にし、危機に強い姿勢で臨む自らの指導力をアピールする狙いがあるのではないか。

安倍政権は2年前に安全保障関連法を成立させた。従来の憲法解釈を強引に変えて集団的自衛権行使を限定容認し、野党が反対して国論は二分した。

政府は安保法制によって北朝鮮をにらんだ米艦防護を実施し日米連携がより強まったと主張する。しかし、活動は公表されておらず、国民は判断のしようがない。

首相には、選挙で勝利すれば安保法制への国民の信任は得られたと言ってフリーハンドで防衛政策に取り組めるという読みがあるのだろう。

自民党内には敵基地攻撃能力を保有すべきだとの意見がある。憲法解釈では「自衛の範囲内」とされるが、攻撃的な装備体系が必要になり、いまの自衛隊にはハードルが高い。

さらに、首相の目標である憲法改正を有利に進めたいという計算もあるとみられる。

首相は9条に自衛隊を明記したいと表明した。解散表明後には「北朝鮮がこういう状況で自衛隊は最前線で頑張っている」と語っている。

しかし、9条改憲によって自衛隊の活動を広げようとしているのではないかという疑念も同時に生む。

◇不安をあおる「国難」

衆院を解散し、北朝鮮問題を選挙の争点にする背景にこうした狙いがあるとすれば、危機の政治利用とみられても仕方がない。

首相は「民主主義の原点である選挙が北朝鮮の脅かしによって左右されてはならない」と言う。

だが、衆院解散は首相の判断であり、北朝鮮の「脅かし」を持ち出してくる理屈がわからない。

外交は内閣が持つ権限である。首相が北朝鮮情勢を「国難」というなら、政府が超党派の理解を得て外交を推進するのが筋だ。

北朝鮮の脅威に対抗するため、圧力路線をテコにどういう外交政策を展開するのか。首相はその具体策を国民に提示すべきだ。

圧力強化は緊張をより高める副作用がある。米朝間での挑発の応酬は激烈を極めている。

偶発的な軍事衝突をどう避けるのかや、圧力路線の先に描く対話にどう結びつけるのか、などを議論すべきではないか。

外交・安保政策は幅広い国民の支持が必要だ。違いを際立たせようとするのではなく、一致点を広げる努力が外交政策を進めていくうえでは欠かせない。

「国難」とは国家の存亡にかかわる危機のことだ。まるで開戦前夜のような、きな臭さを感じさせる。

こうしたときこそ、国民の不安をあおるのではなく、現実的な論戦を求めたい。
引用終わり
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90170930

朝日新聞
(社説)衆院選 対北朝鮮政策 「国難」あおる政治の危うさ
2017年9月30日05時00分

安倍首相は目下の北朝鮮情勢を「国難だ」という。

だとすればなぜ、衆院議員全員を不在にする解散に踏み切ったのか。その根本的な疑問に、説得力ある答えはない。

「国難」を強調しながら、臨時国会の審議をすべて吹き飛ばし、1カ月もの期間を選挙に費やす「政治空白」を招く。

まさに本末転倒である。

「国難」の政治利用、選挙利用と言うほかない。


■政治空白の本末転倒

首相は言う。

「民主主義の原点である選挙が、北朝鮮の脅かしによって左右されることがあってはならない」「この国難とも呼ぶべき問題を、私は全身全霊を傾け、突破していく」

朝鮮半島有事という事態になれば、日本は甚大な被害を受ける。北朝鮮にどう向き合うかは重要だ。

論点はいくつもある。圧力をかけたうえで、事態をどう収拾すべきか。圧力が軍事衝突に発展する事態をどう防ぐか。

その議論を行う場は選挙なのか。そうではあるまい。大事なのは関係国との外交であり、国会での議論のはずである。

首相はこうも言う。「国民の信任なくして毅然(きぜん)とした外交は進められない」

ならば問いたい。

いくつもの選挙で明確に示された「辺野古移設NO」の沖縄県民の民意を無視し、日米合意を盾に、強引に埋め立て工事を進めているのは安倍政権である。なのになぜ、北朝鮮問題では「国民の信任」がなければ外交ができないのか。ご都合主義が過ぎないか。

一昨年の安全保障関連法の国会論議で、安倍政権は、集団的自衛権の行使が認められる存立危機事態や、重要影響事態の認定に際しては「原則、事前の国会承認が必要」と国会の関与を強調していた。

なのにいざ衆院解散となると「事後承認制度がある」(小野寺防衛相)という。「国難」というならむしろ、いつでも国会の事前承認ができるよう解散を避けるのが当然ではないのか。


■力任せの解決は幻想

自民党内では、有事に備えて憲法を改正し、緊急事態条項や衆院議員の任期延長の特例新設を求める声が強い。それなのに、解散による政治空白のリスクをなぜいまあえてとるのか。整合性がまるでない。

首相はさらにこう語る。

「ただ対話のための対話には意味はない」「あらゆる手段による圧力を最大限まで高めていくほかに道はない」

前のめりの声は自民党からも聞こえてくる。

「北朝鮮への新たな国連制裁に船舶検査が入れば、安保法に基づき、海上自衛隊の艦艇が対応すべきだ」「敵基地攻撃能力の保有や防衛費の拡大も進めなければならない」

今回の選挙で安倍政権が「信任」されれば、日本の軍事的な対応を強めるべきだという声は党内で一層力をもつだろう。

だが、力任せに押し続ければ事態が解決するというのは、幻想に過ぎない。逆に地域の緊張を高める恐れもある。力に過度に傾斜すれば後戻りできなくなり、日本外交の選択肢を狭めることにもなりかねない。

「解散風」のなか、朝鮮半島有事に伴う大量避難民対策をめぐって、麻生副総理・財務相から耳を疑う発言が飛び出した。

「武装難民かもしれない。警察で対応するのか。自衛隊、防衛出動か。射殺ですか。真剣に考えなければならない」


■出口描く外交努力を

93〜94年の第1次北朝鮮核危機以来、避難民の保護や上陸手続き、収容施設の設置・運営などの省庁間協力のあり方が政府内で検討されてきた。

避難民をどう保護するかが問われているのに、国家安全保障会議(NSC)の4大臣会合の一員である麻生氏が「射殺」に言及する。危機をあおりかねないのみならず、人道上も許されない発言である。

永田町では、北朝鮮がミサイルを発射するたびに「北風が吹いた」とささやかれる。国民の危機感が、内閣支持率の上昇につながるとの見方だ。

危機をあおって敵味方の区別を強調し、強い指導者像を演出する。危機の政治利用は権力者の常套(じょうとう)手段である。安倍政権の5年間にもそうした傾向は見て取れるが、厳に慎むべきだ。

北朝鮮との間で、戦争に突入する選択肢は論外だ。圧力強化にもおのずと限界がある。

大事なのは、米国と韓国、さらに中国、ロシアとの間で問題の解決に向けた共通認識を築くことだ。日本はそのための外交努力を尽くさねばならない。

希望の党は「現実的な外交・安全保障政策」を掲げるが、北朝鮮にどう向き合うか、具体的に説明すべきだ。

問題の「出口」も見えないまま、危機をあおることは、日本の平和と安定に決してつながらない。
引用終わり
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私見
北朝鮮の核及びミサイル開発の目的は、米国に「核保有国」と認めさせる一方で朝鮮動乱の休戦協定を破棄し、平和条約を締結して、国交の正常化を図ることだ。

北朝鮮の核開発やミサイル開発を阻止するために、有効な手段を有していない日本は、国際社会に制裁を呼びかける事しかできない。

北朝鮮は、「核で日本を海に沈める」とか恫喝してくる。武力行使もできず攻撃力も「米国におんぶにだっこ」の日本にとって、制裁しか口にできない現状は当に「国難」だ。

安倍首相は、「北朝鮮への圧力を継続する事の是非を総選挙で問う」と発言している。世論を煽っている訳ではない。現状に於いてはそれしか手段がない。

圧力は対話の糸口だとは、確かにその通りだが北朝鮮が核開発やミサイル開発を放棄するはずがないだろう。朝日や毎日の論説は、北朝鮮を「核保有国」として認めよということなのか?

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安倍内閣総括 長期政権の緩み打破できるか(読売)

2017/10/01 23:44
20170930

読売新聞
社説
安倍内閣総括 長期政権の緩み打破できるか
2017年09月30日 06時01分

◆経済政策の「行き詰まり」拭えず◆


長期政権の緩みが目立ち、惰性に陥っていないか。安倍首相はこれまでの成果と残された課題を総括し、衆院選に臨むことが求められる。

自民党が政権復帰した2012年12月以降、安倍首相が衆院を解散するのは2回目だ。14年の前回衆院選大勝を受けて第3次内閣が発足し、自民、公明両党が衆参で引き続き、多数を占めてきた。

◆安保関連法は画期的だ

今年5月には、首相在職日数が佐藤栄作氏、吉田茂氏に次ぐ戦後歴代3位となった。腰を据えて政策に取り組むことができた。

外交・安全保障では、北朝鮮の軍事挑発や中国の海洋進出への対処に追われた。北朝鮮の核実験は5年間で4回を数え、弾道ミサイル発射も頻発している。尖閣諸島周辺での中国公船の領海侵入は常態化し、軍の活動も活発だ。

厳しい安全保障環境を踏まえ、首相が、米国との関係強化を重視したのは評価できる。

中でも特筆すべきは、15年9月の安全保障関連法成立だ。

長年の課題だった集団的自衛権の行使を限定的ながら可能とした。新任務として、平時の米艦防護や、弾道ミサイル警戒中の米艦への給油も実施した。日米の双務性を高め、日米同盟を格段に強固にしたのは画期的なことだ。

