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巡航ミサイル購入・調査予算追加

2017/12/13 21:14
20171213

読売新聞
社説
巡航ミサイル 抑止力向上へ着実に導入せよ
2017年12月13日 06時15分

日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。様々な危機に効果的に対処するため、長射程の巡航ミサイルを導入する意義は大きい。



防衛省が2018年度予算で、航空自衛隊の戦闘機に搭載する長距離巡航ミサイルの導入関連費を追加要求した。射程500キロのミサイルの購入費21億6000万円と、2種類の射程900キロのミサイルの調査費3000万円だ。

離島に上陸した部隊や、弾道ミサイルを警戒中の日米のイージス艦を狙う艦船を、敵レーダーの圏外から攻撃できるようにする。

巡航ミサイルは、全地球測位システム(GPS)を利用した精密誘導兵器で、目標をピンポイントで正確に攻撃できる。欧米諸国や中韓両国も保有している。

北朝鮮や中国の軍備増強が進む中、自衛隊が離島やイージス艦を防衛するうえで、こうした能力の保持は急務だ。長射程のミサイルで確実に反撃する手段を持つことは、相手に攻撃を思いとどまらせる抑止力の向上にもつながる。

ミサイル防衛の迎撃ミサイルは、弾道ミサイルを撃ち落とす唯一の方法ではあるが、他の目的にはほとんど使えない。巡航ミサイルは、多様な事態に活用できる。費用対効果の観点からも、着実に導入を進めることが大切だ。

防衛省は、巡航ミサイルの導入について、敵ミサイル基地を攻撃する目的はない、と説明している。「自衛隊は盾で、米軍は矛」という日米の役割分担や、専守防衛の原則は変更しないという。

確かに、長距離巡航ミサイルだけでは、敵基地攻撃能力は極めて限定的だ。目標の探知・特定には米国の偵察衛星などの情報が不可欠となる。中距離弾道ミサイル・ノドンを載せる移動式発射台を攻撃するハードルは一段と高い。

一方で、離島や艦船の防衛が主たる目的でも、敵基地への一定の攻撃能力があるのは事実で、あえて全否定する必要はあるまい。

日米の基本的な役割分担は維持しつつ、米軍の攻撃力の一部を自衛隊が補完・補強し、日米同盟の実効性を高めることが重要だ。

政府は長年、発射が差し迫っているミサイル基地への攻撃は憲法に違反せず、自衛の範囲に含まれるという見解を堅持している。

野党の一部が「敵基地攻撃能力を保有するのは憲法上、問題だ」と批判するのは的外れだ。

政府は来年、防衛大綱を見直す。米軍との連携を前提にした敵基地攻撃能力と、巡航ミサイルの活用についても議論を深めたい。

2017年12月13日 06時15分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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朝日新聞
(社説)巡航ミサイル 専守防衛の枠を超える
2017年12月13日05時00分

防衛省が長距離巡航ミサイルの導入を決めた。来年度当初予算案に関連経費約22億円を追加要求する。

日本はこれまで専守防衛のもと、自衛隊のミサイルの長射程化を控えてきた。財政的な制約や、不毛な軍拡競争に陥る可能性への考慮もあった。

今回の判断について、防衛省はこう説明している。

北朝鮮のミサイル警戒にあたるイージス艦の防護や離島防衛のためであり、あくまで日本の防衛のためである――。

たしかに日本周辺の安全保障環境は厳しい。自衛隊の能力を不断に見直す必要はある。

だが今回、航空自衛隊の戦闘機に搭載する米国製ミサイルは射程900キロ。日本海から発射すれば北朝鮮全域に届く。

これほど長射程のミサイルがイージス艦防護や離島防衛に不可欠とは言えない。長距離巡航ミサイルの導入は、専守防衛の枠を超えると言うほかない。

むしろその導入は、敵のミサイル基地をたたく敵基地攻撃能力の保有に向けた大きな一歩となりかねない。

政府は敵のミサイル基地への攻撃について、「他に手段がない」場合に限って、「法理論的には自衛の範囲」としてきた。一方で05年の防衛庁長官答弁は「敵基地攻撃を目的とした装備は考えていないし、それを目的とした長距離巡航ミサイルも考えていない」としている。

日本の安全保障は、米軍が攻撃を担う「矛」、自衛隊が守りに徹する「盾」の役割を担ってきた。この基本姿勢の変更と受け止められれば、周辺国の警戒を招き、かえって地域の安定を損ねる恐れもある。

厳しい財政事情のなかでも、安倍政権は5年連続で防衛費を増額してきた。米トランプ政権が同盟国への武器輸出に熱を入れるなか、日本がひとたび専守防衛の枠を踏み越えれば、さらに巨額の兵器購入を迫られることはないのか。

看過できないのは、専守防衛に関わる重大な政策転換が、国会や国民への説明もないまま唐突に打ち出されたことだ。

政府は今夏の概算要求には盛り込んでいなかったが、特別国会の閉幕間際になってから追加要求に踏み切った。

来年は防衛大綱の見直しや、次の中期防衛力整備計画の議論が本格化する。自民党内では防衛費の大幅増額や敵基地攻撃能力の保有を求める声が強い。

なし崩しに安全保障政策の転換をはかる安倍政権の姿勢は危うい。年明けの通常国会で徹底的な議論を求める。
引用終わり
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産経新聞
2017.12.13 05:03更新
【主張】
長距離巡航ミサイルの導入、「座して死を待つ」避け、国民守るために欠かせない

政府が、航空自衛隊の戦闘機用に3種類の長距離巡航ミサイルを導入する方針を固め、平成30年度予算案に関連経費を計上する。

日本の防衛力、抑止力を高める有効なものであり、これまで装備していなかった方がおかしい。導入の判断は妥当だ。

安全保障環境が厳しさを増すなか、実際の配備を早めることも課題となる。

巡航ミサイルは、翼とジェットエンジンで飛行する。コンピューター制御による超低空飛行や迂回(うかい)飛行で敵の迎撃を避け、標的に命中する精密誘導兵器だ。

空自戦闘機のF15やF2には、米国製で射程約900キロの「JASSM−ER」「LRASM」を、新鋭のF35にはノルウェーが開発中の射程約500キロの「JSM」を搭載する予定だ。

