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米「核戦略見直し」

2018/02/13 02:28
20180204

毎日新聞
社説
トランプ政権の「核態勢見直し」 新たな軍拡競争を恐れる
毎日新聞2018年2月4日 東京朝刊

米科学誌が1月下旬に発表した「終末時計」は、地球最後の日までの概念的な残り時間が「2分」となり、この1年で30秒進んだ。


米ソの核実験競争が過熱していた冷戦中の1953年と並ぶ、最悪の状況だという。その背景に北朝鮮と米トランプ政権の核戦争含みの対決機運があるのは言うまでもない。

だが、米政府が2日に公表した「核態勢見直し(NPR)」によって「時計」の針はさらに進み、2018年は人類史上、最も危険な年になるかもしれない。

NPRは言う。米国が核軍縮に努力する間にロシアや中国は核兵器の増強・近代化を図り、北朝鮮は国際社会の懸念をよそに核開発を続け、世界は極めて危険な状況にある。

だから米国の抑止力を高めるために、核兵器の破壊力を調整して小型化するなど、状況に合わせて柔軟に対応できるようにするのだと。

◇露との対立より軍縮を

前回のNPRをオバマ前政権が10年に発表してから8年。世界の安全保障環境は大きく変わった。トランプ政権が新たな核戦略を策定するのは理由のないことではない。

問題は、政権の世界観と核に対する考え方だ。核兵器は「米国と同盟国の死活的な極限状況でのみ使用を検討する」という方針はオバマ政権時のNPRと変わらない。

だが、今回のNPRはロシアや中国、北朝鮮、イランなどの動向を分析しながら、さまざまな状況下で米軍が核を使う事態を想定しているようだ。核によらない攻撃にも核で反撃する可能性も打ち出した。

これでは核を使う際の心理的ハードルが下がり、核攻撃の現実味が増すのは当然だ。「米国は核を使いたいわけではない」と国防総省高官は釈明するが、少なくとも米国と対立する国はそうは考えまい。

小型核は偶発的な核戦争の危険を高めやすい。オバマ政権が艦船配備の核巡航ミサイル(SLCM)を退役させたのは、通常の巡航ミサイル攻撃を相手国が核攻撃と誤認、または意図的に曲解して核で反撃することを避けるためでもあった。

SLCMの復活を打ち出したトランプ政権は、オバマ政権の「核兵器なき世界」を名実ともに過去のものとしたといえよう。

極めて危険な選択である。トランプ大統領は先月末の一般教書演説でも、圧倒的な力を示すことが最良の防衛だという考えを示し、核軍拡に突き進む姿勢を見せていた。

だが、既に世界最強の米軍の軍備拡張は、中露のみならず北朝鮮やイランの反発と軍拡を招かずにはいまい。そんな危険を冒すより中露を含めた国際的な軍縮を推進する方が安全で理にかなっている。

核拡散防止条約(NPT)の観点からも疑問だ。NPTは米英仏露中に核兵器保有を認める代わりに、5カ国の責務として誠実な核軍縮交渉を求めている。トランプ政権の核政策はこの精神と相いれずNPTの空洞化に拍車をかける恐れがある。

◇北朝鮮問題の障害にも

NPRの策定はクリントン政権以来4回目。トランプ政権と同じ共和党のブッシュ(子)政権も「使える核」に傾斜したが、02年に公表したNPRでは前年の米同時多発テロを踏まえてテロ対応に重点を置き、旧ソ連やロシア敵視の戦略と完全に決別する方針を表明している。

トランプ政権の激しい「ロシア敵視」は新たな冷戦を招きかねない。

日本の立場も微妙になろう。昨年、核兵器を持たない国々は核保有国が核軍縮に消極的なことに怒り、核兵器禁止条約を採択した。「唯一の被爆国」の日本は米国の強い要請もあり、この論議に参加しなかった。

だが、米国が核軍拡に傾けばNPTによる核軍縮・核全廃はますます見通しが立たなくなる。米国の「核の傘」に依存する国々は、日本も含めて禁止条約に反対の立場だが、かといって大国の核軍拡競争が始まることは歓迎できまい。

河野太郎外相は今回のNPRについて、日本など同盟国に対する拡大抑止(核の傘)への関与を明確にしたと評価した。北朝鮮の核武装を許さないとする強い態度表明も日本政府にとって好ましいものだろう。

とはいえ、核を除けば軍事弱小国に過ぎない北朝鮮に対し、米国は核戦略を転換せずとも対応できよう。むしろNPRによって中露との対立が強まれば、北朝鮮問題をめぐる国際連携にとって重大な障害となりかねないことを自覚すべきである。
.引用終わり
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朝日新聞
(社説)米国の核戦略 歴史に逆行する愚行
2018年2月4日05時00分

核兵器のない世界を願う国際世論に冷水を浴びせる内容だ。核軍縮の歴史にも逆行し、世界の安全を脅かしかねない。

米トランプ政権が「核戦略見直し(NPR)」を発表した。今後5〜10年の米国の核政策の指針となる報告書である。

前回8年前の報告書から方向性が一変した。核の役割と数を減らしていくというオバマ前政権時の決意は姿を消した。反対に、核の役割と能力を拡大する姿勢を鮮明に打ちだした。

ロシアや中国、北朝鮮の脅威を強調し、前政権時にくらべて「状況は急激に悪化した」と指摘する。しかし、他を圧する核戦力によってのみ自国の安全が確保できるという発想は、時代錯誤も甚だしい。

米国と旧ソ連が不毛な軍拡競争に陥った冷戦時代は過去のものだ。国際テロ組織の活動やサイバー攻撃を含め、核の脅威はより複雑で多様化している。

大量の核兵器をいつでも使える形で持ち続けることは、誤認などによる核戦争や、核物質の流出などの危険を広げ、米国を含む世界を危険にさらす。

だからこそ07年、キッシンジャー元国務長官やペリー元国防長官ら超党派の4人が、核なき世界への提言をし、オバマ大統領の姿勢につながった。トランプ政権は、そうした歴史的な議論の積み重ねを学ぶべきだ。

報告書でとくに問題なのは、潜水艦発射型の弾道ミサイルや巡航ミサイルに載せるために、爆発力を弱めた核弾頭を開発する方針を掲げた点だ。

使いやすい核を持てば相手国がおびえて、抑止力が高まるという考え方は、理性を失ったかのようだ。核と通常兵器との区別がつきにくくなれば、偶発的な核戦争のおそれも高まる。

相手からの攻撃が核によらない場合でも、米国が核を使うことがありえるとも明記した。大規模なサイバー攻撃などが念頭にあるようだが、安易に核をふりかざす危険な発想だ。

米国も加盟している核不拡散条約(NPT)は、核保有国に核軍縮の義務を課している。核大国である米国の責任は、とりわけ重い。核政策でも「米国第一」主義に走るトランプ政権は、核の拡散を防ぐ国際体制を損ねる点でも無責任だ。

トランプ氏は先月の議会演説で「ひょっとしたらいずれ、世界の国々が一緒に核を廃絶する魔法のような瞬間が訪れるかもしれない」と冷笑的に語った。

核兵器が招く破滅への想像力を欠き、武力で自国の優越心を満たそうとする大統領の姿勢こそが、最大の懸念要因である。
引用終わり
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台湾東部地震 今度は日本が支える番だ

2018/02/13 02:27
20180212

産経新聞
2018.2.12 05:02更新
【主張】
台湾東部地震 今度は日本が支える番だ

(1/2ページ) .
台湾加油(頑張れ)。東部を襲った6日深夜(日本時間7日未明)の地震で、花蓮市の12階建て集合住宅兼ホテル「雲門翠堤大楼」など4棟が倒壊状態となり、多くの死傷者が出た。

日本政府は警察庁、消防庁などからの専門家チーム7人を被災現場に派遣し、人命救助活動を支援している。

地震発生直後に100人を超えていた安否不明者の多くは無事が確認された。しかし、現地は強い余震が続き、被災者は不安を募らせている。

被災者の医療、生活支援、仮設住宅の建設など、今後は時間の経過とともに必要とされる人員、物資は多様化していく。被災者の立場に立った効果的な支援で台湾の人たちの力になりたい。

東日本大震災では、台湾からの温かい支援が被災者の心の支えになった。今回の台湾東部地震では「今度は私たちが台湾の人たちを支える番だ」といった東北からの呼びかけがインターネットなどで広がった。安倍晋三首相も蔡英文総統へのお見舞いメッセージで同じ趣旨の支援の意思を伝えた。

台湾と日本列島は一連の地震多発帯に位置する。1999年の集集地震(台湾大地震)の犠牲者は約2400人にのぼり、2年前の台湾南部地震も死者が100人を超える大災害となった。

.(2/2ページ) .
今回の地震で被害が大きかった4棟は、6〜12階建てビルの低層階が押しつぶされ、全体が倒壊したり大きく傾いたりした。2年前の熊本地震でも同じように低層階が押しつぶされたマンションがあった。

また、4棟はいずれも活断層の直近に建つビルだった。日本にも上町断層がある大阪市をはじめ市街地の直下を活断層が走っている都市がある。

災害時の相互支援とともに、地震学や土木、建築の専門家レベルでも日台が緊密に連携、協力することも重要だ。地震による揺れや建物への影響、倒壊の原因などを詳しく分析し、耐震化や都市防災の取り組みに生かしたい。

今回の地震で台湾が海外の支援を受け入れたのは日本だけだ。中国が申し出た支援は「人員、物資は足りている」と辞退した。

大切なのは信頼関係である。政府レベルでも市民同士でも、支え合い、互いに向上していける日本と台湾の関係を大事にしたい。
引用終わり
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南北朝鮮対話 非核化の目標、堅持を(朝日)

2018/02/13 02:25
20180212

朝日新聞
(社説)南北朝鮮対話 非核化の目標、堅持を
2018年2月11日05時00分

北朝鮮の雪解け戦術がついに南北朝鮮サミットの呼びかけにまで達した。その対応を考えるうえで、恒久的な緊張の解消と非核化という目標を忘れてはならない。

平昌(ピョンチャン)冬季五輪に伴い韓国を訪れている北朝鮮代表団が、文在寅(ムンジェイン)大統領の早期の訪朝を呼びかけた。最高指導者である金正恩(キムジョンウン)氏からの要請として、妹の与正(ヨジョン)氏が伝えた。