首相は、戦後70年の15年8月、先の大戦への「反省とおわび」をうたった談話を決定した。翌年12月には、オバマ米大統領の5月の広島訪問を受けて真珠湾を訪れ、「日米和解」を演出した。

米欧からは高い評価を受け、戦後の懸案だった歴史認識問題を沈静化させた意義は大きい。

首相が、今年1月に就任したトランプ米大統領と会談を繰り返して親密な関係を構築したのも、日本にとって外交上の武器になったと言えよう。

ただ、周辺国との外交はなお、困難な環境にある。

首相はロシアのプーチン大統領と19回の会談を重ねたが、北方領土問題の進展には至っていない。日中関係も改善が進まず、中国要人の来日はなかなか実現しない。韓国の文在寅政権は、慰安婦問題を蒸し返している。

長期的戦略を立てて、粘り強く取り組む以外にあるまい。

◆目立つ看板の掛け替え

最優先で取り組んだ経済政策「アベノミクス」は、行き詰まりが鮮明になってきた。

当初は、日銀の「異次元緩和」による円安などを通じて、企業業績の大幅改善をもたらした。税収増を生かして大型経済対策も次々と打ち出した。

12年の第2次内閣発足時に1万円をわずかに上回る程度だった日経平均株価は、2万円台に上昇した。8月の有効求人倍率は、43年半ぶりの高水準に達した。

他方、物価の伸びは目標の2%にほど遠く、デフレ脱却をいまだ果たせない。消費も伸び悩んでいる。アベノミクスは限界に差しかかっているのではないか。

首相は、「地方創生」「1億総活躍社会」「働き方改革」「人づくり革命」といったスローガンを次々に掲げた。だが、看板掛け替えに終始した印象が強い。

賃金上昇につながる成長戦略、有望産業を後押しする規制改革などを大胆な視点で果断に実行していくことが大切だ。

◆問われる首相の姿勢

今年に入ってからは、首相や政権全体の政治姿勢が厳しく問われる場面が目立った。

「森友・加計学園」問題では、首相や閣僚の説明がぞんざいで、「驕おごり」「慢心」と強い批判を招いた。内閣支持率は一時急落し、「安倍1強」は揺らいだ。

首相には、今回の衆院解散で、局面を打開して政策推進力の回復を図る思惑があるのだろう。

だが、世論調査ではなお、「首相が信頼できない」との回答が少なくない。今回の解散には「大義がない」との指摘は根強い。

野党による臨時国会の召集要求を事実上拒否したことへの批判も効いてくるのではないか。

解散には、憲法改正に向けて態勢を立て直す狙いもあろう。

首相は5月、9条に自衛隊根拠規定を明記するなどの案を提起した。70年間1度も改正されていない憲法は現実との乖離かいりが目立つ。より良き憲法を目指し、論議活性化を図った狙いは理解できる。

希望の党を率いる小池百合子東京都知事は改憲に前向きとはいえ、必ずしも9条改正を優先する考えではない。合意形成の行方はなお不透明だ。

2017年09月30日 06時01分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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衆議院解散 総選挙へ

2017/09/29 15:38
20170929

読売新聞
社説
衆院解散 安倍政権の継続が最大争点に
2017年09月29日 06時00分

◆政治不信招く民進の「希望」合流◆


自民、公明両党の連立政権の継続か、新たな勢力が政権を担うのか。

野党第1党の民進党が事実上の解党を決め、新党への合流を目指すという極めて異例の状況で、日本の針路を左右する選挙が行われる。有権者を混乱させないよう、各党は責任を果たすべきだ。

衆院が解散された。衆院選は10月10日に公示され、22日に投開票を迎える。各党は、事実上の選挙戦をスタートさせた。

◆呆れた「実を取る」発言

衆院選では、安倍政権への信任が最大の争点になる。

安倍首相は「選挙のために看板を替える政党に未来を任せるわけにいかない」と野党を批判し、自公政権の継続を訴えた。

2012年12月に政権に復帰した首相は、これまで国政選に4連勝している。アベノミクスや外交・安全保障を中心に一定の成果を上げ、「1強」と称されるほどの安定政権を築いてきた。

だが、今年に入って、森友・加計学園の疑惑や、与党議員の相次ぐ不祥事など、政権の驕おごりと緩みが顕在化した。

衆院定数は、前回より10減で戦後最少の465となる。首相は、与党で過半数の233議席獲得を勝敗ラインに挙げた。国会を安定して運営できる議席を占めれば、求心力を回復できよう。

衆院選は政権を選ぶ選挙だ。

日本を取り巻く環境は険しさを増す。デフレ脱却と財政再建をいかに両立させるか。北朝鮮が挑発と恫喝どうかつを繰り返す中、日本の平和をどう確保するか。与野党は、こうした論点についても、現実的な論議を深めてもらいたい。

民進党の対応には、呆あきれるというほかない。

前原代表は両院議員総会で、党としての候補擁立断念を提案し、了承された。各候補は個々に、小池百合子東京都知事が率いる希望の党に公認を申請する。

前原氏は「名を捨てて実を取る決断だ」と強弁した。あまりに唐突で、無責任ではないか。

民進党は、政権交代の受け皿となるべく、今回の衆院選に向けて、政策論議を重ねて公約をまとめようとしていた。

にもかかわらず、党勢回復のメドが立たない中で、有権者の信任を得る努力を放棄し、理念も政策も大きく異なる小池氏の人気に便乗したとしか見えない。政治不信をさらに高める、支持者への背信行為そのものではないか。

希望の党は民進党に代わって、2大政党の一角を占めることになる。自由党の小沢共同代表らも合流する方向だ。日本維新の会は連携を見据える。

◆首相候補を事前に示せ

小池氏は衆院選への出馬を否定するのであれば、安倍首相に代わる首相候補を選挙前に決めるべきだ。合わせて、説得力ある政権構想や基本政策を早急に策定し、選択肢として示す責任がある。

小池氏は「寛容な改革保守」を掲げ、「リアルな安全保障」を重視する。保守層や無党派層に浸透する可能性は小さくあるまい。自民党にとって脅威となろう。

希望の党は、公認の可否を判断する際、憲法改正や安全保障で一致できるかどうかで選別する考えを明確にしている。確かに、同じ政党に所属する以上、理念、政策の共有が欠かせない。

民進党のリベラル系候補を受け入れれば、「寄り合い所帯」「野合」との批判は免れまい。

小池氏は日本記者クラブでの記者会見で、「安全保障関連法に賛成しない方はそもそも申請してこない」と強調した。

前原氏は、小池氏が賛成する安保関連法について、改めて「違憲」と批判した。小池氏と政策面で一致できるのか。

民進党との共闘を目指してきた共産党の志位委員長は「重大な背信行為だ」と反発した。野党4党で選挙協力することで合意してきたからだ。社民党と協力し、希望の党への対抗馬を擁立する。

◆北朝鮮警戒は怠れない

緊迫する北朝鮮情勢の動きが、気がかりだ。選挙戦のさなかも、北朝鮮が軍事挑発に踏み切る可能性は否定できない。公示日は、朝鮮労働党創建記念日に当たる。

安倍首相が、菅官房長官と小野寺防衛相に対し、基本的に東京都内に待機するよう指示したのは適切である。不測の事態に対応できるよう、首相の遊説日程にも目配りが必要となろう。

北朝鮮に隙を見せず、「政治空白」を作らないよう、警戒・監視に万全を期さねばならない。

2017年09月29日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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日経新聞
社説
野党は「希望の党」結集で何を目指すのか
2017/9/29付

衆院が28日召集の臨時国会冒頭で解散された。民進党は小池百合子東京都知事が率いる「希望の党」への事実上の合流を決め、非自民勢力の結集に動く。だが降ってわいた野党再編の動きは、国民のために何を目指すのかという根本的な論議がかすんだままだ。

民進党は28日に両院議員総会を開き、次の衆院選には独自候補を擁立せず希望の党の公認候補として臨む方針を了承した。前原誠司代表は「もう一度、二大政党をつくるために名を捨てて実を取る」と強調した。

長く野党第1党として国政に臨み、旧民主党時代に政権運営を経験した党が突然、方針を変えたことに驚く有権者が多いのではないか。しかも希望の党への参加の条件はこれから詰めるのだという。新党に移った方が選挙で有利という打算が透けて見える。

初陣でいきなり野党の中核を担う方向となった希望の党の選挙準備はこれからだ。「政治をリセットする」「しがらみのない政治」というキャッチフレーズだけでなく、具体性のある総合的な政策を早くまとめてもらいたい。

小池氏は新党旗揚げに際して「実感が伴う景気回復まで消費増税は立ち止まる」「議員の定数や報酬を縮減」「原発ゼロを目指す」との基本的な考えを明らかにした。女性活躍、多様な教育制度を重視する姿勢も打ち出した。

衆院選で政権交代をめざす以上は、成長と財政健全化の両立や社会保障制度の将来像、安全保障や憲法問題などでの説得力のある具体策を示す責任がある。小池氏が国政の活動と都政をどう両立していくつもりなのかも現状ではよく分からない。

エネルギー政策では「2030年までの原発ゼロに向けた工程表づくり」を柱に据えた。代替電力の見通しやコスト増など経済への悪影響をどう抑えていくのかという戦略を詳しく聞きたい。

4年半を超えた安倍政権の現状に対する不満が7月の東京都議選での「都民ファーストの会」の躍進と自民党惨敗につながった。有権者に新たな選択肢を示す野党の存在は重要である。