現有ミサイルに比べ、射程は最長で5倍以上となり、敵の射程外から効果的に反撃できる。

兵力や艦船、航空機の数が少ない自衛隊には、敵に近づくリスクを減らして防衛に当たるための装備が必要である。

具体的には、離島へ侵攻してきた敵の上陸部隊や艦船に対処するほか、弾道ミサイル警戒中のイージス艦を攻撃しようとする敵艦船の排除に使用できる。

(2/2ページ) .
導入の意義はそれにとどまらない。政府は「敵基地攻撃を目的としたものではない」としている。だが、長い射程を生かし、対日攻撃をもくろむミサイル発射台を叩(たた)く「敵基地攻撃能力」へと発展させることが可能であり、そうすべきだ。

政府は、ミサイル発射が確実であり、他の手段がなければ、敵ミサイル基地への攻撃は合憲であるとの立場だ。「座して死を待つ」のは、憲法が認める自衛の趣旨に反するからだ。

射程約900キロなら、日本海の上空から北朝鮮国内を攻撃できる。その場合、目標を選定する衛星や無人機などの装備体系を別途用意する必要がある。

専守防衛に触れる恐れがあるとして、さっそく長距離巡航ミサイル導入への反対論や慎重論が与野党から出ているのは残念だ。

中国や北朝鮮の脅威を眼前にしてなお、自衛隊の手足を縛る「専守防衛」にこだわりたいのか。国民を守る視点を優先しない議論は、日本の防衛意思を疑わせ、抑止力を損なう。
引用終わり
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20171212

毎日新聞
社説
自衛隊の巡航ミサイル導入 専守防衛の境界がかすむ
毎日新聞2017年12月12日 東京朝刊

防衛省が航空自衛隊の戦闘機に搭載する長射程の巡航ミサイルを導入する。その関連経費約22億円を2018年度予算案に追加要求した。


米国製の射程約900キロの2種類と、ノルウェー製の射程約500キロのミサイルで、米国製は調査費、ノルウェー製は取得費を要求した。

巡航ミサイルはジェット推進でコンピューター制御により目標に誘導される。命中精度が高く、低空を飛ぶためレーダーに捕捉されにくい。

しかし、巡航ミサイル導入を直ちに認めるわけにはいかない。防衛政策の基本である「専守防衛」との整合性が見えにくくなるためだ。

防衛省は中国の海洋進出を念頭に離島防衛を強化すると説明する。だが、尖閣諸島は沖縄から約400キロで米国製の能力は飛び抜けている。

射程は日本海から発射して北朝鮮に十分届く距離だ。ミサイル基地を先制的に攻撃できる敵基地攻撃能力の保有にもつながる。

政府は、緊急時は敵基地攻撃能力を「憲法が認める自衛の範囲」と解釈しているが、専守防衛に照らして装備を保有してこなかった。

北朝鮮は弾道ミサイルを高く打ち上げて急降下させるロフテッド軌道を多用している。ミサイル防衛では迎撃しにくいとされ、強固な抑止力を求める意見は自民党などにある。

小野寺五典防衛相は「敵基地攻撃を目的としたものではない」と強調する。では、離島防衛を超える能力を持つ装備がなぜ必要なのか。

専守防衛に深く関わる重大な問題である。議論の積み上げもなく政府の一存で突然、追加要求するという性質のものではない。

敵基地攻撃能力を持とうとすれば、敵の防空網を突破する能力やミサイルを誘導する能力などが必要で、装備体系の変更にもつながる。

安倍政権は安全保障法制など防衛力の拡大を図ってきた。厳しい財政下、防衛費を5年連続で増額し、来年度は過去最大になる見通しだ。

米国は同盟国に軍事的な負担拡大を求めており、日本も例外ではない。専守防衛の枠が広がるなら日本の軍事的役割は増し、軍備増強は北朝鮮だけでなく中国も刺激する。

巡航ミサイル導入にはリスクを踏まえた多角的な議論が必要だ。なにより国民の合意が前提となる。
引用終わり
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私見
朝日論説も毎日論説も「専守防衛」が憲法九条に背馳しない様に解釈した政治的産物で有って、まともな防衛論をかわした結果のものではない事を無視している。

「専守防衛」なる用語は、時の政府が野党の攻勢をかわすために作ったものだ。

「専守防衛」では敵の攻撃を受けてから反撃する。としているが、相手国からの攻撃を甘受せよとでも言いたげなものを国民が了承するか政治家や一部メディアは考えたら如何か?

また、「専守防衛」は表現を変えた本土決戦にほかならない。自国を焦土にしないために、日本の様に国土が狭い国家は相手国の領海内(領土内)で戦う戦術をとることが必要なのだ。

抑止力として自衛隊の運用を考慮するならばその最善は、敵に攻撃意図を起こさせない反撃能力を持たせる事に尽きる。

だが、国政に携わる政治家の怠慢によりその能力を自衛隊は付与されていない。今回、政府は艦船防護や領土奪還を目的とした巡航ミサイルを整備する事にしたが、策源地攻撃能力の保持も早急に整備するべきだろう。

「専守防衛」を唱える方々は、日本は盾、矛は米軍などと発言するがそれが軍事的に半属国の状態であることを認識できないらしい。

「専守防衛」なるものは、突き詰めれば憲法九条の解釈に行き着く。攻守相俟った防衛力を整備するためにも、憲法9条の改正は喫緊の課題だと考える。

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特別国会閉幕(読売他)

2017/12/10 22:13
20171210

読売新聞
社説
特別国会閉幕 党首討論の再活性化が必要だ
2017年12月10日 06時00分

「疑惑」と言い募って政府を批判するばかりでは、国会の役割は果たせない。与野党は、建設的な議論に向けて、もっと知恵を絞るべきだ。


特別国会が閉幕した。野党は、森友・加計学園問題で安倍首相を追及したが、決め手を欠いた。

森友学園問題では、財務省が、会計検査院の検査報告を受けて、学園側とのやり取りを録音した音声データの内容を認めた。

国有地売却価格の事前交渉は引き続き否定している。「金額のやり取りはあったが、予定価格ではない」などと強弁したが、あまりにお粗末な言い訳である。

首相は、会計検査院の問題点の指摘について「真摯しんしに受け止める」と強調した。公文書管理のあり方をきちんと見直し、再発防止策を徹底することが求められる。

加計学園問題について野党は、国家戦略特区の選定を巡る首相の関与や不適切な行政手続きの新たな材料を示せなかった。予算委員会などで長時間審議する必要性は乏しいのではないか。