文氏は即答を避けつつ、「条件を整えて実現させよう」と前向きな意向を示したという。

孤立を深める北朝鮮が融和の攻勢に出る意図は明らかだ。北朝鮮を突きはなす米国の側から韓国を引き寄せ、自らの包囲網を崩したいのだろう。

その意味で、文氏が南北関係の進展に並行して、「早期の米朝対話が必須だ」と与正氏に求めたのは適切な判断だ。今後、米国・日本と緊密に協議しつつ対応を練ってもらいたい。

北朝鮮のねらいがどうあれ、南北の指導者による直接の話しあいは本来、あるべき姿である。同じ民族同士が少しでも和解を進め、朝鮮半島の根本的な対立の構図を変えていく努力を重ねることは望ましい。

軍事挑発を続け、経済的に立ち遅れる北朝鮮に対し、韓国側の同胞意識は時の経過とともに薄れつつあるが、南北交流を深めたいとの世論は根強い。

ことしは、南北が分断して70年の節目の年でもある。歩み寄りの機運をてこに、北朝鮮に対する国際社会の懸念をしっかり伝えるべきだ。

文氏が語ったように、訪朝に向けた環境づくりは熟慮を要する。米国などとの調整に加え、国連安保理制裁の効果を損ねる行動は厳に慎まねばならない。

自らが大統領府の高官として取り組んだ07年の南北首脳会談の教訓を忘れてはならない。南北関係の進展を焦り、過度の経済支援に傾いたために、韓国国民からも反発を受けた。会談は長期的な成果を生まなかった。

さらに北朝鮮は自らを核保有国と語るようになり、状況は当時と異なる。文氏が「南北対話を米朝対話につなげる」と繰り返すのも、核・ミサイル問題の解決には結局は、米朝交渉しかないことを認めての発言だ。

国際社会による制裁を維持しつつ、なぜ非核化せねばならないのかを金正恩氏に説く。南北だけでなく、米朝と日朝の枠組みにも交渉の幅を広げていく。その努力を求めたい。

北朝鮮問題はいまや軍事的な衝突の危機に瀕(ひん)している。朝鮮半島の当事者を自認する韓国大統領が果たす役割は重大だ。

引用終わり
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南北朝鮮会談 「核」抜きの改善は」有り得ない(読売)

2018/02/13 02:23
20180211

読売新聞
社説
南北朝鮮会談 「核」抜きの改善はあり得ない
2018年02月11日 06時05分

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が、韓国を取り込もうと対話攻勢を強めたのは明白だ。


核問題で進展がないまま、国際包囲網が破れる事態を警戒せねばならない。

平昌五輪開幕に合わせて、北朝鮮高官級代表団が訪韓し、文在寅大統領と会談した。金正恩氏の妹の与正氏が、正恩氏の親書を手渡し、文氏の早期訪朝を要請した。親書には、南北関係改善の意思が込められているという。

与正氏は正恩氏の特使として、金永南最高人民会議常任委員長を団長とする代表団に加わった。金日成主席から3代続く最高指導者の直系親族の訪韓は初めてだ。

文氏は、代表団の訪韓が、朝鮮半島の緊張緩和と平和の定着、南北関係改善に向けた契機になったと強調した。

南北首脳会談についても、「環境を整えて実現させよう」と述べ、前向きの姿勢を示した。

看過できないのは、北朝鮮側に直接、核開発の放棄を求めなかったことだ。「南北関係の発展のためにも、北朝鮮と米国が早期に対話することが必要だ」と述べるにとどまった。

北朝鮮の核問題は、韓国の安全保障にも直結する。米朝対話に委ねるのではなく、自らが非核化を迫らねばならないことを、文氏は認識すべきである。

平昌で開かれた夕食会には各国の首脳らが集まった。

安倍首相は金永南氏に、日本人拉致問題の解決と核・ミサイル開発の放棄を要求した。

文氏は夕食会での米朝接触を仕掛けたが、ペンス米副大統領は拒否した。南北の融和ムードに流されず、北朝鮮に対する強硬姿勢を貫くという意思の表れだろう。

日米両国と韓国の温度差は明らかだ。北朝鮮は、最も切り崩しやすい韓国に狙いを定めて、3か国の離間を図る。文氏はまんまとはまっているのではないか。

北朝鮮が「微笑外交」を進める背景には、経済制裁の効果が上がり始めていることがある。圧力の継続が北朝鮮の行動を変えさせることを忘れてはなるまい。

今後の朝鮮半島情勢を左右するのは、延期中の米韓合同軍事演習の扱いだ。米国は、五輪・パラリンピック後の4月に実施すると明言している。中止を執拗しつように求める北朝鮮が、韓国をさらに揺さぶってくるのは間違いない。

演習は、北朝鮮の軍事挑発を牽制けんせいし、有事即応態勢を維持、強化する狙いがある。文氏は米韓同盟の堅持に努めるべきだ。

2018年02月11日 06時05分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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日韓首脳会談

2018/02/13 02:22
20180211

読売新聞
社説
日韓首脳会談 未来志向の関係構築の一歩に
2018年02月10日 06時00分

慰安婦や北朝鮮問題について、日本政府の立場を繰り返し伝える意義は大きい。原則を揺るがさないことが、建設的な日韓関係への一歩だ。


安倍首相が平昌五輪の開幕に合わせて訪韓し、文在寅大統領と会談した。両氏の会談は昨年9月以来となる。文政権は1月、日韓慰安婦合意を「真の問題解決にならない」と批判し、事実上の追加措置を求めている。

首相は会談で、「合意は国と国との約束であり、政権が代わっても順守すべきだ」と述べ、文政権の一連の対応は受け入れられないとの考えを示した。

文氏は「問題を真に解決するためには、被害者の名誉と尊厳を回復できるように両政府が努力していくべきだ」と語った。

合意は、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。文政権が問題を蒸し返すのは、信義に著しく反する。

日韓合意には、慰安婦を象徴するソウルの少女像の適切な解決に向け、韓国政府が「努力」することも盛り込まれている。文政権は像の撤去に取り組むべきだ。

両氏は「未来志向」の関係構築で一致した。首相の訪韓には日本国内で慎重論が強かった。首相が関係改善を優先し、リスクを冒して訪韓した意味を、文氏は重く受け止めるべきだ。

文政権は、国内の求心力維持のために慰安婦問題を利用してきた。北朝鮮と「反日」で足並みをそろえる可能性もある。歴史問題で日本政府は、韓国に原則を崩させないことが肝要である。

会談では、2015年以来行われていない日中韓首脳会談の早期開催を目指すことで合意した。

中国を含め、定期的に首脳が往来し合うシャトル外交を展開し、経済・文化交流など多角的に関係を深化させていく必要がある。

北朝鮮に対しては、核・ミサイル開発を放棄させるため、圧力を最大限まで高めていく方針を改めて確認した。

首相は会談で「日米韓3か国の強固な協力関係が揺らぐことはない。そのことを北朝鮮は認識しなければならない」と述べた。文氏に対し、「対話のための対話では意味がない」とも伝え、融和に傾くことをけん制した。

北朝鮮は、南北対話や五輪を舞台に韓国に接近し、日米と離間させようとしている。微笑外交の裏で、核・ミサイル開発を続けているのは明らかだ。

北朝鮮の政策転換を促す経済制裁を続けねばならない。

2018年02月10日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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憲法70年 自民の抱えるジレンマ(朝日)

2018/02/13 02:20
20180209

朝日新聞
(社説)憲法70年 自民の抱えるジレンマ
2018年2月9日05時00分

自民党の憲法改正推進本部が9条改憲に向けた条文案の作成作業に入った。

戦力不保持と交戦権の否認をうたう2項を維持し、自衛隊を明記する安倍首相の案を軸に検討する方針だ。

一方、党内では石破茂・元防衛相らが2項を削除する案を主張している。

驚かされるのは、案を提起した首相自身の国会答弁の不可解さだ。

自衛隊明記案が国民投票で否決されたら、どうなるか。首相はその場合も自衛隊の合憲性は「変わらない」と語った。

自衛隊を明記しても、しなくても自衛隊は合憲である――。

素朴な疑問がわく。それならなぜ、わざわざ改憲をめざす必要があるのか。

首相自身が言うように、歴代内閣は一貫して自衛隊を合憲としてきたし、国民の多くもそう考えてきた。

それでも発議に突き進むなら、深刻な問題を引き起こしかねない。

改正案の書きぶりにもよるが、仮に自衛隊明記案が国民投票で否決されれば、主権者・国民に自衛隊の現状が否定されたことにならないか。

首相は「現行の2項の規定を残したうえで、自衛隊の存在を明記することで、自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない」とも述べている。

「変わらない」ことを、なぜここまで強調するのか。

推進本部特別顧問の高村正彦副総裁が、BS番組であけすけに述べている。

「2項削除は無理だ。国民投票がもたない。その前に公明党が賛成しない」

改憲の国会発議には、9条改憲に慎重な公明党の協力が必要だ。国民投票で過半数の賛成も得なければならない。

だからこそ、2項削除案に比べ、首相案は無難だと言いたいのだろう。

高村氏は一方でこうも語っている。「安倍さんが言っていることは正しい。石破さんが言っていることも間違いではない。この二つは矛盾しない」

だが、両者が矛盾しないはずがない。まず首相案で一歩踏み出し、いずれは2項を削除して各国並みの軍隊をめざす方向に進むということなのか。

「変わらない」と言い続ければ、改憲の必要性は見えにくくなる。といって改憲の意義を明確にしようとすれば、どう「変わる」のかを国民に説明しなければならない。

自民党の改憲論議は、深いジレンマに陥っている。
引用終わり
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私見
自民党が憲法改正を党是として以来その姿勢は一貫している。唯、数多いる国会議員の中に、改憲消極派がいるのも又事実である。

だがこの議員達も「自衛隊が存在する根拠規定は憲法に有りますか」と問われれば沈黙するしかない。

彼らの多くが自衛隊合憲説を認めているのは、九条の解釈を、九条は国家の自然権である自衛権を否定したものとは考えられず、従って必要最小限度の実力組織は保持は禁止されていない。したもので明文規定があるわけではない。

九条一項や二項を残そうとするのは偽善・欺瞞だ。

日本国民は正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


国家が戦争や武力行使を放棄して、いかにして主権を保持するのか?