歴史を振り返ると多くの新党が一時的なブームの後に消えていった。既存政党を批判するだけなら簡単だ。将来に希望がある日本をつくり出すとの目標を掲げる以上、人気取りの政策にとどまらない選挙公約を作り上げてほしい。
引用終わり
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朝日新聞
(社説)衆院選 解散、与野党論戦へ 「権力ゲーム」でいいのか
2017年9月29日05時00分

言論の府から言論が消えた。悪(あ)しき例が歴史に刻まれた。

安倍首相が臨時国会の冒頭、衆院解散に踏み切った。

首相の所信表明演説も代表質問や予算委員会もなく、北朝鮮に非難の意思を示すはずだった国会決議も見送られた。

首相は8月の内閣改造後、本会議での演説に臨んでいない。そんな状況での解散は戦後初めてのことだ。国民に解散理由などを説明する恒例の記者会見も、きのうはなかった。


■政党政治の危機

そもそも臨時国会は、野党の憲法53条に基づく召集要求を、3カ月余も放置した末にようやく開いたものだ。なのに議論を一切しないまま解散する。憲法を踏みにじり、主権者である国民に背を向ける行為だ。

首相の狙いは明白である。

森友学園・加計学園の問題をめぐる野党の追及の場を消し去り、選挙準備が整っていない野党の隙を突く。

今なら勝てる。勝てば官軍の「権力ゲーム」が先に立つ「自己都合解散」である。

民意を政治に直接反映させる民主主義の重要な場である選挙を、権力維持の道具としか見ない「私物化解散」でもある。

政党政治の危機を思わせる事態は、野党陣営でも起きた。

政権与党に代わりうる「受け皿」をめざしていたはずの民進党が、発足直後でまだ具体的な政策もない「小池新党」にのみ込まれたのだ。

東京都の小池百合子知事の人気に頼る新党「希望の党」は、政党として何をめざすのかも統治能力も未知数だ。

新党には右派色の強い議員が目立つ。憲法改正や歴史認識などで、自民党よりさらに「右」に位置する可能性もある。リベラルな議員も多い民進党とは明らかに立ち位置が違うのに、議論の場もほとんどないまま合流に雪崩を打つ。

基本政策にも違いがある。

小池氏は消費増税に否定的だが、民進党は、税率引き上げの増収分を教育無償化などに充てると主張した前原誠司氏を代表に選んだばかりだ。

安全保障関連法についても、前原氏は「憲法違反」だと指摘し、小池氏は自民党議員として法案に賛成した。


■政策は二の次か

このままでは、政策を二の次にした選挙目当ての互助会という批判は避けられまい。

確かに、小選挙区制が中心の衆院選挙制度のもとでは、野党がばらばらに候補を立てれば、がっちり手を組む自公両党に勝つのは難しい。政権交代をめざすなら、野党各党の連携が欠かせないのはその通りだ。

旧民主党政権の挫折から5年たっても、失われた国民の信頼を取り戻せない。そんな民進党の焦りも理解できなくもない。

それでも民進党には、もう一つの道があったはずだ。

ここ数年、地道に積み上げてきた野党共闘をさらに進め、共産党を含む他の野党との候補者調整を実現し、そこに新党も加えて、自公と1対1の対決構図をつくり上げる――。

だが前原代表はその道を模索する努力をせず、小池人気にすがる道を選んだ。

これもまた、「権力ゲーム」ではないのか。

政権運営に一度失敗した政党が、その教訓を生かし、次はよりましな政権運営をする。政権交代可能な政治がめざすサイクルが、今回の民進党の選択によって無に帰したことが残念でならない。


■「1強政治」への審判

今回の衆院選の最大の争点は、数におごり、緩んだ5年近い「安倍1強」の政治への審判と、それがさらに4年続くことを許すかどうかだ。

小池新党が、そして民進党から新党に移る議員たちが「安倍政治」にNOを突きつけるというなら、新党は政治をどう変えるのか、理念・政策や党運営のやり方も含め、明確な形で国民に示す必要がある。

時間が限られているのは確かだが、最低限、公約は議員による徹底した議論を経てつくる必要がある。都議会で小池氏が事実上率いる「都民ファースト」のような、上意下達の政党であっていいはずがない。

小池氏にも問いたい。

昨夏に知事に就任した後も、今夏まで自民党に籍を置いていた。なぜいま「打倒安倍政権」なのか。

新党をさらに勢いづけたいと本人の衆院選立候補を求める声は大きい。そうなれば、就いて1年余の知事職をなげうつことになる。どうするのか。

憲法改正については、自民党内に、安倍首相主導の改憲に協力する補完勢力として期待する声がある。小池氏は「9条の一点だけに絞った議論でいいのか」と語るが、より詳しい考えを示すべきだ。

選挙はゲームではない。

有権者に正確な情報を示す。政党政治の基本を踏み外してはならない。
引用終わり
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毎日新聞
社説
日本の岐路 衆院解散・総選挙へ 「安倍1強」の是非を問う
毎日新聞2017年9月29日 東京朝刊

衆議院が解散された。改造内閣が発足して国会で本格的な質疑を一度も経ないまま、臨時国会冒頭での解散となった。


安倍晋三首相は北朝鮮情勢や消費税の使い道変更を掲げ「国難突破解散」と命名している。なぜいま、民意を問うかについて説得力ある説明を欠いたままである。

だが、こうした解散の仕方も含めて総選挙の争点は明確だ。2012年12月以来約5年にわたる安倍内閣の総括と、長期政権をさらに継続することの是非である。

首相が衆院解散を表明したあと、わずか3日で構図は激変した。小池百合子東京都知事を党首とする「希望の党」が登場した。野党第1党だった民進党が希望の党へ実質合流を決めるなど再編が急進展している。

◇憲法改正の行方に直結

自公両党が政権に復帰して以来、首相は国政選挙で勝利を重ね、「安倍1強」状態を築いた。その力を用いて安全保障関連法や特定秘密保護法、「共謀罪」の法整備などタカ派色の濃い施策を強引に実現した。

ただし、首相や自民への国民の積極的な支持がこの状況をもたらしたとは言い難い。野党第1党の民進党や旧民主党が政権運営の失敗から立ち直れず、政権批判票の受け皿たり得ない状況が続いていたためだ。

しかも、首相は選挙のたびに経済重視を強調し、それが終わるとタカ派路線に回帰するパターンを繰り返してきた。今回も「生産性革命」「人づくり革命」を掲げている。選挙の直前に消費増税の延期や見直しを持ち出すのもこれで3回連続だ。

さきの東京都議選で自民が歴史的惨敗を喫したのは「森友・加計」疑惑の対応にみられる政権のおごりへの有権者による不信の表明だった。

解散当日の記者会見を省略したのも、説明を軽んじる姿勢の表れと取られても仕方がない。政権5年の実績とともに、その手法が問われよう。

今回の選挙が中長期的な政治の行方に及ぼす影響は極めて大きい。

自民が1強を維持すれば首相が来年秋の自民党総裁選で3選され、新たな総裁任期の3年間にわたり政権を担う足がかりを得る。その場合は4年後の21年秋まで安倍内閣は続き、第1次内閣も含めれば通算10年近くに達することになる。

首相が目指す憲法改正の行方にも直結する。4年の続投が可能になれば、都議選敗北で頓挫しかけた行程も仕切り直せるためだ。

憲法9条に自衛隊の根拠規定を加える加憲案を首相はすでに表明している。明らかに最大目標であるにもかかわらず、解散表明の記者会見で全くふれなかったのは不自然だ。

憲法改正をめぐっては希望の党や、日本維新の会も積極姿勢を示している。衆参両院3分の2以上の多数で改憲案を発議する権限を有するのは国会だ。首相は自らが目指す改憲像を具体的に説明すべきだろう。

◇批判の受け皿は必要だ

野党の責任も大きい。必要である政権批判の受け皿としての能力が今度こそ試される。

民進党議員には離党して小池氏の新党に参加する動きが加速していた。前原誠司代表は突然の合流について安倍政権を倒すための「名を捨てて実を取る」判断だと説明した。このままでは政党が崩壊しかねない状況で、再編は不可避だった。

中道リベラルだった民進党と、改革保守を掲げる希望の党は理念に違いがある。小池氏は安保政策や改憲問題など個別に「踏み絵」を迫るという。希望者が新党で公認される保証はない。

野党結集の必要性は認めるが、理念や政策を捨て去り合流するのでは有権者の理解は得られない。丁寧な手続きと説明を求めたい。

内外の課題は山積している。首相は北朝鮮情勢について圧力路線の継続が争点だと主張する。だが、大切なのは緊迫した情勢に現実的に対応できる外交・安全保障の具体論だ。

国と地方の借金が1000兆円を超し、団塊世代が75歳以上となる25年以降、社会保障費は膨張する。超高齢化が進む中で、持続可能な社会保障の全体像こそ論じるべきだ。

小池氏流の劇場型手法によるとはいえ、国民の選挙への関心が高まってきたことは歓迎したい。

しかし、与野党が大衆迎合的な政策を競うようでは本末転倒だ。痛みを伴うビジョンでも、必要であれば臆せず主張する責任がある。各党は建設的な論戦に値する公約の提示を急ぐべきだ。
引用終わり
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産経新聞
2017.9.29 05:02更新
【主張】
衆院解散 現実的な「選択肢」示せ 大衆迎合で危機は乗り切れぬ

(1/3ページ)【衆院解散】 .
衆院選は政権選択選挙である。各党が日本の進路を決める政策を提示し、議論を戦わせることで成り立つものだ。

衆院解散の日に野党第一党の「解散」も決まるという、憲政史上でも異例の事態を迎えた。政権の受け皿たり得なかった民進党に代わり、希望の党がその役割を果たすのか否か。大きな焦点が新たに浮上した。