野党が「疑惑」追及に集中するあまり、北朝鮮の核・ミサイル問題やアベノミクスに関する議論が不十分だったのは物足りない。

与党は、衆院予算委員会などの質問時間を増やすことに成功した。首相を称賛したり、野党を批判したりするのに時間を費やすようでは、意義が問われよう。

残念なのは、党首討論が今年、一度も開かれなかったことだ。2000年に制度が導入されて以来初めての事態である。

野党は、首相を長時間追及できる予算委員会の質疑を優先しがちだ。10月の衆院選を機に民進党勢力が4分裂し、「自民1強対多弱」の構図が強まった結果、2大政党トップによる論戦という姿が遠のいたことも影響したのだろう。

だが、党首が、国家観を含め、大局的な議論を行う貴重な場だ。「月1回開催」「45分間」といった原則を見直し、頻度は少なくても、討論時間を増やして確実に実施するなど、党首討論のあり方を真剣に見直してはどうか。

河野外相は、国会に出席するため、ミャンマーで開かれたアジア欧州会議(ASEM)外相会議や、広島での核軍縮関連会議を欠席せざるを得なかった。

これでは、国会活性化の一環として副大臣制度を導入した意味がない。外相や防衛相らの出席を減らし、副大臣が責任を持って国会で答弁することが望ましい。

来月の通常国会に向けて、与野党は協議を急いでもらいたい。

2017年12月10日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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20171209

朝日新聞
(社説)憲法70年 内閣と国会に緊張感を
2017年12月9日05時00分

特別国会がきょう閉幕する。改めて鮮明になったのは国会を軽んじる安倍政権の姿勢だ。

森友学園への国有地売却をめぐり、会計検査院が手続きのずさんさを指摘する調査結果を国会に報告した。野党の質問でいくつもの疑問が浮かんだのに、政権は再調査や関係者の国会招致をことごとく拒んだ。

「建設的な議論を」。首相は所信表明演説で野党に呼びかけたが、それを阻む主な要因は首相の側にある。


■「言論の府」の惨状

立法、行政、司法が互いにチェックし、均衡を図る。憲法は権力分立の原理に立つ。

しかし今、「安倍1強」の政治のありようが、国会と内閣のバランスを揺るがしている。

憲法53条に基づく野党の臨時国会召集要求を3カ月も放置したあげく、一切の審議を拒んだまま衆院解散に踏み切る。衆院選で大勝すると、野党の質問時間を削減すべく圧力をかける。

「数の力」を背景に、内閣は野党の主張に耳を貸そうとしない。その一方で、与党は内閣の意向を追認するばかりの下請け機関と化している。

内閣あって、国会なきがごとし――。憲法施行から70年後の「言論の府」の惨状である。

この70年、国会と内閣の関係は大きく変貌(へんぼう)してきた。

自民党内閣と社会党の野党第1党を前提にした「55年体制」のもとでは、水面下での妥協と取引が重んじられた。与野党の国会対策委員会が、野党に見せ場を作る段取りまで話し合う「国対政治」である。

長く続いた「妥協のゲーム」を変質させたのは、1980年代末に始まった一連の政治改革の動きだ。

「政権交代のある政治」をめざして、96年の衆院選で小選挙区比例代表並立制が導入されると、与野党の妥協は成立しにくくなり、真正面からぶつかりあう場面が増えていく。


■権力分立のために

第1次安倍内閣のもと行われた2007年の参院選では、自民党が当時の民主党に惨敗。野党が参院で多数を握る「ねじれ」が生じ、安倍内閣退陣、政権交代へとつながっていく。

3年後、今度は自民党が参院選で勝利。再びねじれた国会で民主党内閣を追い込み、第2次の安倍内閣が誕生した。

「55年体制」を懐かしむわけではない。だが今、国政選挙で連勝を重ねる安倍首相は、野党と話し合おうとする努力をあまりにも欠いてはいないか。

首相に読み返してもらいたい憲法の条文がある。

「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う」(66条)

内閣は行政権の行使に当たって、国会によるチェックを受ける。そのことを通じて、内閣を主権者である国民の民主的なコントロールのもとに置く。権力分立を実現するための、重要な要素だ。

そのために、憲法は国会と内閣について様々な規定を定めている。

国会による首相の指名権(67条)▽衆院による内閣不信任決議(69条)▽一般国務や外交に関する首相の国会報告(72条)▽議院から出席を求められた時の首相や閣僚の出席義務(63条)。

衆参いずれかの総議員の4分の1以上の要求で、内閣に臨時国会召集を義務づける53条も、同様の趣旨である。

明治憲法は閣僚が天皇に対して責任を負うことを求め、国会への責任は定めていなかった。戦前の反省に立つ現憲法は、国会の関与のもとで、行政が民主的に行われるべきことを明確にしたのである。

その意義を、首相はいま一度かみ締める必要がある。


■国会改革の具体策を

小選挙区制や政党助成制度の導入、省庁再編、幹部官僚人事の一元化、内閣機能の強化。

「安倍1強」は、官邸主導の実現をめざしてきた一連の政治改革の帰結でもある。

強い権力を握れば握るほど、自ら進んで民主的なチェックを受ける。権力者には本来、そんな責任があるはずだ。

国会の役割は極めて重い。とりわけ内閣を監視し、過ちを正す野党の役割は大きい。

内閣と与党がめざす野党質問の削減は、もってのほかだ。ただちに撤回すべきである。

そのうえで、国会の内閣へのチェック機能を強める国会改革の具体策を、与野党で話し合うべきときだ。

党首討論の月1回開催▽野党の対案がある場合は、内閣提出法案と同時に審査する▽議員同士の自由討議を活用する▽閣僚が国際会議などで出席できない場合は副大臣らが答弁する。

3年前、自民、民主など4党が合意したのに十分に実行されていない。これらの案を出発点に、再協議を始めてはどうか。

行政を監視し、緊張感ある政治をつくる。国会の重い使命に与野党の違いはない。
引用終わり
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毎日新聞
社説
特別国会が閉会へ 空洞化がますます進んだ
毎日新聞2017年12月8日 東京朝刊

衆院選後の特別国会が事実上、きょう閉会する。安倍晋三首相に第4次政権の運営方針をただすとともに、「森友・加計」問題の真相を解明すべき国会だったが、その役割を果たしたとは言い難い。


6月の通常国会閉会から臨時国会冒頭の衆院解散を挟み、5カ月ぶりの本格論戦だった。ところが、首相の所信表明演説は衆院選の自民党公約をコンパクトにまとめただけで、物足りなさは否めなかった。