九条を改正するなら
国は国軍を保持する。
国軍の最高指揮権は内閣総理大臣に属する。
国軍の編制その他に付いては法で定める。
だけで良い。
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陸自ヘリ墜落 整備体制の見直しが急務だ(読売)

2018/02/13 00:12
20180207

読売新聞
社説
陸自ヘリ墜落 整備態勢の見直しが急務だ
2018年02月07日 06時00分

自衛隊に対する国民の信頼を損ないかねない極めて深刻な事故だ。徹底した原因究明と再発防止が欠かせない。


佐賀県神埼市の民家に陸上自衛隊の攻撃ヘリコプター「AH64D」が墜落し、搭乗していた隊員2人が死亡した。民家は全焼し、小学5年生の女子が右膝などに軽い打撲を負った。

安倍首相は「誠に遺憾だ。最高指揮官として心よりおわび申し上げる」と陳謝した。

現場付近には小学校があり、大惨事につながりかねなかった。住民には不安が広がっている。首相が小野寺防衛相に、すべての自衛隊ヘリの整備・点検を徹底し、同型機の飛行を当面停止するよう指示したのは当然である。

事故機は、50飛行時間ごとに行う定期整備を済ませ、点検飛行中だった。エンジンの動力を回転翼に伝える部品も交換した。

離陸後10分足らずで墜落している。飛行中に複数の部品が落下しており、機体にトラブルが生じた可能性が指摘されている。

陸自と佐賀県警は、業務上過失致死と航空危険行為処罰法違反の疑いで捜査を始めた。

通例なら住宅地への墜落を回避するはずの自衛隊機が、なぜできなかったのか。装備のハイテク化が進む中、整備に対応できる人材育成と適切な配置が行われていたのか。予算配分に支障はなかったのか。多角的な検証が重要だ。

安全確保に万全を期すため、防衛省全体で運用と整備態勢を抜本的に見直すことが急務である。

最近、自衛隊機の事故が各地で相次いでいる。昨年だけでも、航空自衛隊ヘリの静岡県浜松市沖での墜落など、死亡事故が3件発生した。原因として、操縦ミスが増えているとされる。

沖縄県では、米軍機のトラブルも後を絶たない。

北朝鮮の弾道ミサイル発射や、中国軍の活動活発化により、日本の安全保障環境は厳しい。自衛隊と在日米軍の警戒監視活動が増え、訓練も高度化していることが事故多発の背景にある。

事故やトラブルの最小化を図る取り組みも求められよう。

懸念されるのは、陸自の輸送機オスプレイを佐賀空港に配備する計画への影響だ。佐賀県議会は既に容認を決議したが、空港周辺の漁業者らが反発し、山口祥義知事は態度を明らかにしていない。

防衛省は県側に対し、オスプレイの安全性と、有事や災害対応に活用する意義を丁寧に説明し、配備に理解を求める必要がある。

2018年02月07日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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産経新聞
2018.2.7 05:03更新
【主張】
陸自ヘリ墜落 原因究明し再発の防止を

(1/2ページ)【陸自ヘリ墜落】 .
あってはならない事故が起きた。原因の究明を急ぎ、再発防止を徹底しなくてはならない。

陸上自衛隊西部方面航空隊所属のAH64D戦闘ヘリコプターが佐賀県神埼市の民家に墜落、炎上し、11歳の女児が軽傷を負った。

隣家の祖母とともに逃げたのだという。冷静な行動が命を救った。

ヘリに搭乗していた2人の隊員は、いずれも死亡した。操縦士の遺体は、大破した機体の真下から発見された。コントロールを完全に失った機内で、最後まで住宅を回避すべく、操縦桿(かん)を握り続けたものと推察する。2人のご冥福を祈りたい。

ヘリは定期点検を終え、試験飛行のため目達原駐屯地を離陸し、7分後に墜落した。飛行前に、4枚の羽根をつなぐメインローター(主回転翼)ヘッドを交換していた。ヘリは飛行中にメインローターが分離し、ほぼ垂直に落下したとみられる。

通常、自衛隊員は事故の際、身をていして民間人の巻き添えを防ぐ。だがメインローターが分離する事故は極めて異例で、浮力、推進力を失った機体を制御することは不可能だったろう。

陸自や県警は、業務上過失致死と航空危険行為処罰法違反の容疑で現場検証を進めている。ヘリはフライトレコーダー(飛行記録装置)を搭載しており、解析を急ぐとともに、部品や整備、点検に不備がなかったか、徹底的に調べる必要がある。

(2/2ページ)【陸自ヘリ墜落】 .
沖縄では昨年12月、米海兵隊ヘリの窓が小学校の校庭に落下する事故があった。年明け以降もヘリの不時着が相次いでいる。米側に「厳格な安全確保」を要請したばかりの事故だった。

自衛隊でも昨年、陸自の連絡偵察機や海自ヘリ、空自ヘリの墜落事故があった。いずれも機種や事故原因が異なり、軽々に並べて論じることはできないが、住民が不安に思うのは当然である。

安倍晋三首相は衆院予算委員会で「住民の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたことは誠に遺憾だ。徹底した原因究明と再発防止に全力を挙げていく」と述べた。その答えを、早急に明示する必要がある。

国防を担い、国民の安全を守る自衛隊の存在は、国民や地域の信頼や理解の上に成り立っていることを忘れてはならない。
引用終わり
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朝日新聞
(社説)陸自ヘリ墜落 現場のひずみにも目を
2018年2月7日05時00分

自衛隊員の命を奪い、民間人をも巻き込む重大事故が起きてしまった。徹底した原因究明が欠かせない。

佐賀県神埼(かんざき)市で、陸上自衛隊の戦闘ヘリコプターが墜落し乗員が死亡。住宅2棟が焼け、女児が軽傷を負った。

現場は、事故機が所属する目達原(めたばる)駐屯地の南西約5キロで、田畑に囲まれた住宅地の一角だ。近くには小学校もあり、住民の不安が高まっている。

原因究明の焦点は、事故直前の整備状況だろう。

防衛省によると、事故機は飛行50時間ごとに行う定期整備後の試験飛行中だった。整備とあわせ、1750時間ごとのメインローター(主回転翼)関連の部品交換も実施していた。

なぜ整備直後に墜落したのかが大きなポイントだ。

部品自体の問題か、整備や部品交換の作業上の問題か。機体のハイテク化が進むなか、整備士の熟練度は十分だったのか。事故との関連について詳細な解明と分析が求められる。

より広く事故の背景に目を向けることも不可欠だ。

とりわけ懸念されるのは、陸海空の自衛隊機の死亡墜落事故が、今年度これで4件目と頻発していることだ。一連の事故の背景に、構造的な問題が潜んでいる可能性は否定できない。

それを見極めるには、自衛隊の現場で何が起きているのか、自らの足元を見詰め直すことから始めなければならない。

近年、自衛隊の任務が大きく広がり、一人ひとりの隊員にかかる負荷が増えている。そのことが日常の活動にどんな影響を与えているか。

政治主導で米国製の最新鋭兵器の購入費が膨らんでいることも見逃せない。限りある防衛費のなかで、兵器の維持費や修理費にしわ寄せが及んでいるとの指摘がある。

沖縄県で相次ぐ米軍機の事故やトラブルも、北朝鮮などに対する警戒任務の増加や、米国防予算の削減が背景にあると言われている。自衛隊も似たような構造を抱えていないか。

陸自は今春、長崎県の相浦(あいのうら)駐屯地に離島防衛の専門部隊を発足させる。部隊輸送のため、防衛省はオスプレイを佐賀空港に配備する方針だが、地元との調整は難航している。

自衛隊の活動は住民の理解と信頼がなければ成り立たない。

防衛省は実効性ある再発防止策をつくり、国民が納得できるかたちで公表する責任がある。

そのためにも、一線の現場の課題を洗い出し、ひずみに目を向ける必要がある。
引用終わり
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毎日新聞
社説
陸自ヘリが民家に墜落 整備体制の総点検を急げ
毎日新聞2018年2月7日 東京朝刊

陸上自衛隊の戦闘ヘリコプターが佐賀県神埼市の民家に墜落する事故が起きた。


民家2棟などが焼け、少女1人が軽傷を負った。乗員1人が死亡し、機長の遺体が発見された。

機体の破片が散乱し、激しい黒煙と炎が上がった。事故の衝撃と恐怖に周辺住民は震えた。

周囲は田園地帯だが、墜落場所は住宅が密集し、近くには小学校や幼稚園もある。一歩間違えれば被害が広がっていてもおかしくなかった。

事故を起こしたヘリは対戦車ミサイルを搭載できるAH64D。定期整備を終え、点検飛行中だった。

自衛隊機が民家に墜落した事故は1969年に金沢市で起きた例があるが、極めて異例だ。

通常、機体にトラブルが発生するなど異常を感知した場合、基地に引き返したり、安全な場所を探したりして着陸しようとする。

しかし、防衛省や目撃者によると、事故機は急降下するように機首から落ちていったとされる。民家を避けようとする余裕もなく墜落した可能性が大きい。

操縦していた機長はベテランで、操縦ミスは考えにくいという。

主回転翼(メインローター)が飛行中に外れて落下したとの複数の目撃談がある。飛行直前の整備で4枚の主回転翼をつなぐ接続部品を交換したばかりだった。

整備ミスが原因だった疑いもあるという。同型機は13機しかなく、接続部品の交換もまだ3機目だった。

事故機の整備体制を検証することが不可欠だ。さらに全自衛隊機の装備状況の点検も急ぐべきだ。

懸念されるのは近年の自衛隊機による死亡事故の多さだ。2015、16年は各1件、昨年は3件あった。

多くのケースは操縦ミスが原因だった。事故抑止に向けて自衛隊全体の取り組みが求められる。

防衛省は、事故が起きた佐賀県の佐賀空港に新型輸送機オスプレイを配備する予定だ。反対論が強まるなどの影響は避けられないだろう。

首相は「国民の命と平和な暮らしを守るべき自衛隊が住民の方々の安全を脅かし、多大な被害を生じさせたことは誠に遺憾だ」と述べた。

信頼回復には徹底した再発防止策の公表も必要だ。
引用終わり
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名護市長選