生き残りをかけて新党に流れ込む議員らには、恥も外聞もない。その是非を含め、有権者の洗礼を受けよう。だが、政権を担おうという集団がいかなる選択肢を持って選挙に臨むのか。ひとえに問われるのはそこである。

◇国難への回答避けるな

希望の党は結党から数日しかたっていない。簡単な綱領を示しただけで、政策も定かではない。

ここまでの「小池劇場」が、今度の衆院選への関心を大いに高めた点は注目したい。だが「しがらみ」からの脱却を訴えて乗り切れるほど、日本の置かれた状況は容易なものではない。

解散に打って出た安倍晋三首相は、北朝鮮情勢や少子高齢化といった日本の危機を「国難」と位置づけて信を問うている。対する希望の党は、危機克服への答えをまだ持ち合わせていない。他の課題を鮮烈にうたってもいない。

現状で、希望の党は泥舟の乗客の受け皿になろうとしていることだけが浮き彫りになっている。党代表の小池百合子東京都知事自身、そうした印象を与えるのが得策でないことは承知していよう。ならば、安倍首相の問いから逃げることなく、論じ合うことを求めたい。

(2/3ページ)【衆院解散】 .
北朝鮮は、核・ミサイルを振りかざし、日米などへの核攻撃の恫喝(どうかつ)をためらわない。多数の日本人を拉致したままだ。防衛相などを務めた小池氏も、詳しい分野のはずだ。

国際社会が圧力をかけて翻意を促しているが、北朝鮮が従う気配はない。国民を守る方策を語ることは欠かせない。

もう一つの国難は少子高齢化だ。日本は危機的状況にある。半世紀後には高齢者が総人口の約4割を占め、年間出生数は55万人程度まで落ち込む。

手をこまねいていれば、人口減少によって国家として成り立たなくなる恐れさえある。

首相は対策の一環として、高齢者にとどまらない全世代型の社会保障制度の構築を唱え、消費税増税分の使途変更を打ち出している。小池氏が消費増税凍結だけを唱え、具体案を避けていては論戦は深まらない。

憲法改正の中身を含めて積極的に示し、有権者に判断材料を提供する責任がある。

希望の党への合流を決めた民進党の前原誠司代表は、政権打倒のため「名を捨てて実をとる決断」だと語った。その「実」に政策は入らないということなのか。

安全保障関連法や消費税について、民進党と希望の党の間には大きな齟齬(そご)が残っているのに、合流へ動き出している。

(3/3ページ)【衆院解散】 .
小池氏は「党まるごとの合流」を否定し、憲法改正と安全保障政策の共有を、合流する議員を公認する条件にするという。

◇首相指名はだれなのか

希望の党は安保関連法を容認する姿勢だ。選考がおろそかになれば、民進党の看板の掛け替えとの批判は免れまい。

先発組の細野豪志元環境相らも含め、希望の党で生き残りを図る民進党出身者は、憲法や消費税をめぐる立場の転換について説明責任がある。変節をどう語るかは難問である。だが、そこをうやむやにすれば、希望の党自体への信頼も損なわれよう。

民進党の最大の支持母体である連合にとっても、希望の党が「原発ゼロ」を打ち出した点を容認するかが問われる。

原発ゼロや消費増税凍結で、日本を安定的に運営できるだろうか。希望の党の大衆迎合主義(ポピュリズム)的な傾向を危惧せざるを得ない。

いまだに疑問なのは、希望の党が衆院選後の国会の首相指名選挙で、だれに投票するかである。

都知事の放り出しは批判を招くことが確実だ。小池氏は辞任して出馬する考えはないとしている。だが、それでは首相指名の候補になれない。その状態で政権交代を唱えることは、議院内閣制の下での政党政治と矛盾しないか。
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引用終わり
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衆院選 小池新党 何をめざす党なのか(朝日)

2017/09/29 15:04
20170928

朝日新聞
(社説)衆院選 小池新党 何をめざす党なのか
2017年9月28日05時00分

小池百合子・東京都知事が新党「希望の党」を立ち上げた。

7月の都議選で地域政党「都民ファーストの会」を圧勝に導いた小池氏が代表に就き、今度は国政選挙で政権批判票を吸い寄せることを狙う。

今のところ小池氏の人気先行の「小池新党」の様相だが、衆院選への参入は既成政党の側に波紋を広げずにはおかない。

自民、公明の与党は警戒感を強める。一方、新党への離党者がやまない民進党では、新党との合流を模索する前原誠司代表らの動きが続いた。

だがその影響力の大きさとは裏腹に、新党には分からないことが多すぎる。最大の問題は、何をめざす政党なのか、肝心のそこが見えないことだ。

「我が国を含め世界で深刻化する社会の分断を包摂する、寛容な改革保守政党を目指す」

結党の記者会見で披露された綱領は冒頭、そううたう。

経済格差や政治不信が既成政党にNOを突きつける。そんな先進国共通の潮流を意識したものだろうが、では「改革保守」とは何なのか。

小池氏は「改革の精神のベースにあるのが、伝統や文化や日本の心を守っていく、そんな保守の精神」と語るが、得心のいく人がどれほどいるか。

「しがらみ政治からの脱却」「日本をリセット」「身を切る改革」。小池氏らが訴える言葉は、これまで生まれた多くの新党のものと似ている。

基本政策をめぐっても、説明が足りない。

消費増税について、小池氏は「『実感が伴わない景気回復』を解決しなければ水を差す恐れがある」と引き上げには否定的だ。「原発ゼロ」の主張とあわせ、安倍政権との違いを打ち出したい狙いが鮮明だ。

ならば将来の社会保障をどう支え、財政再建をどう果たすのか。原発廃止への具体的な道筋をどう描くのか。もっと踏み込んだ説明がなければ、単なる人気取りの主張でしかない。

憲法改正については「議論を避けてはいけない。ただし、9条の一点だけに絞った議論でいいのか」という。安倍首相主導の改憲論議にどう臨むのか。

今回の衆院選は、おごりと緩みが見える「安倍1強」の5年間に対する審判である。小池氏は選挙後について「しがらみ政治の一員に入ったら、何の意味もない」というが、安倍政権の補完勢力になる可能性は本当にないのか。

小池人気に頼り、キャッチフレーズを掲げるばかりでは、有権者への責任は果たせない。
引用終わり
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私見
希望の党の綱領、政策及び役員人事も、一両日間には提示するだろう。それがないと政策が選挙民に浸透しない。

小池代表が、憲法改正と安保関連法に反対する人の公認はしない。と発言したことには敬意を表したい。「希望の党」が躍進すれば文字通り保守2大政党が誕生する。

憲法改正の発議も容易になるというものだ。

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参院選「一票の格差」 最高裁合憲判決

2017/09/29 14:20
20170929

日経新聞
社説
違和感拭えぬ1票の格差判決
2017/9/29付

1票の格差が最大3.08倍あった昨年7月の参院選について、最高裁が「合憲」とする判決を出した。「違憲状態」と断じた2010年、13年の参院選とは異なり、「著しく不平等な状態」ではなかったという判断である。

昨年の参院選は、鳥取と島根、徳島と高知をひとつの選挙区とする合区を初めて導入し、定数を「10増10減」して行われた。

このため過去2回の参院選で5倍前後だった格差はかなり縮小した。合憲判決はこうした国会の取り組みを評価した結果である。

しかしこの判断には違和感も残る。参院選を違憲状態とした判決で、最高裁はこれまで「参院選であるから投票価値の平等が後退してよい理由はない」と指摘して、格差の是正を迫ってきた。衆参両院ともに国会議員は「全国民の代表」と憲法が規定しているのだから当然であろう。

衆院選では、格差が2.13倍だった14年の選挙が違憲状態とされている。今回の判決はこうした司法判断の積み重ねから逸脱しているように思える。

同様に選挙区について最高裁は、都道府県単位の制度そのものを見直すよう求めてきた。ところが今回は「都道府県単位自体が不合理で許されないということではない」と述べている。姿勢が定まっていないようで釈然としない。

合憲判決が出たからといって、国会の取り組みが全面的に肯定されたわけではない。いまのやり方ではこの先、合区を増やし、組み方を変え、といった対症療法を繰り返すことになるのではないか。

国会は改正公職選挙法の付則で、19年の次回参院選に向けて「抜本的な見直しについて引き続き検討し、必ず結論を得る」と明記している。今回の判決も、この一文に期待を込めた「条件付き合憲」であることを忘れてはならない。

現在は衆院も参院も同じような役割、同じような選挙の仕組みとなっている。二院制のあり方にまで踏み込んだ、抜本的な制度改革に向けた議論を急ぐべきだ。
引用終わり
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20170928

読売新聞
社説
参院1票の格差 「合区」導入を評価した最高裁
2017年09月28日 06時12分

選挙制度に対する立法府の裁量権を尊重した司法判断である。


「1票の格差」が最大3・08倍だった昨年7月の参院選について、最高裁大法廷は「合憲」とする判決を言い渡した。15人の裁判官中、11人の多数意見だ。

2010年と13年の参院選について、最高裁は、いずれも「違憲状態」と判断していた。最大格差は、それぞれ5・00倍と4・77倍だった。これを大幅に是正したことが合憲判断の理由である。

格差が縮小したのは初の「合区」導入の結果だ。都道府県選挙区のうち、鳥取・島根、徳島・高知をそれぞれ一つに統合した。

前々回と前回、最高裁は、都道府県を選挙区の単位とする制度の見直しなどを国会に求めていた。今回は、両判決の趣旨に沿って国会が是正を図った、と評価している。妥当な見方ではないか。