開会前は質疑なしで特別国会を済ませようとするなど、政権側の逃げ腰も目に付いた。結局、首相の出席した質疑は衆参両院の本会議4日間と予算委員会4日間にとどまった。

質疑に応じるに当たっては、「数の力」で野党の質問時間を減らした。質疑を避けたい首相へのそんたくがにじむ与党の対応だった。

先の通常国会で首相は、森友学園への国有地売却価格を約8億円値引きした財務省の対応を「適切だ」と擁護した。その後、会計検査院が「適切とは認められない」との報告書をまとめてもなお、首相は検証と原因究明を拒み続けている。

近畿財務局が森友学園を特別扱いしたことは明白だ。なぜそこまでの便宜を図る必要があったのか。「金額のやり取りはあったが価格交渉ではない」などの理屈の通らない答弁で逃げ切れると考えているのだとすれば、国会を軽んじている。

財務省前理財局長の佐川宣寿国税庁長官や首相の妻昭恵氏らの参考人招致に与党は応じなかった。

値引きを正当化した佐川氏の国会答弁はもはや破綻している。にもかかわらず、佐川氏が徴税業務のトップの座にあることに割り切れない思いを持つ国民も少なくないだろう。その人事を「適材適所」と開き直った首相の答弁にも驚かされた。

国会の空洞化が指摘されて久しい。議院内閣制のもと、与党が多数を占める国会は政府提出法案を成立させる下請け機関のようになりがちだ。首相は所信表明演説で「建設的な議論」を野党に呼びかけたが、それを阻んでいるのは政府・与党側だと言わなければならない。

選挙に勝てば国会に説明する必要はないといわんばかりの姿勢が空洞化に拍車を掛けている。このままでは来年の通常国会にも不安が残る。
引用終わり
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佐藤正久外務副大臣の就任の決意を問題視する朝日

2017/12/10 22:09
20171210

朝日新聞
(社説)服務宣誓発言 政治家として心得違い
2017年12月10日05時00分

政治家の役割について、改めて考えさせられる出来事だ。

自衛隊出身の佐藤正久外務副大臣(自民党)が5日の参院外交防衛委員会で、副大臣の就任にあたって決意を表明した。

「事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える決意であります」

自衛隊員が入隊時に行う「服務の宣誓」の一部を引用したものだ。

これは本来、政治家が使うべき言葉ではない。野党から批判されると、佐藤氏は国会で「結果として誤解を招いたとすれば大変遺憾だ」と述べた。

言うまでもなく、政治家と自衛隊員の役割は異なる。

自衛隊は国を防衛し、日本の平和と独立を守るのが主な任務だ。そのために生命をかけるのが自衛隊員であり、服務の宣誓は特別な意味を持つ。

一方、政治家はより広い視野から日本を正しい方向に導くことが求められる。政治家と自衛隊員は別の視点に立ち、一定の緊張関係を保つ必要がある。

政治が軍事に優先する原則が文民統制(シビリアンコントロール)である。

軍部の暴走を止められなかった戦前の反省から、憲法66条は「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」と定めた。国会に責任を負う文民の閣僚が軍事をコントロールし、実力部隊が独走するのを防ぐ狙いがある。

自衛隊出身の佐藤氏は、今は文民の立場だ。なのにあえて服務の宣誓を引用したのは、自衛隊をコントロールすべき政治家が、自衛隊員と一体化しかねない危うさをはらむ。

文民統制の精神に背く軽率な発言というほかない。

佐藤氏は外交交渉によって戦争を回避すべき外務省の副大臣である。自衛隊員の気分のままで外交にあたろうとしているのであれば、心得違いだ。政治家として発想を切り替える必要がある。

河野外相は国会答弁で「外務省の職員も、国民を守るためには危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努める必要がある」と佐藤氏をかばった。

外交官が職務にあたって生命の危険にさらされる場合はありうるだろう。だがそのことと、自衛隊員の服務宣誓を引用する姿勢は次元の異なる問題だ。

あくまで外交の可能性を追求することによって、国民の生命と財産を守る。

その立場に徹することこそ、外務副大臣に任じられた政治家の役割である。
引用終わり
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私見
佐藤正久参議院議員の外務副大臣就任での決意発言に朝日論説が噛み付いている。この発言が自衛隊員の「服務の宣誓」からの一部引用で有るとしても論説のネガテブネタにされるものではない。

論説の上から目線の説教じみた論調に、知性の退廃を感じるのは筆者だけだろうか。

参考に「服務の宣誓」を記載。

「事に望んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に努め、もって国民の負託に応える事を誓います」。とは経綸の根幹を成す外交及び安全保障政策に携わる行政官の心構えとして当然持たなければならない。

それを問題視する論説氏の視点がおかしいと言わざるを得ない。他紙が佐藤正久外務副大臣発言の批判をしていない事を如何に捉えているのか?



************* 社説の気になる部分 **************
これは本来、政治家が使うべき言葉ではない。野党から批判されると、佐藤氏は国会で「結果として誤解を招いたとすれば大変遺憾だ」と述べた。

言うまでもなく、政治家と自衛隊員の役割は異なる。

自衛隊は国を防衛し、日本の平和と独立を守るのが主な任務だ。そのために生命をかけるのが自衛隊員であり、服務の宣誓は特別な意味を持つ。

一方、政治家はより広い視野から日本を正しい方向に導くことが求められる。政治家と自衛隊員は別の視点に立ち、一定の緊張関係を保つ必要がある。
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自衛隊の任務と外務省の所掌事務は異なる。副大臣が決意表明に自衛隊員の「服務の宣誓」から一部を引用したとしても外務省の所管以外の事ができる筈もない。論説氏の主張は論理の摩り替えである。それとも意識的に混同しているのか?