2018/02/13 00:11
20180206

読売新聞
社説
名護市長選 「普天間」の危険性除去を急げ
2018年02月06日 06時01分

地元の要望に最大限配慮しつつ、政府は、米軍普天間飛行場の辺野古移設を着実に進めていくことが大切である。


沖縄県名護市長選で、移設を容認する自民党が擁立した前市議の渡具知武豊氏が、移設に反対する翁長雄志知事の全面支援を受けた現職の稲嶺進氏を破って初当選した。

安倍首相は選挙結果を受けて、辺野古移設について「市民の理解を得ながら進めていきたい」と記者団に語った。

人口密集地にある普天間飛行場の辺野古移設は、危険性除去と、米軍の抑止力維持を両立させる唯一の現実的な解決策だ。円滑な移設の実現に向けて、作業を加速せねばならない。

前回自主投票の公明党も今回は渡具知氏を推薦した。政府・与党は閣僚や党幹部を連日投入するなど、総力戦を展開し、稲嶺氏に約3500票の差をつけた。

渡具知氏は選挙戦で、移設受け入れの是非に言及せず、地域活性化を前面に打ち出した。稲嶺市政は米軍再編交付金の受け取りを拒むなどしたため、地域経済は停滞している。渡具知氏は現状打開を望む民意の受け皿となった。

名護市長選は1998年以降、移設容認派が3連勝した。2009年に誕生した民主党の鳩山政権が無責任に「県外移設」を掲げたため、保守層内の対立を招き、翌年の稲嶺氏当選につながった。

移設問題を巡る混乱に終止符を打つきっかけとしたい。

政府は、埋め立て区域を囲む護岸工事を本格化している。今夏にも土砂の投入に着手する方針だ。22年度以降の完成を目指す。

関係自治体や住民に対し、移設の意義や作業の手順などを丁寧に説明するとともに、騒音・環境対策にも万全を期すべきだ。

沖縄では米軍機のトラブルが続発しており、飛行場付近の小学校に米軍機の部品が落下した。

北朝鮮情勢の緊迫化に対処した訓練の激化が背景にあるとはいえ、地域住民の安全確保は最優先事項だ。政府は米政府に対し、再発防止の徹底を繰り返し求めていくことが必要である。

翁長氏は、今回の選挙結果に関して「理解を得られず、大変残念だ」と記者団に述べるにとどめた。移設反対で徹底抗戦する構えをなお崩していない。

翁長氏は、稲嶺氏が市長だったことで「民意は移設反対」と決めつけ、政府との対決姿勢のよりどころとしてきた。秋の知事選の行方にも影響しよう。

2018年02月06日 06時01分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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産経新聞
2018.2.6 05:03更新
【主張】
名護市長選 辺野古移設を前進させよ

(1/2ページ)【名護市長選】 .

沖縄県名護市長選で、米軍普天間飛行場の同市辺野古への移設を進める安倍晋三政権が支援した新人の渡具知(とぐち)武豊氏が、移設反対の現職を破って初当選した。

移設の進捗(しんちょく)を妨げてきた環境が、大きく改善されることが期待される。政府は適正な手続きの下で、移設工事を着実に進めるべきだ。

辺野古移設は曲折をたどってきたが、沖縄を含む日本とアジア太平洋地域の平和を保ち、普天間飛行場周辺に暮らす住民の安全を図る方策である。

中国は、沖縄の島である尖閣諸島を狙っている。原子力潜水艦を尖閣沖の接続水域で潜航させて挑発するなど油断ならない。核・弾道ミサイルを振りかざす北朝鮮は現実の脅威である。

日米同盟に基づき沖縄に存在する米軍が、軍事的にも政治的にも強力な抑止力となっていることを忘れてはならない。住宅密集地に囲まれた、普天間飛行場の危険性を除くことも急務である。

昨年12月には、普天間飛行場に隣接する小学校の校庭に米海兵隊のヘリコプターが窓を落とす事故があった。その後も、基地外への米軍ヘリの不時着が相次ぎ、政府が再発防止の徹底を求める事態となっている。

米軍が運用の改善を図るのは当然として、早期の辺野古移設が必要なのは明らかである。

(2/2ページ)【名護市長選】 .
安倍首相が市長選の結果を受け「市民の理解を得ながら、最高裁判決に従って(移設を)進めていきたい」と語ったのは妥当だ。

選挙の前、米軍ヘリ不時着をめぐる失言で内閣府副大臣だった松本文明氏が引責辞任した。県民、市民の理解を得ていくため、失態を繰り返してはならない。

国と県は、平成28年3月の和解で、辺野古移設について「(確定判決の)趣旨に従って誠実に対応する」と合意した。同年12月には、翁長雄志知事が沿岸部の埋め立て承認を取り消したことをめぐる訴訟の上告審判決で、最高裁が国側の全面勝訴を言い渡した。

県は昨年7月に移設工事差し止めを求めて提訴し、和解と最高裁判決をないがしろにしている。

市長は河川の流路変更など移設工事関連の権限を持つ。落選した稲嶺進氏は工事を阻止する構えだった。渡具知氏は安全保障政策に責任を持つ国と協調し、職責を果たしてほしい。
引用終わり
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日経新聞
社説
普天間移設で理解得る努力を
社説 2018/2/6付

沖縄県名護市長選が4日に投開票され、自民、公明、維新が推薦した渡具知武豊氏が初当選した。政府は今回の勝利を踏まえ、米軍普天間基地(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事を急ぎたい考えだ。とはいえ新たな基地への反対が根強い状況は変わらず、県民に丁寧に説明して理解を得ていく努力が重要になる。

市長選は地域活性化や基地問題が争点となった。渡具知氏は政府・与党幹部の応援を受け、現職で移設反対派の稲嶺進氏との一騎打ちを制した。事実上の移設容認派の市長誕生は8年ぶりとなる。

安倍晋三首相は5日、名護市長選について「現職を破るのは難しいと思っていたが勝ってよかった。県民の気持ちに寄り添いながら、さらなる沖縄の発展を全力で支援していく」と語った。

普天間移設をめぐる政府と沖縄県の調整は20年を超えた。市街地にあり「世界一危険」といわれる飛行場の閉鎖は先送りできない課題だ。日米両政府は「辺野古移設が唯一の解決策だ」と強調してきた。日本周辺の厳しい安全保障の現状を直視すれば、望ましい選択肢であるのは事実だろう。

一方で政府は「国土面積のわずか0.6%の沖縄になぜ日本にある米軍専用施設の約7割が集中しているのか」という地元の声に長く向き合ってこなかった。これが政府と沖縄の相互不信がここまで高まる原因となっている。

沖縄県では米軍関係者による暴行事件が後を絶たず、米軍機の墜落事故なども相次いだ。辺野古への移設で市街地での事故の危険性や騒音被害は確かに大きく減る。だが沖縄が担っている重い基地負担を全国でどう分かち合うかという議論は進んでいない。

今年11月には沖縄県知事選が予定される。名護市長選で与党が推す候補が勝ったからといって、工事をごり押しするような姿勢は次のあつれきを生むだけだ。「県民の気持ちに寄り添う」という首相の言葉を実行し、着実に移設につなげていく必要がある。
引用終わり
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朝日新聞
(社説)名護市長選 民意は一様ではない
2018年2月6日05時00分

米軍普天間飛行場の移設先、沖縄県名護市の市長選で、安倍政権の全面支援を受けた新顔が、移設反対を訴えた現職を破り初当選した。

たび重なる選挙で示された民意を背景に、辺野古移設阻止を訴えてきた翁長県政の痛手は大きい。ただ、政権側が「これで移設が容認された」と考えるなら、単純すぎる。

選挙結果は辺野古容認の民意と思いますか。当選した渡具知(とぐち)武豊氏はそう問われると、「思わない」と答え、「市民の複雑な意見は承知している」「国とも一定の距離は置かないといけない」と続けた。

今回、組織選挙で同氏を支えた公明党県本部は「辺野古移設反対」を掲げる。渡具知氏との政策協定では「米海兵隊の県外・国外移転」をうたった。ならば、海兵隊が使う辺野古の基地は必要なくなるはずである。

今後、この公約を果たすべくどう行動していくか。渡具知氏とともに公明党も問われる。

渡具知氏は選挙中、移設問題について「国と県の裁判を見守る」としか語っていない。代わりに強調したのは経済振興であり、政権側も交付金をちらつかせて後押しした。

朝日新聞などが告示直後に行った世論調査は、市民の揺れる心情を浮かび上がらせた。

辺野古移設に反対が63%で、賛成の20%を大きく上回った。一方で、投票先を決めるとき何を最も重視するかを聞くと、移設問題が41%、地域振興策が39%でほぼ並んだ。

「基地より経済」ではなく、「基地も経済も」――。市民の思いは一様ではない。

選挙戦さなかの国会で、首相の気になる発言があった。

沖縄の基地負担軽減に関連して、「移設先となる本土の理解が得られない」と衆院予算委員会で述べたのだ。

本土ではしないのに、沖縄では県民の理解が得られなくても新たな基地を造るのか。それこそ差別ではないのか。

首相はまた、ことあるごとに「最高裁の判決に従って(工事を)進めていきたい」と語る。

だが最高裁判決はあくまで、前知事による埋め立て承認を、翁長知事が取り消した処分を違法と判断したものだ。最高裁が辺野古移設を推進していると受け止められるような物言いは、明らかなミスリードだ。

辺野古移設の浮上から6度目の市長選だ。本来は身近な自治のかじ取り役をえらぶ選挙で、基地移転という国策をめぐって民意が引き裂かれる。その重荷を取り除く責任は政権にある。
引用終わり
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毎日新聞
社説
名護市長選で自公系勝利 対立をどうやわらげるか
毎日新聞2018年2月6日 東京朝刊