注目すべきは、国会に対する前2回の要請に関し、「都道府県という単位を用いること自体を許されないとしたものではない」という説明を加えた点だろう。

判決は、国会が「地域の住民の意思を集約的に反映させる」との観点から、都道府県を単位と考えることに一定の理解を示した。

参院の場合、3年ごとに半数が改選されるため、各選挙区に最低2人を割り振らねばならず、定数の増減には制約がある。こうした特殊事情も踏まえた、現実的かつ合理的な判断と言えよう。

個別意見を述べた裁判官では、元内閣法制局長官の山本庸幸氏だけが前回に続き、「選挙無効」の見解を示した。再選挙のルールさえ明確に定められていない中で、無責任に過ぎるのではないか。

合区を導入した改正公職選挙法は、19年参院選に向けて選挙制度の抜本的な見直しを検討し、「必ず結論を得る」と付則に明記した。これを最高裁が重視した点に国会は留意しなければならない。

そもそも国会が自ら約束したことである。合憲判決に気を緩めることなく、抜本的な改革の検討を急ぐ必要がある。

地方の人口減が進めば、さらに合区を増やさざるを得なくなる可能性もある。人口規模が異なる隣県で合区すると、住民が少ない県側の不満が高まろう。

自民党は、憲法を改正し、参院の改選ごとに各都道府県から1人以上を選出する規定を盛り込む案を軸に検討している。しかし、公明党は、合区解消のための憲法改正に否定的だ。自民党は、次善の案も検討せねばなるまい。

2017年09月28日 06時12分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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朝日新聞
(社説)参院定数判決 改革の道止めかねない
2017年9月28日05時00分

自ら促してきた改革の歩みを止めかねない判決だ。司法の使命の放棄といわざるを得ない。

いわゆる一票の格差が最大で3・08倍あった昨年の参院選について、最高裁大法廷は合憲と判断した。選挙に先立ち、徳島と高知、鳥取と島根をひとつの選挙区にする「合区」を行ったことなどを、「これまでの最高裁判決の趣旨に沿って是正が図られた」と評価した。

なるほど格差はかつての5倍程度から縮小はした。それでも1人1票ならぬ1人0・3票の価値しか持たない国民が大勢いる。今回の判決には、その視点が決定的に欠けている。

参院議員の任期は6年。解散はなく半数ずつ改選のため、国政に長く影響力がおよぶ。その議員の選出方法が法の下の平等に反し、民意を適切に反映しなければ、正統性はゆらぎ、判断にも疑問符がつく。

その旨指摘してきたのは、ほかならぬ最高裁ではないか。

何より、先の是正が不十分なことは国会自身が認めている。公職選挙法の付則に、次の参院選にむけて制度の抜本的な見直しを検討し「必ず結論を得る」と書きこんだ。是正策はいろいろ考えられたのに、影響をうける関係者をなるべく少なくしようという、内向きの発想でまとめた措置だったからだ。

この判決で「3倍程度は合憲」との考えが独り歩きし、改革の機運がしぼむのが心配だ。定数是正をめぐる国会の怠慢・裏切りは何度もくり返されてきた。司法が一歩後ろに引いてしまったいま、国民が引き続き目を光らせる必要がある。

参院議員の定数配分をめぐっては別の問題もある。

今回、違憲判断は免れたが、合区が解消されるわけではない。このため自民党内には、常にどの県からも少なくとも1人の議員を選べるよう、改憲すべきだとの声がある。衆院選の公約に掲げられる見通しだ。

だがこれは、生煮えで無責任な主張というほかない。

「少なくとも1人」案は、参院議員を「全国民の代表」から「地域の代表」に変えることを意味する。そうなれば、参院にいまと同じ権限や役割を負わせるのは難しくなる。衆院とどうすみ分け、参院はいかなる仕事を担うのか。地方自治について定めている憲法の他の条文との整合をどう図るのか。

こうした点まで検討を深め、考えを示すのが、政党の当然の責務だ。それを怠ったまま「合区解消」「地方重視」と聞こえの良いことだけ唱えるのは、不誠実のそしりを免れない。
引用終わり
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毎日新聞
社説
最高裁が参院選「合憲」判断 お墨付きだとは言えない
毎日新聞2017年9月28日 東京朝刊

「1票の格差」が最大3・08倍だった昨年7月の参院選について、最高裁大法廷は、合憲の判断を示した。著しい不平等状態だったとはいえないという結論だ。


最高裁は2012年と14年の2度、それぞれ最大格差5・00倍と4・77倍だった参院選を違憲状態とし、都道府県単位の区割りの見直しを求める抜本的な改正を促した。

これを受け国会は一昨年、鳥取・島根と徳島・高知を「合区」とし、選挙区定数を「10増10減」する改正公職選挙法を成立させた。

今回の合憲判断は、こうした国会の取り組みにより、長年5倍前後で推移してきた「1票の格差」が、縮小したことを評価したものだ。

ただし、最高裁は合憲の判断に至ったもう一つの理由として、一昨年の改正公選法の付則を挙げた。

国会が次回の選挙に向けて選挙制度の抜本的な見直しの検討をし、必ず結論を得ると明記したことだ。

最高裁は「格差のさらなる是正に向けての方向性と立法府の決意が示された」と言及した。

いわば今後の取り組みへの期待値が判決には込められている。決して現状へお墨付きを与えたわけではない。国会は歩みを止めることなく一層の格差是正に取り組むべきだ。

判決は、格差が縮まったことを評価したが、合区では、島根を除く3県で投票率が過去最低を記録した。選挙の存在が身近に感じられなくなり、有権者の関心低下を招いたとすれば、問題は根深い。

大都市への人口集中が進む中、地方との格差を是正するには、さらに合区を増やすことになる。その弊害にも目を向けねばならない。

選挙制度の見直しをめぐっては、各党の主張の隔たりは大きい。一方、判決は、参院選でも投票価値の平等の要請に配慮すべきだと、くぎを刺している。国会の議論が平行線をたどれば、再び格差は広がり、厳しい司法判断が出されるだろう。

区割りの見直しだけに限った議論では、やはり1票の格差問題の解決は難しい。

2院制の下で、衆院と参院がどう役割分担をするのか。また、参院の存在意義はどこにあるのか。選挙制度の抜本解決には、そうした本質的な議論が避けられない。
引用終わり
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産経新聞
2017.9.28 05:03更新
【主張】
参院「一票の格差」 合憲判断にあぐらかくな

(1/2ページ) .
昨年7月に行われた参院選の「一票の格差」をめぐる全国訴訟の上告審で、最高裁大法廷は「合憲」と判断した。

ただし合憲とした多数意見に賛同したのは裁判官15人のうち11人で、2人が「違憲状態」、「違憲」と「違憲・無効」が1人ずつだった。1審にあたる高裁・支部の判断でも「合憲」6件、「違憲状態」10件と判断は分かれていた。

憲法は「法の下の平等」を定めており、国会は投票価値の不平等の解消へ不断の努力を重ねなくてはならない。合憲判断にあぐらをかくことは許されない。

昨年の参院選では、「徳島・高知」「鳥取・島根」で初めて合区を導入し、最大格差は、最高裁が「違憲状態」と判断した平成25年選挙の4・77倍から3・08倍に縮小していた。

最高裁判決はこれを「格差是正を指向するものと評価できる」と指摘し、「違憲の問題が生じる程度の著しい不平等状態にはなかった」と判断した。

だが、人口減少に伴う地方の過疎化傾向は今後も続くとみられ、合区での対応には早晩、限界がくることは間違いない。

最高裁は25年参院選を違憲状態と判断した際も「都道府県単位で定数を設定する現行の方式を改めるなど選挙制度自体を見直すべきだ」と法改正を促していた。

これに対し、自民党は「都道府県から少なくとも1人が選出される」ことを前提に合区を解消し、憲法改正を含めて参院選のあり方を検討するとしている。

現行憲法は「両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する」と定めており、地域代表としての性格は求めていないためだ。

(2/2ページ) .
だが憲法改正の目的が地盤の確保なのであれば、これはまじめな議論とはいえない。衆参両院や都道府県の役割、位置付けを、一から見直さなくてはならない。選挙制度の一部だけをいじることに意味はあるまい。

公明党は参院選挙区の全国11ブロック制による格差解消を求めている。民進党は合区の対象を増やすべきだと主張し、希望の党は一院制を提案している。

衆院選では各党、両院改革へ向けた主張を戦わせてほしい。司法から与えられた宿題に応じるべきは立法府の責務であり、政党の責任である。
引用終わり
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私見
参議院選挙に「一票の格差」是正を求める論調には賛同できない。特に合区などの制度は、各県成立の歴史的過程を無視したもので是正されるべきだろう。

一票の格差是正論者は、「法の下に平等である」と謳った憲法条文を引き合いに出して、一票の重みに格差があるから違憲だとするが、各県の文化水準や経済水準、或いは交通の利便性等々などの事項を、東京都などの多人口を抱える都道府県と比較して、同水準に有るのかに付いては論じない。

最高裁は、それらの地域格差を勘案して、参院選は概ね3倍以内、衆院選は概ね2倍以内としている。

それらを無視して、「一票の重み」を強調する方々は、格差是正の為に人口の少ない県に移住したら如何か?