一方、政治家はより広い視野から日本を正しい方向に導くことが求められる。は全く意味不明。


************* 社説の気になる部分 ***************
政治が軍事に優先する原則が文民統制(シビリアンコントロール)である。

軍部の暴走を止められなかった戦前の反省から、憲法66条は「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」と定めた。国会に責任を負う文民の閣僚が軍事をコントロールし、実力部隊が独走するのを防ぐ狙いがある。

自衛隊出身の佐藤氏は、今は文民の立場だ。なのにあえて服務の宣誓を引用したのは、自衛隊をコントロールすべき政治家が、自衛隊員と一体化しかねない危うさをはらむ。

文民統制の精神に背く軽率な発言というほかない。
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シベリアンコントロールの本来の意味は、行政が実施する実力組織(軍隊)の運用には、国会の統制が入ると言うことだ。

軍部の暴走を止められなかったのは、大日本帝国憲法が軍の統帥権を天皇が持つと定めていたからで有って、現行憲法には実力組織(自衛隊)保持の根拠条文はないものの、自衛隊法で実力組織の最高指揮官は内閣総理大臣と定めている。

論説は憲法を引き合いに出すが、現行憲法は占領政策の一環として作成させられたものである。将来に渡って米国の軍事的脅威にならない様にする目的をもって、九条で非戦を定め、その帰結として「国家緊急事態措置」への言及がない。成立過程に瑕疵がある憲法条文を殊更に取り上げるのはやめたらどうか。

自衛隊を実力組織としているが「自衛隊は軍隊ではないのか」と論説氏に問いたい。

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《参考》
隊員
自衛隊法施行規則(昭和二十九年六月三〇日総理府令第四十号)によって定められた自衛隊員の服務の宣誓


私は、わが国の平和と独立を守る自衛隊の使命を自覚し、日本国憲法及び法令を遵守し、一致団結、厳正な規律を保持し、常に徳操を養い、人格を尊重し、心身をきたえ、技能をみがき、政治的活動に関与せず、強い責任感をもつて専心職務の遂行にあたり、事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。
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日米開戦は米英の挑発によるものだ

2017/12/10 08:55
20171209

《参考》
産経ニュース
2017.12.8 07:11更新

米英、日本の軍事行動を予測、開戦誘導か ルーズベルト・チャーチル往復電報 

(1/4ページ) .
ルーズベルト米大統領からチャーチル英首相に宛てた電報。末尾に「われわれ(英米)はすぐに起こるであろう本当の困難のためにあらゆる準備をしなければならない」と記してある(英国立公文書館所蔵、岡部伸撮影)
ルーズベルト米大統領からチャーチル英首相に宛てた電報。末尾に「われわれ(英米)はすぐに起こるであろう本当の困難のためにあらゆる準備をしなければならない」と記してある(英国立公文書館所蔵、岡部伸撮影)

日本によるハワイの真珠湾攻撃から8日で76年。英国立公文書館が所蔵するウィンストン・チャーチル英首相とフランクリン・ルーズベルト米大統領の往復電報によれば、ルーズベルトが開戦13日前に日本の「軍事行動」を予測していたことがうかがえる。チャーチルも返電で対日譲歩に反対し、ルーズベルトが日本に最後通告の「ハル・ノート」を提示した後の開戦直前に米英合同で事実上の“宣戦布告”を呼び掛けていた。米英指導者は戦争回避より先制攻撃するように日本を追い詰め、開戦へと誘導したとの見方が専門家から改めて示されている。

日米が戦争回避に向けて交渉を続けていた1941年11月25日午後1時20分に英外務省が受信したチャーチルあての電報でルーズベルトは、日本側から20日、「南部仏印(仏領インドシナ)から兵を北部仏印に引き揚げる代わりに米国側は通商関係を資産凍結前に戻し石油の供給を約束する」暫定協定案が提出されたと伝えた。その上で、米政府が「日本が南部仏印から撤兵し、北部仏印の駐留兵を7月26日時点の2万5千人以下にすれば、米国は在米日本資産の凍結を解除する」などの提案を作成したと報告。これは後のハル・ノートの原案の一つで、幻の「暫定協定案」(日本が受け入れ可能な3カ月休戦案)と呼ばれる。

しかし、ルーズベルトは追記して「これは日本人に対し適正な提案と思えるが、諾否は実のところ国内の政治状況による。あまり希望を持てない」と悲観的な見通しを示し、「われわれ(英米)はすぐに起こるであろう本当の困難のためにあらゆる準備をしなければならない」と警告した。


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日本を挑発、追い詰めた

英国立公文書館が所蔵するチャーチル英首相とルーズベルト米大統領の往復電報で明らかになったルーズベルトの追記について、大戦中の米英関係に詳しいウォーレン・キンボール米ラトガース大教授は、編著「チャーチルとルーズベルト−完全な交信」で、「ルーズベルトは戦争回避よりも戦端を開こうとしていたと解釈される。また日本との開戦危機を欧州戦線への入り口に利用していたとの議論がある」と分析している。

■より厳しい協定案

中西輝政京都大名誉教授は産経新聞に、「暫定協定案を伝えて、日本が受け入れないだろうというのは矛盾している。日本の軍事行動が差し迫っていることを予測していたことは明らかで、チャーチルから最後通告のハル・ノートを出すことへの了解を取ることが目的だったのではないか」と指摘する。

米エール大図書館所蔵のスチムソン米陸軍長官日記には、1941年11月25日(米国時間)、ルーズベルトが軍事会議で「米国は来週月曜日(12月1日)にも攻撃を受ける可能性がある」と注意を促し、問題は「われわれ自身が過大な危険にさらされることなしに、日本に最初の1発を撃たせるような立場にいかに誘導していくかだ」と発言したと記されていた。

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ハル回顧録などによると、暫定協定案には中国が猛反対した。ルーズベルトはこれを放棄して翌26日、日本に、より厳しい協定案、いわゆるハル・ノートを提示。中国、仏印からの軍撤退など、日露戦争以降に日本がアジアで築いた権益の放棄を求めた。日本は「眼も暗むばかり失望に撃たれた」(東郷茂徳『時代の一面』)ことで米国との交渉打ち切りを決め、戦争を決意した。

■チャーチルも呼びかけ

ロンドン大学経済政治学院(LSE)のアントニー・ベスト准教授は「ルーズベルトは日本がタイなどへ何らかの攻撃準備をしていることを把握していた」とした上で「チャーチルにも戦争回避の意思はなかった。それより米国からアジア、欧州情勢での英国支持の確約を得るという外交目標が大きかった」と分析する。

マレー作戦など日本の軍事行動を察知していたチャーチルは30日の電報でルーズベルトに、「日本のこれ以上の攻撃(軍事作戦)は、ただちに最も深刻な結末に至ると(米英合同で)日本に宣告すること」が残された手段であると提案しており、中西氏は、「チャーチルは対日戦に米国を巻き込もうと事実上の宣戦布告を呼び掛けた」と読み解いた。

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日米の開戦責任について、東京裁判の判決は、「米国の譲歩にもかかわらず、日本は戦争計画を推進し、真珠湾の奇襲をはたし、強引に戦争に持ち込んだ」と一方的に日本に非があったとしている。しかし、往復電報は、「日本が和平交渉の最中に奇襲攻撃した」卑怯なだまし打ちではなく、「米英指導者が戦争ありきで日本を挑発して開戦へと追い詰めたことがうかがえる」(中西氏)との解釈を裏付けている。(ロンドン 岡部伸)
引用終わり
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エルサレムをイスラエルの首都と認めたトランプ米大統領