沖縄県の名護市長選で、米軍普天間飛行場の辺野古移設を進める政府と自民、公明両党などが支援した元市議の渡具知(とぐち)武豊氏が初当選した。


翁長雄志(おながたけし)知事ら辺野古移設に反対する「オール沖縄」が推した現職の稲嶺進氏は3選を果たせなかった。

12月の任期満了に伴う知事選の前哨戦として注目された選挙である。移設反対勢力の支柱を失った翁長知事にとっては大きな打撃となろう。

1996年の普天間返還合意後、名護市は選挙のたびに移設容認か反対かをめぐって分断を深めてきた。

98年から3回は容認派、2010年からは2回反対派が勝ち、今回は再び容認派が推す候補の勝利だ。

この20年、有権者5万人弱の市で繰り返し移設の賛否を問われる住民に嫌気が広がり「辺野古疲れ」が生まれたとしても不思議ではない。

しかも今回は辺野古の護岸工事が始まって初の選挙だった。移設に反対でも「工事を止められないのでは」と考える有権者もいただろう。

政府は3年前から辺野古周辺地区に特別な補助金を出してきた。容認派を増やすための力ずくの手法が分断を助長したことも否定できない。

 「移設容認の民意が示されたとは思っていない。私の支持者にも反対の人がいて複雑な民意だ」。渡具知氏はこう語った。

正直な心情ではないか。選挙中、移設の賛否を明言しなかった渡具知氏の当選が、直ちに移設容認とはならないはずだ。

新市長がまず取り組むべきは、長年、市民を切り裂いてきた分断を修復する作業だ。市民の対立をどうやわらげるかに心を砕いてほしい。

太平洋戦争で激戦地となった沖縄は、終戦後も27年にわたり米軍の統治下にあった。この間、本土の米軍基地は返還されていったが、沖縄は取り残された。この基地負担の偏在が米軍基地問題の根っこにある。

米軍のヘリコプターの不時着が相次ぎ、ヘリの窓が小学校の校庭に落下した。安倍晋三首相は「沖縄県民の気持ちに寄り添う」と言う。

その首相はきのう「名護市民の皆様に感謝したい」と述べた。市民を賛成か反対かの二分法でしかとらえようとしない発想が透けて見える。

安倍政権は移設推進が「信任」されたと宣伝する姿勢は慎むべきだ。
引用終わり
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茂木経済再生相の線香寄付は違法か

2018/02/13 00:10
20180203

毎日新聞
社説
茂木経済再生相の線香配布 今の説明では無理がある
毎日新聞2018年2月3日 東京朝刊

この説明で納得する人は、ほとんどいないだろう。

茂木敏充経済再生担当相(衆院栃木5区)の秘書が、選挙区内で線香や手帳を配っていた問題だ。

茂木氏は国会の答弁で、数年間、秘書が配っていた点は認めたものの、自ら指示はしていないと強調した。線香や手帳には自分の氏名は記載しておらず、政党支部の党勢拡大を目指した活動だとも説明した。

公職選挙法では候補者らが有権者に金銭や物品を寄付することを禁じている。政党支部の場合でも、候補者名が記されていたり、名前が類推されたりするような方法で寄付するのは禁止されている。もちろん、それが買収行為につながるからだ。

茂木氏は氏名は記しておらず、秘書は政党支部の活動として配布したのだから違法ではないというのだろう。公選法を所管している野田聖子総務相も「直ちに氏名が類推される方法とは言えない」との見解を示している。

ただし線香などを受け取った有権者は茂木氏からだと類推しなかっただろうか。

野党側が秘書は配布する際、茂木氏の名刺を持参していたかどうかを質問すると、茂木氏は「その場に居合わせておらず分からない」とかわすだけで、国民の理解を得ようという姿勢には見えない。

衆院予算委員会では安倍晋三首相が答弁している最中に、茂木氏と野田氏が閣僚席でしばらく談笑するような場面もあった。答弁のすり合わせとも受け取られかねず、不謹慎だ。与党内からも批判が出た。

1999年、自民党の小野寺五典氏(現防衛相)が氏名入りの線香を配り、公選法違反で書類送検され、翌年、議員を辞職する一方、公民権停止3年の略式命令を受けた。今回、無記名だったのは、その経過を知っていたからだと思われる。

だが「類推」とは何か、言葉自体があいまいで、そもそも有権者からすれば、政治家本人と秘書、政党支部を使い分けることに無理があると言うべきだ。

いまだにこうした脱法的とさえ言える行為が続いていることに改めて驚く。一切の例外規定を設けず、すべての寄付行為を禁止する法改正をすべきだろう。
引用終わり
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朝日新聞
(社説)茂木氏と線香 政治倫理はいずこへ
2018年2月2日05時00分

茂木敏充経済再生相(衆院栃木5区)の秘書が、選挙区で線香や手帳を配布していた。違法な寄付に当たるのでは、と野党が国会で連日追及している。

買収行為を防ぐため、公職選挙法は公職の候補者や関係団体などが、有権者に金銭や物品を寄付する行為を禁じている。

ただ政党支部については例外として、候補者の氏名を表示したり、氏名を類推されたりしなければ禁じられていない。

茂木氏の言い分はこうだ。

線香や手帳に私の氏名は記していない。政党支部の党勢拡大のための活動であり、配布したのは政党職員である秘書で、私自身は配っていない。だから公選法にのっとった活動であり、違法性はない――。

だが、秘書から線香などをもらった人は「茂木氏から」と受けとめるのが普通ではないか。

茂木氏は国会で、線香や手帳は資金管理団体で購入し、政党支部に寄付して配ったと説明した。実質的に、寄付が禁じられている関係団体からだったということではないのか。

「われわれは、国民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、……清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない」

85年に衆院で議決された政治倫理綱領の一節である。

ただちに法に触れないとしても、法の趣旨に従う。国会議員として、まして閣僚として順守すべき当然の責任ではないか。

小野寺五典防衛相には、苦い経験がある。当選1回だった99年、氏名入りの線香を選挙区で秘書らと配って書類送検され、翌年、議員を辞職。公民権停止3年の略式命令を受けた。

線香に氏名を記したか否か。政治家本人が配ったどうか。それらを除けば茂木氏のケースとよく似ている。本来なら政党支部についても、選挙区での寄付をすべて禁じるのが筋ではないか。法の不備があるなら正すのが国会の役割である。

疑問なのは、公選法を所管する野田聖子総務相の答弁だ。

茂木氏の場合の違法性については「総務省は個別の事案について実質的調査権を有していない」としながら、秘書が氏名の表示のない政党支部からの寄付を持参することは「ただちに氏名が類推される方法とはいえない」との見解を示した。

これでは秘書が政党支部からとして持って行けば、氏名を書かなければ、どんな寄付でもOKとなりはしないか。

それでいいのか。国会でのさらなる議論が欠かせない。
引用終わり
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私見
毎日も朝日も茂木氏が政府の一員だから取り上げたのか?政党支部からの寄付行為は茂木氏にとどまらず与野党一般に行われていることだ。

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《参考》
産経ニュース
2018.2.5 11:21更新

【衆院予算委】
「与野党かかわらず説明責任を」線香配布問題で安倍晋三首相 立民の線香代牽制

安倍晋三首相は5日午前の衆院予算委員会で、茂木敏充経済再生担当相の線香配布問題について「政治家は襟を正し、与党、野党にかかわらず疑問を持たれれば説明責任を果たしていくこと(が重要)だ」と述べた。

立憲民主党の青柳陽一郎氏の質問に答えた。同党でも近藤昭一副代表らの線香代支出が判明しており、野党を牽制したとみられる。

青柳氏は首相の答弁に対し「『与党、野党』というが、法を執行する立場の閣僚はわれわれ一般の議員よりも一層の法令順守が求められる」と語った。
引用終わり
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「安保法」訴訟 唖然とする国の主張(朝日)

2018/02/05 13:12
20180203

朝日新聞
(社説)「安保法」訴訟 あぜんとする国の主張
2018年2月3日05時00分

安全保障関連法をめぐる訴訟で、国が驚くような主張をして裁判所に退けられた。安保・防衛論議の土台にかかわる問題である。国民に対する真摯(しんし)で丁寧な説明が必要だ。

舞台になったのは、安保法の成立をうけて現職の陸上自衛官が起こした裁判だ。自衛官は、集団的自衛権の行使は違憲との立場から、法が定める「存立危機事態」になっても、防衛出動の命令に従う義務がないことの確認を求めていた。

一審の東京地裁は「出動命令が出る具体的な可能性はない」などと述べ、踏みこんだ審理をしないまま訴えを却下したが、東京高裁はこれを否定。「命令に反すれば重い処分や刑事罰を受ける可能性がある」として、自衛官が裁判で争う利益を認め、審理を差し戻した。

あぜんとするのは、裁判で国が、存立危機事態の発生は想定できないとの立場を終始とり続けたことだ。安倍首相が北朝鮮情勢を「国難」と位置づけ、衆院選を戦った後の昨年11月の段階でも「国際情勢に鑑みても具体的に想定しうる状況にない」「(北朝鮮との衝突は)抽象的な仮定に過ぎない」と述べた。

説得力を欠くこと甚だしい。ならばなぜ、長年の憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認し、強引な国会運営で安保法を成立させたのか。

広範な疑問の声を抑えこみ、「国民の平和と安全なくらしを守り抜くため不可欠だ」と法の成立を急いだのは安倍内閣だ。ところが裁判になると、自らに有利になるよう「存立危機事態は想定できない」と主張する。ご都合主義が過ぎる。

高裁が、国の言い分を「安保法の成立に照らし、採用できない」と一蹴したのは当然だ。

どんな場合が存立危機事態にあたり、集団的自衛権の行使が許されるのか。安保法案の国会審議を通じて、安倍内閣は納得できる具体例を示さなかった。

首相が当初、象徴的な事例としてあげたホルムズ海峡の機雷除去も、審議の終盤には「現実問題として具体的に想定していない」と発言を一変させた。

一方で小野寺防衛相は昨年夏、米グアムが北朝鮮のミサイル攻撃を受ければ日本の存立危機事態にあたりうると、国会で前のめりの答弁をした。

裁判での国の主張とは相いれない。ただ共通するのは、存立危機自体の認定が、時の政府の恣意(しい)的な判断に委ねられている現状の危うさである。

判決を機に、安保法がはらむこの本質的な問題を改めて問い直す議論を、国会に望む。
引用終わり
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私見
************* 社説の気になる部分 **************
あぜんとするのは、裁判で国が、存立危機事態の発生は想定できないとの立場を終始とり続けたことだ。安倍首相が北朝鮮情勢を「国難」と位置づけ、衆院選を戦った後の昨年11月の段階でも「国際情勢に鑑みても具体的に想定しうる状況にない」「(北朝鮮との衝突は)抽象的な仮定に過ぎない」と述べた。