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希望の党とは何者

2017/09/27 23:14
20170927

読売新聞
社説
希望の党 大衆迎合的政策に偏っている
2017年09月27日 06時00分

衆院解散にぎりぎり間に合わせた新党旗揚げである。急造であっても、説得力ある政策をきちんと示すことが重要だ。


東京都の小池百合子知事が、新党「希望の党」を結成し、自ら代表に就任した。知事も続投する。10月22日投開票の予定の衆院選に、全国規模で多数の候補者を擁立するという。

小池氏は記者会見で、「日本は改革のスピードがあまりにも遅い。私自身が立場を明確にし、勢いをつけたい」と強調した。

希望には、側近の若狭勝衆院議員、細野豪志・元環境相らに加え、日本のこころの中山恭子前代表や民進、自民両党の離党者など10人以上の国会議員が参加する。

7月の都議選では、小池氏が代表を務めた地域政党が圧勝した。発信力の高い小池氏が再び前面に立つことで、選挙戦の構図に影響を与えるのは確実だ。与党や民進党には警戒感が広がる。

問題なのは、希望の党の政策決定過程が不透明なうえ、大衆迎合的な政策が目立つことだ。

小池氏は「原発ゼロを目指す」と明言した。安全性の確認された原発の再稼働を進める安倍政権への対立軸を示す狙いだろう。

だが、電力の安定供給には原発が欠かせない。より現実的なエネルギー政策を示すべきだ。

消費税率10%への引き上げの凍結や、議員定数の削減にも言及した。有権者に受け入れられやすい政策を並べた印象が拭えない。

憲法改正には前向きだが、「9条に絞った議論でいいのか」と幅広い論議を求めている。

希望の顔ぶれがようやく固まった段階とはいえ、衆院選は迫っている。憲法改正の個別項目や外交・安全保障を含めた体系的な政策を早期に明確にしてほしい。

新党の候補予定者には、政治経験の乏しい新人や、他党では当選が難しいと考えた離党者が多い。理念や政策が曖昧なままでは、小池人気に依存した「駆け込み寺」との批判を免れまい。

小池氏の代表就任には、都議選で選挙協力した公明党が反発している。安倍政権への対決姿勢を打ち出したことで、都議会での連携の解消も検討しているという。

衆院選後の首相指名選挙で、希望の党が公明党の山口代表に投票する可能性に小池氏が言及したのは、関係修復のつもりなのか。

知事と政党代表の両立は、前例があるものの、容易ではあるまい。小池氏は「都政に磨きをかけるには国政への関与が必要だ」と語るが、一層の説明が求められる。

2017年09月27日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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毎日新聞
社説
日本の岐路 「希望の党」の登場 小池流の鮮やかさと不安
毎日新聞2017年9月27日 東京朝刊

選挙の構図が一変した。


東京都の小池百合子知事が「希望の党」を結成したためだ。衆院選では政権批判票の「受け皿」を目指し、全国に候補者を擁立するという。

小池氏は若狭勝衆院議員や細野豪志元環境相らに国政は任せるように見せかけ、安倍晋三首相が衆院解散を決断するやいなや一転、自身がトップに立っての結党に踏み切った。

首相が解散を表明したのと同じ日に緊急記者会見をぶつけ、現職知事が新党の代表に就くサプライズを演出してみせた。鮮やかな「劇場型」のメディア戦術だった。

小池氏の勝負勘と度胸のなせるわざだろう。それが衆院選への関心を高め、有権者に新たな選択肢の登場を印象づけたのは間違いない。

7月の東京都議選では、民進党が政権批判の受け皿になれず、小池氏の率いた地域政党「都民ファーストの会」が大勝した。衆院選でも、政権に不満だが行き場のなかった無党派層をひき付ける可能性がある。

ただし、容認できないのは新党の政策・理念が不鮮明なことだ。

小池氏が示した政策の柱は「希望の政治」「希望の社会」「希望の経済」など抽象的だ。新党の理念に掲げた「改革保守」もわかりづらい。

具体策として挙げた「議員定数・議員報酬の縮減」は、過去にも多くの政党が「身を切る改革」として声高に叫んできた。財政再建や社会保障との関係を語らずに「消費増税凍結」を主張することと併せ、ポピュリズムのにおいがつきまとう。

自民党は憲法改正への協力を新党に期待するが、小池氏は安倍首相の唱える「自衛隊明記」の改憲方針に否定的だ。アベノミクスも批判している。さらに「原発ゼロ」を訴えることで自民党との対決姿勢を前面に押し出す構えだ。

では、選挙後の新党は野党なのか、与党入りを狙うのか。小池氏は新党の議員が首相指名で公明党の山口那津男代表に投票する可能性に言及した。都議会与党の公明党に配慮した発言のようだが、都政の都合で軽々に論じることではなかろう。

突然の衆院解散で結党を急いだ事情は理解できるが、何を目指す政党なのかを体系立てて有権者に示す必要がある。イメージ先行では責任政党とは言えない。
引用終わり
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産経新聞
2017.9.27 05:03更新
【主張】
小池新党 議員生き残りの「希望」か

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自分を当てにした新党の動きに、もどかしさを感じたのだろうか。

小池百合子東京都知事が新党「希望の党」を結成し、自ら党代表に就くと発表した。

「改革保守」の旗を掲げ、衆院選では関東や関西を中心に全国で候補者を立てるという。

驚いたのは、参加予定者である若狭勝衆院議員や細野豪志元環境相らが取り組んでいた綱領、政策などの作成作業をリセットし、希望の党の政策として自ら諸課題を並べたことだ。

政見を同じくする仲間を募り、理念や政策を積み上げる作業は一切、省略だ。民主的な党運営とは無縁のスタートといえる。

政権の受け皿を狙う新党を率いる指導力を、際立たせてはいる。だが、結局は政策の中身より自らの人気や求心力で勝負する姿勢がはっきりしたのではないか。

結党届には、民進党などを離れた現職国会議員9人が名を連ねた。小池氏は「この選挙さえしのげればいい」という候補者を選別して排除する必要性を語ってはいる。だが、短期決戦でどれだけ理念や政策を共有できるだろう。

新党作りに動いていた若狭、細野両氏の動きに鈍さはあったろう。それでも頭ごなしの結党を目の当たりにし、黙って参加する。それこそが、当選さえすればいい人たちの「希望」をかなえる党の姿を暗示していないか。

示された政策も、目玉と呼べるような独自性には乏しい。地方分権や議員定数・議員報酬の縮減、情報公開などを掲げるのは「改革政党」を印象づけるためのものではないか。

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「原発ゼロ」の立場をとる点は見過ごせない。東京都知事を務める小池氏だが、電力の大消費地のトップとして、安定的な電力供給を確保する責任についてどれほど認識しているのだろうか。

憲法改正について「避けて通れない」と否定はしない。だが、9条改正に明確な見解を示さなかった。小池氏は9条改正論に立っていたはずだが封印した格好だ。

小池氏は、知事の座にとどまったまま国政政党の党首になるという。二足のわらじは、維新の会の松井一郎大阪府知事もそうだが、国会に議席を持たない制約は少なくないだろう。

東京五輪や豊洲問題など課題山積の都政との両立は容易でない。どうこなすつもりだろうか。
引用終わり
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安倍首相衆院解散表明(各紙)

2017/09/27 23:14
20170926

読売新聞
社説
衆院解散表明 問われる安倍政治の総合評価
2017年09月26日 06時06分

◆全世代型の社会保障も争点だ◆


日本経済の再生や新たな社会保障制度の構築、北朝鮮危機への対応、憲法改正――。こうした困難な課題に取り組み、政治を前に進めるのが、国民に信を問い直す意義だろう。

安倍首相が衆院解散・総選挙を断行する意向を表明した。28日召集の臨時国会の冒頭、衆院が解散される。衆院選は10月10日に公示され、22日に投開票される。

首相は記者会見で、今回は「国難突破解散だ」と語った。

「仕事人内閣」の発足から、わずか2か月足らずでの解散だ。首相の戦略変更は間違いない。


◆難題に取り組む契機に◆

来年の通常国会で憲法改正を発議し、秋に自民党総裁の3選を果たす。改憲の国民投票と同時も視野に、衆院選を行う。当初は、そんな政治日程が有力とされた。

解散の前倒しは、内閣支持率の回復や民進党の混乱、小池百合子東京都知事らの新党結成などを総合判断した結果だろう。

首相は、解散の理由として、2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げに伴う増収の使途変更を挙げた。

国の借金返済を減らし、子育て支援や教育無償化などの財源約2兆円を確保するという。

首相は「国民の信任なしで、国論を二分するような大改革を進めることはできない」と語った。

「高齢者偏重」と指摘されてきた社会保障制度について、若い世代も含めた「全世代型」への転換を進めることは理解できる。高齢者向け給付の一層の効率化も避けるべきではあるまい。


◆財政再建も両立させよ◆

一方、高等教育の無償化は、巨額の財源を要し、負担と給付の不公平性の拡大、大学の質の低下も懸念される。本当に必要な学生に限定し、慎重に検討したい。

忘れてならないのは、財政再建の旗を掲げ続けることである。

首相は、借金返済を減らすことで、20年度の基礎的財政収支を黒字化する目標の実現は困難になる、との認識を示した。新たな財政健全化目標を早期に提示し、国民の理解を得ねばなるまい。