2017/12/10 08:53
20171209

読売新聞
社説
首都エルサレム 米国の認定は中東の混乱招く
2017年12月08日 06時00分

イスラエルとパレスチナの和平合意を建設的に仲介するという基本姿勢に疑問符が付いた。米国の外交政策への信頼が低下し、中東が一層混乱するのは避けられまい。


トランプ米大統領が、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、テルアビブにある米大使館の移転を準備するよう、国務省に指示した。エルサレムにイスラエルの政府や議会があり、首都として機能していることを理由に挙げた。

国際社会の共通認識とは大きく異なる。理解に苦しむ決定だ。

1967年の第3次中東戦争で、イスラエルは支配地を拡大した。旧市街を含む東エルサレムを占領し、西側と合わせた全域を「不可分の首都」と宣言している。

パレスチナ自治政府は、東エルサレムを「将来の首都」と位置付ける。旧市街には、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地が集中する。エルサレムの帰属は宗教が絡む複雑な問題だ。

日本を含む各国政府は、「帰属は当事者間の交渉で決めるべきだ」との中立的な立場をとる。菅官房長官が、この原則を改めて示したのはもっともだ。各国がテルアビブに大使館を置くのは、和平への障害を避ける目的がある。

米議会が1995年に大使館をエルサレムに置く法律を定めた後、歴代米大統領が執行を先送りしてきたのも同じ理由からだ。

自治政府のアッバス議長は、「和平プロセスを損なうだけでなく、地域を不安定化させる」と、トランプ氏の突然の決定を激しく非難した。自治区ガザでは大規模なデモが起き、アラブ諸国の首脳らも一斉に反発を表明した。

河野外相は今月下旬に、イスラエルやパレスチナを歴訪する方向で調整している。国連安全保障理事会も緊急会合を開く。事態の沈静化に寄与してもらいたい。

トランプ氏は、和平合意の実現を引き続き支援すると強調した。イスラエル寄りの立場をこれほど鮮明に示して、仲介できるのか。2014年から中断している交渉の再開は一段と困難になった。

昨年の米大統領選で掲げた「首都移転」の公約を実現させ、支持層にアピールする狙いが、トランプ氏にはあろう。政権とロシアの癒着疑惑から、国民の目をそらせる思惑も否定できない。

「内向き」の外交施策に国務省が歯止めをかける役割を果たしていないのは問題だ。米国の中東戦略は、エネルギー安全保障や世界経済に影響を及ぼす。政権は、重い責任を認識せねばならない。

2017年12月08日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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日経新聞
社説
中東和平の努力を妨げる身勝手な判断だ
社説 2017/12/8付

トランプ米大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認め、商都テルアビブにある米国大使館をエルサレムに移す方針を決めた。

中東和平の努力を妨げ、地域を不安定に陥れる身勝手な判断と言わざるをえない。

エルサレムはユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地が集中する。旧市街の1平方キロメートルに満たない一角をめぐって歴史上、何度も衝突が繰り返されてきた。

イスラエルは1967年の第3次中東戦争で旧市街を含む、東エルサレムを占領・併合した。エルサレムを永遠・不可分の首都と宣言する一方、パレスチナ人も将来の独立国家の首都と主張する。

93年の「パレスチナ暫定自治宣言(オスロ合意)」は、イスラエルと将来のパレスチナ国家が共存し、エルサレムの帰属は当事者の交渉で解決することを確認した。

国際社会もこれを和平実現の原則とし、各国はエルサレムでなくテルアビブに大使館を置く。

オスロ合意は米クリントン政権が仲介して実現した。その後の交渉がうまくいっていないのは確かだが、イスラエルに一方的に肩入れするトランプ大統領の今回の判断は、公正な仲介者としての立場の放棄である。

パレスチナやアラブ諸国は反発している。大使館移転を発表した大統領は中東和平交渉へ関与を続ける意欲を示したが、交渉は後退を余儀なくされるだろう。

パレスチナ問題は不安定な中東の核心にある問題だ。今回の判断が民衆の怒りに火をつければ中東の混迷は増す。イスラム過激派が米国の姿勢を口実にテロを活発化させることも心配だ。

懸念されるのは、トランプ大統領がどこを向いて判断を下したかだ。トランプ氏は大統領選挙戦でエルサレムへの大使館移転を公約に掲げてきた。

自身の支持率が低迷するなかで、公約の実行で支持者をつなぎとめ、ロシアと政権の不適切なつながりが疑われる「ロシア疑惑」から国民の目をそらすことが狙いだとすれば、ご都合主義と言わざるをえない。

日本は米国に追随してはならない。エルサレムの問題は、2国家共存の原則にたった和平交渉を通じて解決すべきだ。日本は、同じ立場に立つ欧州諸国などとともに、イスラエル、パレスチナ双方にこの原則に基づく直接交渉の再開を促していく必要がある。
引用終わり
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朝日新聞
(社説)米の中東政策 和平遠のく「首都」宣言
2017年12月8日05時00分

第1次大戦の際、英国の外相がユダヤ人の民族的郷土づくりを支持する書簡を出した。バルフォア宣言と呼ばれ、それがイスラエル建国につながった。

宣言から先月で100年。今度は米国の大統領が、宗教都市エルサレムをイスラエルの首都と認め、宣言文書に署名した。

20世紀以来続くのは、大国によるイスラエルへの肩入れであり、その裏で堆積(たいせき)するパレスチナの失望である。欧米の思惑に翻弄(ほんろう)され、居住地や聖地を占領され続けた怒りは大きい。

トランプ米大統領は、そんな歴史にどれほど思いをはせたのか。歴代の米政権が避けてきた一線を踏み越え、聖地の帰属を宣言した意味は重い。米国は、公正な仲介人として中東和平に取りくむ立場を失った。

イスラエルはすでにエルサレムを「首都」として支配している。だとしても、パレスチナの人々も東エルサレムを首都とする国造りをめざしている。

長年の紛争を解決するには、「2国家共存」しかない。その構想をいつか実現するためにも国際社会はエルサレムの扱いを先送りし、各国とも大使館を商都テルアビブに置いてきた。