説得力を欠くこと甚だしい。ならばなぜ、長年の憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認し、強引な国会運営で安保法を成立させたのか。
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安倍首相の発言は、裁判に対応するものではないから脇に置いといて、裁判所での陳述が事実ならこの担当者は、国民をなめ切っている。

想定できな事項に対して、法を制定することなど有り得ない。安保法制にどんな裏事情があるにせよ法制化するのであれば、それなりの論理構成が必要になる。

また、他紙が論評しないのも気になる所である。

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「何人死んだ」 沖縄めぐる政治の劣化(朝日)

2018/02/04 09:43
20180130

朝日新聞
(社説)「何人死んだ」 沖縄めぐる政治の劣化
2018年1月30日05時00分

松本文明衆院議員が内閣府副大臣を事実上更迭された。

沖縄で相次ぐ米軍機のトラブルを追及した共産党の志位和夫委員長の代表質問に対し、議場から「それで何人死んだんだ」と、ヤジを飛ばしたのだ。

発言が問題になると、「誤解を招いた」とおなじみの言い訳である。誤解の余地など寸分もない、政治家としての資質を欠く暴言だ。しかも、松本氏は沖縄担当の副大臣を務めたこともあるというのだから、あきれるほかはない。

安倍首相はきのうの衆院予算委員会で「沖縄の方々の気持ちに寄り添いながら、基地負担の軽減に全力を尽くす」と陳謝した。だがその言葉とは裏腹に、政府は辺野古の埋め立て工事をしゃにむに進める。今回の早期更迭の背景にも、投票が迫る名護市長選への影響を抑えたいとの思惑が透けて見える。

松本氏のふるまいは、沖縄県民の思いよりも米国を重視する政府の姿勢が、乱暴な形で表面化しただけではないのか。

沖縄はその空気を感じ取っている。翁長知事がヤジを「びっくりするようなものではない」と突き放し、普天間飛行場をかかえる宜野湾市の住民が本紙の取材に「何人死んだら動いてくれるのですか」と語っているのは、その表れといえよう。

1972年の本土復帰後だけで、沖縄での米軍機の事故は700件以上にのぼる。さすがに最近の頻発をうけて政府は米軍に飛行停止などを求めたが、あっさり無視されている。

政府与党の一員として本来進めるべきは、こうしたゆがんだ関係の是正である。だが難しい課題からは逃げ、中傷もどきのヤジを飛ばして悦に入る。歴史を知らず、学ばず、危険と隣り合わせの日常を想像する力もない政治家とは何なのか。

松本発言の翌日、野中広務氏が亡くなった。自民党の実力者として辺野古移設を進めた一人だ。一方で沖縄の苦難の歩みに心を寄せた。97年に軍用地の収用を強化する法律が成立した際、本会議場で、法律の必要性を認めつつ「沖縄県民を軍靴で踏みにじるような結果にならないように」と訴えた。ヤジと同じ不規則発言として議事録から削られたが、心ある人々の記憶に刻まれた。

多数のためなら少数者の犠牲はやむをえないのか。沖縄は本土にそう問いかけ、野中氏を含む少なからぬ自民党の政治家たちも、その声に何とか答えようと真摯(しんし)にとり組んできた。

いま、政治の著しい劣化に危機感を覚えざるを得ない。
引用終わり
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私見
内閣府は在沖縄米軍基地の存在に由来する問題に取り組んできている。それを無にするかの如き基地の存在によっての危険性を主張する共産党に松本文明内閣府副大臣は、腹に据えかねたのではないか?

だとしても「何人死んだんだ」との野次は不適切だ。

筆者は、頻発する米軍ヘリコプターの事故は、機体の老朽化と補用部品の取得が儘ならない状態でも技量維持に必要な訓練を実施しなければならないことから発生していると見ている。

それはさておき

論説は、日米安保の極東条項に触れず在沖縄米軍の存在を沖縄県だけの問題に矮小化している。そこからは中国が台湾の武力併合を目指していることなど見えない。

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佐川国税庁長官の国会招致を望む

2018/02/04 09:02
20180131

産経新聞
2018.1.31 05:01更新
【主張】
国税庁長官、説明責任から逃げるな 長官が人前で納税の意義さえ語れない異常な事態

(1/2ページ) .
政府の高官が説明を尽くさず、逃げ回っていては、昨年の国会の不毛な論戦を再現するだけだ。国政がまたも停滞する恐れがある。政府・与党はこんな簡単なことも分からないのか。

学校法人「森友学園」への国有地売却の問題をめぐり、当初はなかったとされた価格交渉記録の存在が明らかになった。

財務省理財局長当時に国会で事前の価格交渉を否定し、交渉記録は「廃棄」したと答弁していた佐川宣寿(のぶひさ)国税庁長官に改めて説明を求めるのは当然だろう。

当の佐川氏は長官昇格以来、一度も記者会見を開いていない。人前で納税の意義すら語れない異常な状態にある。野党側が国会へ出席して説明するよう求めても与党が拒んでいる。

麻生太郎副総理兼財務相は29日の衆院予算委員会で、佐川氏が昨年7月の長官就任時に、恒例の記者会見をしなかったことは「適切な対応」だったと擁護した。

麻生氏は「国税庁の所管以外に関心が集まっていたから、(会見を)実施しないと決めたと聞いている」と述べた。抱負を語る文書を配ったから構わないという。これは納得できない。

(2/2ページ) .
「森友」問題の発端は、評価額9億5600万円の国有地が、地中のごみ撤去費として約8億円値引きされたことだ。前理事長夫妻の巨額詐欺事件とは別に、国の財産処分が正当だったのかという問題が残っている。会計検査院は昨年11月、「必ずしも適切とは認められない点がある」とする検査結果を国会に報告した。

財務省は学園側とのやり取りの音声データの存在を認め、今年1月には、神戸学院大教授の情報公開請求に、詳細な交渉の経緯を記載した文書を開示した。

安倍晋三首相は24日の衆院本会議で、野党の佐川氏更迭要求を拒み、森友問題について「今後もしっかり説明しなければならない」と語った。説明責任は、首相一人にあるわけではない。昨年のような混乱を避けるためにも、佐川氏は国会や記者会見の場で説明責任を果たすべきである。避けるばかりでは問題は収束しない。

憲法が定める国民の三大義務の一つが納税だ。2月から確定申告の期間を迎える。政府・与党は、徴税をつかさどる国税庁のトップは、重要な公人である点を忘れてもらっては困る。
引用終わり
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日中外相会談 「平行線」なのに改善とは(産経)

2018/01/31 19:53
20180130

産経新聞
2018.1.30 05:03更新
【主張】
日中外相会談 「平行線」なのに改善とは

(1/2ページ) .

日本国民は最近の中国をどうみているか。

尖閣諸島や邦人拘束などの問題で、中国が横暴に振る舞っているのを憂慮する人は多い。だからこそ、日中関係は冷え込んできたのである。

関係改善には、根本原因を取り除かなければならない。ところが、訪中した河野太郎外相と相対した王毅外相ら中国側は、態度を改めるそぶりさえ見せなかった。極めて残念である。

懸案は平行線のままなのに、日中関係は改善に向かっているとする政府の説明には、首をかしげる。首脳の相互往来といった形式を整えるだけでは、真の友好に結び付かない点を考えてほしい。

外相会談では、安倍晋三首相と習近平国家主席の相互往来の推進や、朝鮮半島非核化への連携で一致した。また、李克強首相との会談では、春ごろに日本での開催を目指す日中韓首脳会談について、出席に前向きな発言を得た。

首脳同士が顔を合わせ、率直に意見をかわす機会は必要だ。だが、最近の対中外交は、その実現へ融和ムードを醸し出すことに労力を注ぎすぎていないか。

日中平和友好条約締結40年の節目となるが、最近の両国関係は「平和」や「友好」とはほど遠い。外相会談では東シナ海を「平和・協力・友好の海」にするため努力することや、「互いに脅威にならない」精神を確認したというが、内実を伴うものなのか。

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東シナ海に浮かぶ尖閣諸島は日本固有の領土である。河野氏は中国原潜が尖閣沖の接続水域に潜ったまま航行した事件に抗議し、再発防止を求めた。中国側から具体的な説明はなかったという。

中国が国際法を無視して人工島の軍事拠点化を進める南シナ海の問題についても、どれだけ話し合ったのかよくわからない。激しく応酬したなら、公表すればよい。食い違いを隠す配慮は有害無益である。

中国の新華社電によると、日本側が中国の経済圏構想「一帯一路」建設に参加し、第三国での協力を模索することに「積極的姿勢を表明した」という。「一帯一路」が中国による覇権追求の側面を持つ点を忘れてはならない。

王毅氏は、河野氏の訪中を関係改善に資するものとして「評価する」と語った。懸案を先送りしてしまう姿勢では、相手に「日本与(くみ)し易(やす)し」と思わせよう。
引用終わり
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朝日新聞
(社説)河野外相訪中 機運つかみ首脳往来を
2018年1月30日05時00分

河野外相が中国を訪問し、王毅(ワンイー)外相との会談で、日中首脳の往来を着実に進めていくことの重要性を確認した。

ことしは日中平和友好条約締結40周年の節目である。その年頭の外相訪中に、中国側は王氏のほか、李克強(リーコーチアン)首相と外交トップの楊潔チ(ヤンチエチー)国務委員がそれぞれ会談に応じた。関係改善への意思は日中双方にある。