アベノミクスを補強・拡充し、2度も延期した消費増税を19年には確実に実施できる経済状況を作り出すことも欠かせない。

北朝鮮の問題について、首相は「北朝鮮の脅かしに屈せず、力強い外交を進める」と述べ、圧力路線を堅持する考えを表明した。

日本の安全保障にとって目下、最大の懸案だ。北朝鮮は、6回目の核実験や2度の日本上空を通過する弾道ミサイル発射を強行するなど、問題は深刻化している。

北朝鮮に核放棄を迫るには、国連安全保障理事会決議の厳格な履行で圧力を強めつつ、対話の糸口を探るしかあるまい。危機を煽あおりすぎないことにも配慮が要る。

15年に制定した安全保障関連法は、北朝鮮に対する日米同盟の抑止力を支える重要な法的基盤だ。安倍政権は、その意義をきちんと訴えることが大切である。

憲法改正について安倍首相は、自衛隊の根拠規定の追加や大災害時の緊急事態条項の創設などを目指す考えを強調している。

戦後日本の平和維持に積極的に貢献してきた自衛隊に違憲の疑いがある、と多くの憲法学者が唱えるような異常な状況はできるだけ解消せねばならない。

首相が5月に提起した憲法改正案は一定の支持を集めるが、公明党は慎重姿勢を崩さず、やや膠着こうちゃく状態にある。今回の解散は、この局面を打開する狙いもあろう。


◆憲法改正の膠着打開を◆

自民、公明、日本維新の会という現勢力にとどまらず、小池氏が結成を表明した「希望の党」とも連携する。新たな枠組みで衆院の3分の2を確保し、発議する。そんな展開も考えられる。

首相は、「解散は森友・加計学園の疑惑隠し」などとする野党の批判を踏まえ、「厳しい選挙になると覚悟している」と語った。

臨時国会の実質審議がなくなっても、一連の疑惑に関する首相や政府の説明責任は残る。丁寧な説明を続けることが重要である。

衆院解散は長年、「首相の専権事項」とされ、定着している。自らが目指す政治や政策の実現のため、最も適切な時期に総選挙を実施するのは宰相として当然だ。

衆院議員の来年12月の任期切れまで1年余しかない。既に「常在戦場」で選挙準備をしておくべき時期だ。「解散の大義がない」との野党の批判は筋違いである。

首相も、自らの政治姿勢や政策すべてが国民の審判の対象となることを肝に銘じ、解散の意義と狙いを重ねて訴えるべきだろう。

2017年09月26日 06時06分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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日経新聞
社説
持続可能な日本への設計図を競え
2017/9/26付

安倍晋三首相が28日の臨時国会の冒頭で衆院解散・総選挙に踏み切る考えを表明した。

2019年10月に予定する8%から10%への消費増税の増収分の使途を見直し、幼児教育の無償化などに充てることの是非を問うという。与野党は衆院選を通じて財政健全化への道筋や社会保障の給付と負担の設計図をきちんと有権者に示してほしい。

◇財政健全化の道筋示せ

首相は25日の記者会見で、衆院解散の理由について「社会保障を『全世代型』に転換せねばならない。約束していた消費税の使い道を大きく変える以上、国民の判断を仰がなければならない」と語った。衆院選は10月10日公示―22日投開票となる見通しだ。

日本経済の最大の課題は成長と財政健全化を両立させ、社会保障を持続可能にすることだ。

旧民主党政権下の12年6月、与野党3党は消費税率を2段階で10%まで引き上げると決めた。安倍政権は14年4月に8%に引き上げたが、その後は2度にわたり10%への引き上げを延期した。

3党合意は5%の増税の1%分を社会保障の充実に充て、残りの4%分を年金の国庫負担や国債の償還など財政健全化に回すとしていた。

首相はこの増税分の使い道に幼児教育の無償化などを加え、18年度から教育・子育てに使う予算を積み増す意向だ。代わりに財政健全化に充てる分を減らすという。

もろ手を挙げて賛同できる案ではない。

日本の社会保障は高齢者への給付が手厚い一方、子ども・子育て向けが少ない。首相が若年世帯に目を向けたのは理解できる。

問題はその手法である。所得や資産にゆとりのある高齢者向けの給付を減らし、その分を若年世帯支援の財源に回すのが正しいやり方だが、首相はこうした「痛みを伴う改革」を素通りしている。

財政健全化に回す分を使うなら、教育のために新規に国債を発行する「教育国債」と本質的に変わらない。本来は現役世代が担うべき負担を次世代に押しつけるのはおかしい。「社会保障か、財政健全化か」との議論は短絡的だ。

わたしたちはまず待機児童対策を最優先せよと主張してきた。仕事と子育ての両立支援は、目先の人手不足を緩和できる。長い目でみても、子を産み育てやすい環境をつくれば、出生率が上向く効果も期待できるからだ。

高等教育の負担軽減は支援が真に必要な人に対象を絞り込み、野放図なバラマキを避けるべきだ。

首相は記者会見で20年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字にする目標を先送りすると述べた。ならばいつ黒字にするのか、どんな財政健全化の方策を講じるのかを示す責任がある。

日本の財政状態は先進国で最悪だ。20年代半ばには団塊の世代が後期高齢者となり、医療・介護の費用が急増しかねない。今から社会保障の歳出を効率化しなければ、いくら消費増税をしても穴のあいたバケツと同じだ。

経済成長さえすれば、財政問題を解決できるといった幻想も捨てるべきだ。構造改革で潜在成長率を引き上げつつ、さらなる消費増税を検討する覚悟が要る。

◇なぜいま解散なのか

発足から4年半を経た安倍内閣は一部に強引な政権運営が目立っている。野党4党は通常国会が閉会した6月下旬に憲法の規定に基づいて臨時国会召集を求めたが、政府・与党は応じずにきた。

28日召集の臨時国会では首相の所信表明演説や各党代表質問を見送って冒頭に解散する方向だという。これでは野党が「森友、加計両学園を巡る疑惑隠しの解散だ」と批判するのは当然だろう。

北朝鮮の核・ミサイル開発による緊張が高まるなかでの衆院選は、与党内でも「なぜ今なのか」と戸惑う声が上がっている。

首相は記者会見で「国民の信任を得て国を守り抜く決意だ。国難を乗り越えていくため、国民の声を聞かなければならない。国難突破解散だ」と強調した。

解散の理由として北朝鮮の差し迫った脅威を持ち出すのは違和感がある。一方で15年に成立した集団的自衛権の限定容認を柱とする安全保障関連法の評価やミサイル防衛を含む防衛政策のあり方は選挙の重要な争点となる。

日本はもはや目先の損得勘定で政治をしている余裕はない。各党は超高齢化社会の到来を見据えた骨太の将来ビジョンを掲げ、その具体策を有権者に問うことから逃げてはならない。
引用終わり
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朝日新聞
(社説)衆院選 大義なき解散 「首相の姿勢」こそ争点だ
2017年9月26日05時00分

安倍首相が衆院の解散を表明した。10月10日公示、22日投開票で行われる方向の衆院選の最大の「争点」は何か。

民主主義の根幹である国会の議論を軽んじ、憲法と立憲主義をないがしろにする。そんな首相の政治姿勢にほかならない。

きのうの記者会見で首相は、少子高齢化と北朝鮮情勢への対応について国民に信を問いたいと訴えた。

少子高齢化をめぐっては、消費税率の10%への引き上げを予定通り2019年10月に行い、借金返済にあてることになっている分から、新たに教育無償化などに回す。その是非を問いたいという。

だが、この使途変更は政府・与党内でまともに議論されていない。そればかりか、民進党の前原誠司代表が以前から似た政策を主張してきた。争点にすると言うより、争点からはずす狙いすらうかがえる。国民に問う前に、まずは国会で十分な議論をすべきテーマだ。

核・ミサイル開発をやめない北朝鮮にどう向き合うか。首相は会見で「選挙で信任を得て力強い外交を進めていく」と強調したが、衆院議員を不在にする解散より、与野党による国会審議こそ必要ではないのか。

首相にとって今回の解散の眼目は、むしろ国会での議論の機会を奪うことにある。


■国会無視のふるまい

首相は28日に召集される臨時国会の冒頭、所信表明演説にも代表質問にも応じずに、解散に踏み切る意向だ。

6月に野党が憲法53条に基づいて要求した臨時国会召集の要求を、3カ月余りも放置した揚げ句、審議自体を葬り去る。憲法無視というほかない。

いま国会で腰を落ち着けて論ずべき課題は多い。首相や妻昭恵氏の関与の有無が問われる森友・加計学園をめぐる疑惑もそのひとつだ。首相は会見で「丁寧に説明する努力を重ねてきた。今後ともその考えに変わりはない」と語ったが、解散によって国会での真相究明は再び先送りされる。

国会を軽視し、憲法をあなどる政治姿勢は、安倍政権の体質と言える。

その象徴は、一昨年に成立させた安全保障関連法だ。

憲法のもとで集団的自衛権の行使は許されない。歴代の自民党内閣が堅持してきた憲法解釈を閣議決定で覆し、十分な議論を求める民意を無視して採決を強行した。

今年前半の国会でも数の力を振り回す政治が繰り返された。

森友問題では昭恵氏の国会招致を拒み続ける一方で、加計問題では「総理のご意向」文書の真実性を証言した前文部科学次官に対して、露骨な人格攻撃もためらわない。


■議論からの逃走

極め付きは、「共謀罪」法案の委員会審議を打ち切る「中間報告」を繰り出しての採決強行である。都合の悪い議論から逃げる政権の姿勢は、今回の解散にも重なる。

北朝鮮の脅威などで地域情勢が緊迫化すれば、政権与党への支持が広がりやすい。選挙準備が整っていない野党の隙もつける。7月の東京都議選の大敗後、与党内から異論が公然と出始めた首相主導の憲法改正論議の局面も、立て直せるかもしれない。タイミングを逃し、内閣支持率が再び低下に転じ、「選挙の顔」の役割を果たせなくなれば、来秋の自民党総裁選での3選がおぼつかなくなる……。そんな政略が透けて見える。

森友・加計問題とあわせ、首相にとって不都合な状況をリセットする意図は明らかだ。

もはや党利党略を通り越し、首相の個利個略による解散といっても過言ではない。

森友・加計問題については、自民党の二階幹事長から信じられない発言が飛び出した。「我々はそんな小さな、小さなというか、そういうものを、問題を隠したりなどは考えていない」