だがトランプ氏は、大使館の移転も指示した。手詰まりの和平構想をさらに遠のかせる無分別な決定というほかない。

ここにも透けて見えるのは、トランプ流の自国第一主義である。自由貿易協定の見直しなどと同様に、中東政策も選挙公約どおり転換する実行力を誇示する狙いがあるようだ。だが、その対価となる米外交の信頼性の損失は計り知れない。

500万人以上のパレスチナ難民は今も世代を超えて劣悪な生活を強いられている。パレスチナ自治区の中でも貧困と荒廃が続いている。その理不尽な問題の放置が過激思想の温床となり、イスラエルと世界を苦しめるテロの脅威を広めてきた。

エルサレムは、ユダヤ教とキリスト教とともにイスラム教の聖地でもある。その地位を一方的に変えれば、世界のイスラム圏で反発を招きかねない。

その底知れない影響を理解しないトランプ氏の暴走を、国際社会は看過してはなるまい。

歴史上の責任をもつ英国やフランスなどは、国連などで米国の過ちをただし、エルサレム問題の棚上げと和平交渉の再開に向けて力を尽くすべきだ。

日本政府もかねて中東安定への貢献を約束してきた。菅官房長官はこの問題について「米国を含む関係国と緊密に連携」するというが、今は米国との連携ではなく、直言を考える時だ。
引用終わり
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産経新聞
2017.12.8 05:03更新
【主張】
エルサレム「首都」 2国家共存の原則崩すな

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トランプ米大統領が、エルサレムをイスラエルの首都と認定し、テルアビブにある大使館の移転準備を指示した。

これまで国際社会は、パレスチナ国家を樹立し、イスラエルと平和共存させる「2国家共存」を目指す中東和平プロセスに取り組んできた。

トランプ氏の決定は、さっそく中東諸国や英仏などから反発を招いている。従来の和平努力が水泡に帰しかねない、無謀な判断であることは否めない。

トランプ氏は「2国家共存」の枠組みを否定はせず、引き続き和平に努めることも表明した。仲介の役割を放棄していない証しを、行動によって示すべきである。

エルサレムはユダヤ、イスラム、キリスト教の聖地であり、パレスチナ側も「将来の首都」と主張している。その地位は和平交渉での最大の課題の一つだ。

1990年代以降、交渉を仲介してきた米国が一方的にイスラエルの言い分を認めれば、仲介の役割を降りるに等しい。

和平交渉は2014年を最後に途絶え、将来への展望が開けない現状にある。だが、4度の戦争を含め、憎悪と流血の末にたどりついた和平への道であることを軽視すべきではなかろう。

「2国家共存」構想は日本を含め国際社会が後押ししてきた。各国が協力して知恵を絞り、和平プロセスを守る必要があることに変わりはない。

中東地域は、スンニ派の盟主サウジアラビアとシーア派の大国イランの覇権争いで、シリアやイエメンの内戦が泥沼化している。過激組織「イスラム国」(IS)は弱体化したものの、拡散した戦闘員によるテロの脅威はなくなっていない。

エルサレムの首都認定などは、トランプ氏の大統領選での公約だった。親イスラエルの保守層などを意識したのだろう。

そうした国内向けの判断が、世界の平和と安定を犠牲にすることは容認しがたい。河野太郎外相が「中東和平をめぐる状況が厳しさを増す懸念がある」と表明したのは当然である。

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決定を受け、イスラム過激組織が暴力を煽(あお)り、アラブ世界での抗議行動がエスカレートする恐れがある。もとより暴力を正当化することは許されないが、米国には大使館の移転など今後の具体的な措置について慎重さを求めたい。
引用終わり
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毎日新聞
社説
米がエルサレムは「首都」 対立あおる危険な決定だ
毎日新聞2017年12月7日 東京朝刊

危険な決定と言うよりない。アラブ・イスラエルの歴史的対立の火にみすみす油を注ぐような道をなぜ選ぶのか。そして、なぜ今なのか。


米政府は5日、トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認定し、今はテルアビブにある米大使館のエルサレム移転を決めたことを明らかにした。大統領自身が表明する予定だ。

東エルサレムを首都として国家樹立を目指すパレスチナ自治政府をはじめ、アラブ各国は猛反発している。これに便乗したテロが各地で起きることも懸念される状況だ。

3宗教(ユダヤ、キリスト、イスラム)の聖地があるエルサレムは1947年の国連総会パレスチナ分割決議で「国際管理地」とされた。

80年代にイスラエルがエルサレムを「不可分の首都」とした時も、国連安保理はその宣言を無効として撤回を求める決議を採択している。

さらに、90年代から米国を主な仲介役として始まった中東和平交渉では、エルサレムの最終的地位を当事者の協議によって決めることになっていた。トランプ政権の決定は大きな方針転換であり、中東和平プロセスを崩壊に導く恐れもある。

米議会は95年、大使館移転を求める法を制定したが、歴代政権は執行を延期してきた。それは、同盟国イスラエルへの配慮と米国の国際的な責任を両立させる知恵とも言えた。

今、米国が努めるべきなのは和平交渉再開に向けた仲介であり、国際社会が支持する「2国家共存」の枠組みを崩すことではないはずだ。

エルサレムへの大使館移転はどう見ても筋が通らない。米国への追随も危険だ。中東和平を支援する日本が、現時点で大使館移転は考えていないと表明した点は評価したい。

米国の決定の背景にはトランプ氏の娘婿でユダヤ教徒のジャレッド・クシュナー氏(大統領上級顧問)の影響が指摘される。ロシアとの癒着疑惑「ロシアゲート」に関する同氏への追及の矛先を鈍らせ、親イスラエルの傾向が強い保守層の歓心を買って政権の人気回復を図る。トランプ氏のそんな思惑も感じられる。

だが、聖地を政治の道具にしてはならない。紛争の地・中東に新たな火種を投じるのは、米国に不利益をもたらすだけである。
引用終わり
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衆・参両院 北朝鮮非難決議

2017/12/08 14:12
20171207

私見
衆参両院の議員諸公は、この決議で何かをやった積りであろうか。決議では北朝鮮への制裁などの徹底などを、求めているが単なる作文だと感じる。

制裁を本格的に実施するのであれば、船舶検査法に於ける条文「外国の領域に於ける対応措置に付いては、その同意を必要とする」。などは自国領海に逃失せられれば手の出しようがないことを意味する。

積荷検査に於いても船長又は旗国の同意がなければできない。などとしているがこれでは何もできない事を証明しているようなものだ。

自衛隊を出動させる事は一定の強制力を持たせることにある。

議員諸公には「策源地攻撃能力保持」と船舶検査法の改正を目指して議論して頂きたい。

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《参考》
衆議院ホームページから抜粋

北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議案 (第一九五回国会、決議第一号)