懸案は多い。だからこそ、両国の政治指導者が頻繁に会い、じかに言葉を交わすことの重要さは論をまたない。

安倍首相は施政方針演説で、次のような道筋を提唱した。

日本での日中韓サミットに李首相を迎えた後、自ら訪中。習近平(シーチンピン)国家主席の来日につなげ、日中関係を新たな段階へと押し上げていく――。

この機運をつかみ、ぜひ実現につなげてほしい。

外相会談で河野氏は、習政権の経済圏構想「一帯一路」に対し、透明性や開放性、国際基準への合致など一定の条件をつけながら協力を約束した。

北朝鮮への対応では、国連安全保障理事会の制裁決議の履行徹底で一致した。海上で船から船に積み荷を移す密輸の対策についても意見を交わした。

一方で、中国の軍事力拡大や強引な海洋進出は、日本にとって、変わらぬ脅威だ。

尖閣諸島沖の日本の接続水域で中国軍の潜水艦が潜航した問題で、河野氏が再発防止を強く求めたのは当然である。

せっかく芽生えた関係改善の機運も、偶発的な衝突によって一瞬で崩れかねない。

日中間では2014年秋、尖閣について「対話と協議を通じて情勢の悪化を防ぐ」とした合意がある。防衛当局間の連絡体制「海空連絡メカニズム」の運用開始も急がねばならない。

注目したいのは、河野氏が外相会談でこう語ったことだ。

「日中は世界2位と3位の経済大国。アジアだけでなく、世界全体への責任もある。二国間の問題だけでなく、日中が肩を並べて地球規模の課題に対応していくことも大切だ」

日中が「ウィンウィン」の関係をめざす戦略的互恵関係からさらに視野を広げ、軍縮・核不拡散や気候変動、感染症対策などグローバルな課題でも連携の可能性を追求する。そんな考え方なら歓迎である。

日中関係は一進一退だ。利害が対立しても、決定的な衝突を避けつつ、少しずつでも協力の幅を広げる外交努力を重ねる。

その先にしか地域の平和と安定はないことを、日中の政治指導者は肝に銘じるべきである。
引用終わり
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衆院予算委 政府・自民党は「緩み」を正せ(読売)

2018/01/31 11:51
20180130

読売新聞
社説
衆院予算委 政府・自民党は「緩み」を排せ
2018年01月30日 06時00分

建設的かつ緊張感のある国会論戦を、どう実現するのか。政府と与野党がそれぞれ真摯しんしに取り組むことが求められる。


衆院予算委員会で、2017年度補正予算案に関する基本的質疑が始まった。

立憲民主党の長妻昭代表代行は政府が提出する働き方改革関連法案について、裁量労働制の拡大を批判した。「残業の上限を青天井にする。過労死が増えるのは目に見えている」などと訴えた。

安倍首相は「裁量労働制で働く人は、一般労働者より労働時間が短いとの調査もある。多様な働き方が求められる」と反論した。

あらかじめ決められた時間を働いたとみなす裁量労働制は、専門職や企画職らに適用される。全労働者を対象にはできないが、漫然と残業するより、短時間で結果を出せる職種は少なくない。

バランスの取れた働き方改革へ国会で議論を深めたい。

「森友学園」への国有地売却問題で、長妻氏は、国税庁の佐川宣寿長官の辞任を要求した。

佐川氏は財務省理財局長当時、国有地売却を「適切」と答弁し、学園との価格交渉を否定した。だが、会計検査院が売却額に疑義を呈し、交渉を裏付ける財務省の内部文書の存在も発覚している。

麻生財務相は「適任だ」と語り、辞任を否定した。首相は「今後もしっかりと説明しなければならない」と述べるにとどめた。

立民党は佐川氏の国会出席を要求している。佐川氏の出席や答弁修正を含め、財務省は引き続き丁寧な説明に努めるべきだ。

安倍首相は、松本文明内閣府副大臣の辞任について、自らの任命責任を認め、陳謝した。松本氏は衆院本会議で、沖縄での米軍機不時着を巡って、「何人死んだんだ」とヤジを飛ばした。

県民感情を無視した重大な失言である。首相が松本氏を事実上更迭したのは当然だ。

首相は「沖縄の基地負担軽減をはじめ、各般の政策課題に気を引き締めて取り組む」と強調した。政府・自民党には、昨年の衆院選大勝による驕おごりや緩みが早くも生じているのではないか。猛省し、国政に当たらねばならない。

与野党は、衆院予算委の質問時間配分について「与党33%、野党67%」とすることで合意した。昨年の特別国会に比べて、野党側の時間を若干増やした。

野党は、スキャンダル追及一辺倒や、同様の質問の繰り返しを避けて、質疑内容の充実に力を注ぐことが大切である。

2018年01月30日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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首相が平昌五輪で訪韓へ 主目的を取り違えぬよう(毎日)

2018/01/30 23:12
20180130

毎日新聞
社説
首相が平昌五輪で訪韓へ 主目的を取り違えぬよう
毎日新聞2018年1月30日 東京朝刊

安倍晋三首相が平昌冬季五輪の開会式に出席するため2月9日に韓国を訪問し、同じ日に文在寅(ムンジェイン)大統領と会談する日程が固まったという。


首相の出席を巡っては、文政権が慰安婦問題に関する日韓合意の根幹を否定する対処方針を発表したため、この反発から欠席すべきだとの意見が強まっていた。

私たちは、むしろ出席した方がいいと主張してきた。「平和の祭典」に政治的な対立を持ち込むべきではないと考える。

2年後の2020年には同じアジアの日本で東京五輪・パラリンピックが開かれる。出席を決めた首相の判断は理にかなっている。

ただし、気になるのは、首相の訪韓について慰安婦問題での抗議に力点を置くような議論があることだ。

首相は出席の意向をまず産経新聞のインタビューで明らかにした。その際、「現地で文大統領とぜひ会談したい。慰安婦問題をめぐる日韓合意について韓国が一方的にさらなる措置を求めることは受け入れることはできない。この考え方を直接伝えるべきだと考えている」と述べた。

具体的な会談日程が決まらないうちにメディアを通じて首脳会談の意向を明らかにし、そこで慰安婦問題で直言することを強調している。

慰安婦問題を主な議題とする首脳会談を行うことで、文政権に反発する国内右派に配慮するという意味があるのでは、とも受け取れる。

しかし、訪韓の意義は、なにより開会式に同席し、五輪のホスト国に敬意を表すことにあるはずだ。

慰安婦問題はあるとしても、政治問題と切り離すことで、日本の前向きな外交姿勢をアピールできる。韓国に対する立場を強めることにもつながる。

もちろん首脳同士で意見が異なる問題を議論することは重要だ。しかし慰安婦問題が突出すれば、双方の対立が先鋭化し、関係悪化を内外に露呈させてしまうおそれもある。そうなれば、せっかくの開会式出席も効果が減じてしまうだろう。

平昌五輪・パラリンピック後の今春以降、北朝鮮情勢が再び緊迫することも予想される。

政府は春に東京での日中韓首脳会談開催を調整している。対立ではなく協調に向けた訪韓にすべきだ。
引用終わり
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私見
論説は、政府間合意を無視して、慰安婦問題の見直しを主張する韓国政府の発言を容認するのか?この問題を蒸し返す韓国に対応するには、機会があるごとに見直しには応じられない旨を主張しておかなければならない。

それをしないと日本が見直しを容認したと自国民を洗脳しかねない。

論説は韓国に甘すぎる。

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憲法と政党 改正論議の加速が必要だ(産経)

2018/01/28 02:01
20180127

産経新聞
2018.1.27 05:03更新
【主張】
憲法と政党 改正論議の加速が必要だ

安倍晋三首相が各党に対し、憲法改正論議の加速を呼びかけている。

国会の代表質問で、憲法審査会での建設的議論を求め、自民党両院議員総会では「いよいよ(改正を)実現する時を迎えている。責任を果たしていこう」と語った。

最大与党のトップとして、憲法論議を牽引(けんいん)しようとする姿勢は妥当なものだ。自民党は党改憲案の作成を進め、3月の党大会で公表したうえで衆参両院の憲法審査会へ提示する。その足取りを緩めてはならない。

憲法改正の「一丁目一番地」はむろん9条である。現憲法の最大の欠陥は、国と国民を守る軍や自衛隊に関する規定がない点だ。北朝鮮や中国の脅威を前に国防の重要性は高まっている。

いまなお「自衛隊違憲論」が生じる状態を放置できるはずがない。早急に正さねばならない。

理解に苦しむのは、与党の公明党の姿勢や、日本維新の会以外の野党が積極的な行動を示さない点である。

公明党は代表質問で憲法改正に触れなかった。連立を組む政党の責任者同士として、首相は同党の山口那津男代表と会談し、連立与党としての憲法改正に対する態度を詰めるべきだ。

立憲民主党の枝野幸男代表は、首相とは憲法観が異なるとして、「まっとうな議論ができるはずもない」と議論自体を否定した。

首相は施政方針演説で「国のかたち、理想の姿を語るのは憲法です」と語った。それを「特異」だと決めつけ、批判する方がよほど特異な認識ではないか。

現憲法は、第1条で天皇を「日本国の象徴であり日本国民統合の象徴」と重く位置づけ、国柄や国のかたちを示している。前文では「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」「この崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」などと、国のあるべき姿にも触れている。

異なる認識を持つのはよいが、それを理由に議論を忌避する立憲民主の姿勢は、狭量で非建設的と言わざるを得ない。

希望の党の玉木雄一郎代表は「憲法論議をリードしていく」と語ったが、同党は憲法や安全保障政策をめぐる党内対立が存在し、分裂含みとなっている。日本の独立と国民の生命を守り抜く議論の土俵に乗らなければ、国民の負託に応えられようもない。
引用終わり
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米国 TPP復帰?