だがふたつの問題が問うているのは、行政手続きが公平・公正に行われているのかという、法治国家の根幹だ。真相究明を求める国民の声は、安倍政権に届いているようには見えない。


■数の力におごる政治

安倍政権は12年末に政権に復帰した際の衆院選を含め、国政選挙で4連勝中だ。

これまでの選挙では特定秘密法も安保法も「共謀罪」法も、主な争点に掲げることはなかった。なのに選挙で多数の議席を得るや、民意を明確に問うていないこれらの法案を国会に提出し、強行成立させてきた。

きのうの会見で首相は、持論の憲法9条の改正に触れなかったが、選挙結果次第では実現に動き出すだろう。

もう一度、言う。

今回の衆院選の最大の「争点」は何か。少数派の声に耳を傾けず、数におごった5年間の安倍政権の政治を、このまま続けるのかどうか。

民主主義と立憲主義を軽んじる首相の姿勢が問われている。
引用終わり
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毎日新聞
社説
日本の岐路 首相が冒頭解散を表明 説得力欠く勝手な理屈だ
毎日新聞2017年9月26日 東京朝刊

これが衆院を解散し、総選挙をするに足る理由なのだろうか。かえって疑問が深まる記者会見だった。


安倍晋三首相が28日に召集する臨時国会の冒頭で衆院を解散する方針を正式に表明した。8月に内閣を改造しながら、首相の所信表明演説や代表質問を一切行わず、総選挙を迎える異例の解散となる。

◇なぜ今、解散なのか。

首相の説明は、再来年秋に消費税を8%から10%に引き上げる際、増税分の一部を教育無償化に充てるなど使い道を見直すからだという一点に尽きた。税に関する政策変更は国民の信を問うべきだというわけだ。

消費増税延期を言い出した2014年の衆院選と全く同じである。

だが、前回の消費増税延期が与野党の争点にならなかったように、使い道の見直しは民進党が既に打ち出している課題だ。解散して信を問うテーマと言うには説得力を欠く。

◇「森友」「加計」疑惑隠し

使途の変更で財政再建は遠のく。首相も20年度に「基礎的財政収支」を黒字化するという政府の目標達成は困難になると認めた。同時に「財政再建の旗は降ろさない」とも語ったが、どう再建するのかは今後検討するという。やはり最初に解散ありきで、そのための理由を探してきたと言わざるを得ない。

「北朝鮮と少子高齢化という国難突破の解散だ」とも首相は語った。

しかし、本音は4年後の21年秋まで首相を続け、宿願の憲法改正を実現するための解散なのではなかろうか。むしろ自らを取り巻く現状を突破する解散と言っていい。

◇ あの低姿勢ぶりは何だったのか。

首相は先月内閣を改造した際の記者会見で、森友学園や加計学園の問題について「国民に大きな不信を招いた」と頭を下げた。

ところが臨時国会では質疑に応じないと言う。再び国民の関心が高まるのを恐れたからだろう。疑惑隠しと言われても仕方がない。しかも首相は「選挙は民主主義における最大の論戦の場」と語り、国会など開かなくてもいいと言わんばかりだった。その論理のすり替えに驚く。

北朝鮮情勢が緊張する中での解散・総選挙となる点に対しては「北朝鮮の脅かしによって(選挙日程が)左右されてはいけない」と述べるだけで、危機を利用している印象さえ受けた。

「信がなければ大胆な改革も外交も進められない」とも強調した。だが、まず必要なのは加計問題などで招いた不信を丁寧な説明によって解消することだ。選挙で勝ちさえすれば信任を得られるというのは、順番が逆である。

一方、記者会見では憲法改正に触れることさえなかった。

◇「安倍1強」継続が争点

元々、首相は来年の通常国会で改憲を発議することを衆院選よりも優先して検討していたはずだ。しかし自ら不信を招いた加計問題などにより、与党内でも求心力が低下し、9条改憲には公明党が強く異論を唱え始めた。このため今のままでは発議は難しいと考え、それを打開するために解散に打って出たと思われる。

小池百合子東京都知事が自ら代表となって結成すると表明した「希望の党」は改憲に前向きと見られる。首相は衆院選で自民党が議席を減らしても、この新党と協力すればいいと考えているのかもしれない。

ただし小池氏も今回の解散は「大義がない」と批判し、自民党との違いを強調している。首相の狙い通りに進むかどうかは分からない。

衆院選で自民党が過半数さえ取れば、来秋の自民党総裁選で3選される可能性が高くなるという首相の計算も透けて見える。

野党が準備不足の今なら勝てると見たのだろう。だが、もちろんこれも有権者次第である。

首相は従来、選挙では経済をアピールし、勝てば全ての政策が信任されたとばかりに、安全保障関連法など選挙でさして触れなかった法律を数の力で成立させてきた。

今回も憲法改正よりも、「人づくり革命」や「生産性革命」といったキャッチフレーズを強調していくはずだ。その手法も含めて改めて問われるのは「安倍政治」である。

首相が再登板してから5年近く。「安倍1強」のおごりやひずみが見えてきた中で、さらに4年続くことの是非が問われる衆院選だ。憲法や安保、経済・財政と社会保障など、さまざまな重要課題をどうしていくのか、日本の大きな岐路となる。
引用終わり
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産経新聞
2017.9.26 05:02更新
【主張】
首相の解散表明 「北朝鮮危機」最大争点に

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■憲法9条改正を正面から語れ

安倍晋三首相が記者会見で、28日召集の臨時国会冒頭で衆院を解散すると表明し、「国難突破解散だ」と述べた。

少子高齢化と北朝鮮情勢を国難と規定し「国民とともに国難を乗り越えるため国民の声を聴きたい」と語ったのは理解できる。

再来年10月予定の消費税増税分の使途を変更し、約2兆円を教育無償化などに充てる。北朝鮮の脅威から「国民の命と平和な暮らしを守り抜く」とし、核兵器と弾道ミサイルの放棄を約束するまで、圧力をかけ続けると訴えた。

≪国民守る方策を論じよ≫

衆院選の最大の特徴は、北朝鮮情勢が緊迫の度を増す中で行われる点である。

独裁者が支配する北朝鮮は、核実験や弾道ミサイル発射を繰り返し、「日本列島ごとき、あっという間に焦土化できる」などと恫喝(どうかつ)し続けている。戦後、日本がこれほどあからさまな敵意にさらされたことがあっただろうか。国民に尽くすべき政治が脅威に鈍感であってはならない。

北朝鮮は対話を隠れみのにして核・ミサイル開発を続けてきた。「対話のための対話」では脅威を除けなかったという首相の指摘は妥当である。平和実現のための圧力を継続することへ国民の支持は欠かせない。

外交努力と並行して、どのようにして国民を守り抜くかも重要な課題だ。首相や各党は選挙戦において、その決意と方策を率直かつ明快に語らなければならない。

集団的自衛権の限定行使を容認する安全保障関連法への姿勢も注目点だ。政府与党は安保関連法を活用して、自衛隊による米補給艦の防護や米イージス艦への洋上給油を実施した。日米同盟の抑止力を高めている。

民進党や共産党は、憲法違反だとして安保関連法の廃止を唱えている。それでは国民を守り抜くことができない。国民保護や敵基地攻撃能力の導入、ミサイル防衛(MD)の充実も論じるべき喫緊の課題である。

衆院選は憲法改正を進める絶好の機会でもある。首相が会見で、憲法改正について言及しなかったことは極めて残念だ。

自衛隊は敵基地攻撃能力すら持っていない。日本が北朝鮮危機に十分に対応できると言い切れない根本的原因の一つが、現憲法にあることは疑いない。

自衛隊・軍や国防の概念が憲法にないことが、戦後日本の安全保障政策をゆがめてきた。

だからこそ、首相は今年5月に9条1、2項は残しつつ自衛隊の存在を明記する「加憲」案を提起したのではなかったのか。9条論議を避けてはならない。

(2/2ページ) .
首相は、消費税の使途という税制上の大きな変更を決断した以上、「国民に信を問わなければならない」と述べた。増税分の使途は「社会保障と税の一体改革」で約束してきた基本だ。信を問う姿勢自体は妥当だろう。

ただ、その決断に至るまでどれほど議論を尽くしたか。一体改革は、2度の増税延期で当初と異なる姿になった。さらに使途まで変えるのに政府与党で深く議論したように見えない。唐突な変更という印象を拭うには、そうした疑問に丁寧に答える必要がある。

≪2兆円投入の中身示せ≫

首相は「人づくり革命」と「生産性革命」こそが「アベノミクス最大の勝負」という。そこに投じる2兆円の中身はどうなのか。年内にまとめる政策パッケージについて、より具体的に聞きたい。

使途変更により財政健全化の財源は減る。それでも首相は「財政再建の旗は降ろさない」とし、基礎的財政収支の黒字化を堅持するための具体的な計画を策定すると語った。聞きたいのは首相自身が財政再建の道筋をどう描いているかだ。歳出拡大は約束するが、財政再建の検討は後回しというだけでは都合が良すぎる。

北朝鮮情勢の急変に備えた選挙戦でなくてはならない。解散で衆院議員は不在となり、国会機能は参院が担う。憲法54条は「国に緊急の必要があるとき」の参院緊急集会を定めている。参院は、緊急集会や外交防衛委員会の閉会中審査の準備をしておくべきだ。

国家安全保障会議(NSC)や自衛隊など、政府の危機対応部門の能力を低下させてはならない。政府および国会は、緊急時の対応がいつでもとれる態勢をとって選挙戦に臨んでほしい。
引用終わり
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