2018/01/28 02:01
20180127

毎日新聞
社説
米大統領がTPP復帰言及 戦略の見直しなら歓迎だ
毎日新聞2018年1月27日 東京朝刊

トランプ米大統領が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への復帰に言及した。「米国第一」を掲げて自由貿易を批判し、1年前の就任直後に離脱してから初めてだ。


唐突な発言であり、真意ははっきりしない。最大の貿易赤字相手である中国をけん制するカードとして、ちらつかせただけかもしれない。

もともとTPPを推進していた米国には、アジア太平洋地域で大型経済圏を構築し、中国に対抗する狙いがあった。トランプ氏も中国を念頭に置いて太陽光パネルに対する緊急輸入制限発動を決めたばかりだ。

しかし、発言が通商戦略の見直しを意図した可能性もある。

米国抜きの発効に日本など11カ国が合意し、成長が見込めるアジアの経済連携に米国が出遅れる懸念が出てきた。米産業界などから復帰を求める声が上がっている。トランプ氏が秋の中間選挙もにらんで軌道修正するのなら前向きに受け止めたい。

まずTPPの経済効果が格段に高まる。世界全体に占める経済規模は米国抜きでは1割強だが、米国が復帰すると一気に約4割に増える。アジア太平洋地域を広くカバーするという本来の目的も達成できる。

超大国が多国間の枠組みに再び関与すれば意味は大きい。

戦後の世界経済を支えたのは国際的な自由貿易体制だ。協調をリードしたのは米国であり、TPPも主導した。復帰すれば、地域の安定と発展の基軸になるはずである。

もっともトランプ氏は「米国第一」の主張を引っ込めたわけではない。米国に都合のいい2国間交渉を重視する姿勢は変えず、TPPへの復帰も再交渉が条件と強調した。

離脱前に結んだ内容を見直し、米国に有利になるよう求める公算が大きい。日本にも農産物などの一段の市場開放を迫ってきそうだ。

TPPは各国の複雑な利害を調整したものだ。再交渉すれば、紛糾してまとまらなくなる恐れがある。

また、米国が保護主義的な要求を持ち出すと、自由化が後退しかねない。TPPの効果が薄れ、結果的に米国の利益にもならない。

日本政府も再交渉には否定的だ。まず11カ国での発効を優先させ、基盤を固める。その上で米国を説得し、復帰を働きかけていくべきだ。
引用終わり
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憲法70年 野党からの重い指摘(朝日)

2018/01/28 02:00
20180127

朝日新聞
(社説)憲法70年 野党からの重い指摘
2018年1月27日05時00分

党首らの問いかけは、それぞれに重い。誠実に答える責任が安倍首相と自民党にある。

衆参両院で行われた代表質問で、首相がめざす憲法9条への自衛隊明記に対し、野党党首らから異論や疑問が相次いだ。

希望の党の玉木雄一郎代表が問うたのは、明記によって自衛隊の役割が変わるか否かだ。玉木氏は、首相のいう9条改憲には反対だと述べた。

首相は「自衛隊の任務や権限に変更が生じることはない」と応じたが、玉木氏は質問後、憲法を変える目的が明確でないと首相案への疑問を語った。

安倍内閣は違憲とされてきた集団的自衛権の行使を容認し、安全保障関連法の成立を強行した。その安保法を前提に、自衛隊の憲法への明記が論じられていることへの批判も相次いだ。

共産党の志位和夫委員長は「9条2項の空文化に道を開き、海外での武力行使が無制限になる」。

民進党の大塚耕平代表は、改憲論議の前に「安保法制の違憲部分の見直しに真摯(しんし)に向き合い、国民全体が納得できる環境を作るべきだ」と述べた。

無所属の会の岡田克也代表は「憲法の根本原則の一つである平和主義に反する内容である限り、9条改正は不可能だ。まず国会で議論を尽くし、平和主義について共通認識に立つことが必要だ」と首相に求めた。

各党が具体的な案を国会に持ち寄り、建設的な議論を――。首相は繰り返し呼びかけたが、見えてきたのはむしろ、首相と国会の現状との落差である。

国会の憲法審査会で「建設的な議論」を成り立たせるには、これら野党の問題提起に、まず自民党として説得力ある答えを示さねばならない。

その意味で、あきれたのは、なぜ自衛隊明記が必要なのかをめぐる、自民党の二階俊博幹事長への首相答弁だ。

「自衛隊員たちに『君たちは憲法違反かもしれないが、何かあれば命を張ってくれ』と言うのはあまりにも無責任だ」

安倍内閣を含む歴代内閣は自衛隊を合憲とし、国民の多くも合憲と考えている。誰が自衛隊にそんな指示をするというのか。的外れもはなはだしい。

重ねて言う。憲法は国家権力を制限し、国民の人権を保障する規範である。だからこそ、改正には一般の法律より厳しい条件が課されている。

なぜその改正が必要なのか。他に手段はないのか。いま優先的に取り組む必要があるのか。国民の多くが理解し、納得できる議論が求められる。
引用終わり
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私見
現行憲法は連合国(米国)の占領政策の一環として作られたものだ。占領下に憲法を改正してはならないとする国際法に違反している瑕疵のあるものなのだ。

独立国なら瑕疵のある憲法を自国の最高法規にしてはならず、その一点だけでも改正の理由になる。

現行憲法九条は、将来に渡って日本が米国の軍事的脅威にならない様にする意図で条文化されたと言われる。その意図からは自衛隊は憲法違反の存在だ。また軍備を禁じていることから国家緊急事態に付いての言及がない。

国家の安危を担う実力組織の存在根拠が最高法規である憲法に明示されていない。このことに多くの国会議員や一部メディアは問題意識を持っていない。

繰り返すが自衛隊の存在根拠は憲法にない。解釈で保持できるとしているだけなのだ。だから、行政解釈として集団的自衛権は行使できないとした歴代内閣の解釈を、安倍内閣において集団的自衛権の行使は可能との従来とは真逆の解釈変更で集団的自衛権の限定容認に踏み切った。

解釈変更による実力組織の運用は好ましいことではない。国軍保持を憲法に明記した上で必要な下位法を定めるべきだ。

また、多くの議員が「専守防衛」を唱えるが打撃力を他国に依存しているのは属国で有ることを意味するとは考えていないらしい。

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「習近平思想」 個人崇拝の復活が懸念される(読売)

2018/01/27 21:53
20180127

読売新聞
社説
「習近平思想」 個人崇拝の復活が懸念される
2018年01月27日 06時02分

自らの名を冠した思想を憲法に書き込み、権力集中と統制を進める。中国の習近平国家主席の狙いは明白である。


こうした手法で大国を安定的に運営できるのか。

共産党が、習氏の指導思想「習近平の新時代の中国の特色ある社会主義思想」を憲法序文に明記する方針を決めた。3月の全国人民代表大会で憲法に追加される。

現役指導者の思想が憲法に記されるのは建国の父、毛沢東以来だ。憲法改正は14年ぶりになる。

昨年10月の党大会で党規約に記載したのに続き、思想面の権威確立の節目だと言える。

「思想」の中核は、「中華民族の偉大な復興という中国の夢」にある。習氏が就任以来掲げているスローガンだ。

その実現のために、民主主義国家とは異なる政治制度を維持したまま、軍事、経済、科学技術などあらゆる面で、米国に並ぶ大国になることを目指す。

習氏は、党が政治、経済、文化、教育など社会の隅々まで指導し、一党支配を徹底することが必要だと強調する。

堅調な経済と、米国などの政治の混乱で、自信を深めているのだろう。昨年の中国の国内総生産(GDP)は前年比6・9%増で、7年ぶりに加速に転じた。

問題なのは、言論統制や企業管理を強めていては、先端技術や世界標準となるITシステムの開発などは見込めないことだ。

中国モデルが行き詰まり、成長が鈍化すれば、世界経済が悪影響を受けるのは確実だ。

憲法改正では、「国家監察委員会」の新設によって、公務員の汚職を取り締まる体制が強化される。習氏が、政敵の排除に利用してきた反腐敗闘争を継続、拡大するのは間違いない。

習氏に対する個人崇拝や、批判を抑圧する動きには、注意する必要があろう。

共産党は毛沢東への過度な権力集中が文化大革命などの混乱を招いた反省から、いかなる個人崇拝も禁じてきた。1981年の決議で、文革は指導者が誤って引き起こしたとも総括している。

中学校の歴史教科書が近く改訂され、文革に関する独立した項目や、毛沢東の「過ち」を認める表現が削除されると報じられた。

党の権威や正統性が揺らぐことを警戒し、歴史を書き換えようとしているのではないか。

習氏が毛沢東と並ぶ絶対的な存在となり、文革の悲劇が再来することがあってはならない。

2018年01月27日 06時02分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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金正恩氏告発 拉致解決へ手段を尽くせ(産経)

2018/01/27 21:51
20180126

産経新聞
2018.1.26 05:03更新
【主張】
金正恩氏告発 拉致解決へ手段を尽くせ

(1/2ページ) .
拉致問題は北朝鮮の国家犯罪である。被害者は即時解放され、帰国を果たさなくてはならない。だが北朝鮮は、その調査の約束さえ履行を拒んでいる。全面解決に向けてあらゆる手段を尽くすことが求められる。

拉致の可能性が否定できない特定失踪者の家族らがオランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に、金正恩朝鮮労働党委員長の責任追及や処罰に向けた捜査に着手するよう申し立てた。

金正恩氏は拉致の実行責任者ではないが、事実を知りながら被害者を解放せず、安否を隠蔽(いんぺい)する「事後的共犯」だと指摘し、その「人道に対する犯罪」を問う。拉致実行の指揮・命令に関与した人物の特定や処罰も要請した。

ICCは、国際法に基づき人道に対する罪や戦争などの重大犯罪に関与した個人を訴追・処罰する国際機関で、各国から選出された裁判官と検察官らで構成される。容疑者の国籍や犯罪が起きた地域の関係国に責任追及の能力や意思がない場合、ICCの補完的管轄権が認められる。

北朝鮮に拉致問題を解決する意思がない以上、国際機関への申し立ては当然である。菅義偉官房長官は「しっかり連携しながら対応していきたい」と述べた。こうした機会を捉えて国際社会の理解を得るべく、家族らを全力で支えることは、政府の責務である。

(2/2ページ) .
平昌冬季五輪をめぐる北朝鮮のほほえみ外交にだまされてはならない。核・ミサイル問題と同様、その先に拉致問題解決の道はあり得ない。徹底した圧力のみが北朝鮮を動かし得る。独裁者である金正恩氏を名指しする告発は、十分に有効な圧力となり得る。

拉致被害者の「家族会」と「救う会」は「これ以上待てない。政府に今年中の全被害者救出を再度求める」とする新たな運動方針を決定した。背景には、被害者や家族の高齢化がある。

方針には、「緊迫する情勢をてこに救出のための実質的協議を行え」とも明記された。朝鮮半島の緊迫を好機と捉える外交上のしたたかさが求められている。

横田めぐみさんの母、早紀江さんは、「安倍(晋三)首相が真の『侍』であると信じたい。被害者救出の結果だけを望んでいる」と述べたという。首相や政府には、母の信頼に応える責務があり、残された時間は少ない。
引用終わり
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