十一月二十九日、北朝鮮は、一発の弾道ミサイルを発射し、青森県西方約二百五十キロの日本海上の我が国の排他的経済水域内に落下した。北朝鮮による累次の弾道ミサイル発射や六度目となる核実験の強行を受けて、先般、北朝鮮に対して格段に厳しい制裁措置を課す強力な国連安保理決議第二三七五号が採択されたにもかかわらず、十一月二十九日の朝鮮民主主義人民共和国「政府」声明において、金正恩国務委員長は国家核武力完成の歴史的大業、ロケット強国の偉業を実現したと宣言し、核・ミサイル開発を放棄する意思を一切示していない。また、今回の発射は、国際社会の一致した平和的解決への強い意思を踏みにじり、一連の国連安保理決議及び日朝平壌宣言に違反するとともに、六者会合共同声明の趣旨に反するものであり、断じて容認できない。加えて、平成六年の米朝間の「合意された枠組」をはじめ、多数の国際社会との約束が反故にされた過去の事実に鑑みれば、国際社会全体で北朝鮮に対して最大限の圧力をかけ、北朝鮮の側から対話を求めてくる状況を作らなければならない。

北朝鮮の核・ミサイル開発はこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、本院は北朝鮮に対し厳重に抗議し、強く非難する。さらに、更なる挑発行動を控え、核・弾道ミサイル開発計画を直ちに放棄するよう強く求める。

国際社会は、国連安保理決議等を踏まえ、結束した外交努力を展開し、平和的な解決を模索すべきである。政府においては、国連加盟国に対し、これまでの国連安保理決議に基づく制裁措置の完全な履行を実現するよう働きかけを一層強化しつつ、新たな安保理決議の採択を含め、米国、韓国、中国、ロシア等関係各国と緊密に連携し、北朝鮮に対する一層厳格で実効的な措置を取るよう求めるべきである。

さらに、政府は、国民の生命と財産、我が国の領土・領海・領空を守るべく、不測の事態に備え、我が国の防衛に万全を期すとともに、緊急時における国民に対する一層正確かつ迅速な情報伝達や、広報や訓練の実施等を通じた国民の安全を守るための行動の周知に努めるべきである。北朝鮮による核・弾道ミサイル開発計画の即時放棄、そして最重要課題である拉致問題については被害者全員の即時帰国を実現すべく、政府は総力を挙げて努力し、もって国民の負託に応えるべきである。

右決議する。
引用終わり
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《参考》
参議院ホームページから抜粋

北朝鮮による弾道ミサイル発射に抗議する決議

平成29年12月4日

参議院本会議

去る十一月二十九日、北朝鮮は、国際社会の度重なる抗議と警告を無視し、ICBM級とみられる弾道ミサイル一発を発射し、日本海の我が国の排他的経済水域内に落下した。これは、関連する国連安全保障理事会決議や日朝平壌宣言に違反するとともに、六者会合共同声明の趣旨にも反するものであり、断固として抗議する。

北朝鮮は、九月三日に六回目となる過去最大規模の核実験を強行し、八月二十九日及び九月十五日には我が国上空を通過する形での弾道ミサイル発射を立て続けに行った。さらに、今回、過去最高の高度に達する弾道ミサイル発射を強行した。これまでの北朝鮮による核実験及び度重なる弾道ミサイル発射に加え、今回の弾道ミサイル発射は、核・ミサイル開発をあくまでも継続するという北朝鮮の意図の表れであり、国際社会に対する正面からの挑発として、断じて容認できない。これらの挑発行為は、我が国を含む地域の安全に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威であり、地域及び国際社会の平和と安全を著しく損なうものであることから、極めて強く非難する。

本院は、北朝鮮に対し、一切の挑発行動をやめ、全ての核及び弾道ミサイル計画を放棄し、不可逆的かつ検証可能な国際社会による管理を受け入れ、朝鮮半島の非核化に取り組むことを強く求める。また、安保理決議第二三七五号を始めとする関連する安保理決議を即時かつ完全に履行することを断固として要求する。

国際社会は、安保理決議に基づく制裁措置を完全に履行することを通じ、北朝鮮の考えを改めさせるとともに意味のある対話に引き出し、外交努力による平和的解決を模索すべきである。

政府は、国際社会に対して、安保理決議の確実な履行を強く働きかけるとともに、併せて、米国、韓国、中国、ロシア等関係各国と緊密に連携し、北朝鮮が挑発行動をやめ非核化に向けた具体的行動をとるよう強く求めるべきである。同時に、我が国独自の制裁の徹底及び強化を図るべきである。

加えて、政府は、北朝鮮情勢に関する情報収集・分析を徹底するとともに、日米韓の情報共有を含む連携をより一層強化すること、また、国民に対して迅速かつ的確な情報提供を行うとともに、不測の事態に備えて不断に必要な態勢をとることのほか、我が国の平和と安全の確保、国民の安全と安心の確保に努め、万全の措置を講ずるべきである。

北朝鮮の核・ミサイル問題のみならず、拉致問題も我が国の主権及び国民の生命と安全に関わる最も重大な問題であり、国際社会が結束して北朝鮮による核、ミサイル、そして、最重要課題である拉致問題の包括的かつ早急な解決を図るべく、政府の総力を挙げた努力を傾注し、もって国民の負託に応えるべきである。

右決議する。

(山本順三君外十二名発議)
引用終わり
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北朝鮮ミサイル試射

2017/12/01 03:03
20171130

読売新聞
社説
北ICBM発射 米との緊張高める危険な挑発
2017年11月30日 06時04分

◆国際圧力強化で対話に引き出せ◆


国際社会の包囲網にもかかわらず、「核ミサイル」を喧伝けんでんし、独裁体制の生き残りを図る。そんな思惑が、一段と明白になったと言えよう。

北朝鮮の危険かつ身勝手な振る舞いを改めさせるには、関係国が緊密に連携し、圧力を強化しなければならない。

北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射した。

通常より高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」で高度は4000キロを大幅に超え、過去最高だった。53分間で約1000キロ飛行し、青森県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

◆脅威の冷静な分析を◆

ICBMの発射は、7月の2回に続いて3回目だ。今回のミサイルを通常の角度で発射した場合の射程は、1万3000キロ以上と推定する専門家もいる。首都ワシントンなど、米本土の主要都市まで届く計算になる。

安倍首相は「国際社会の平和的解決への意思を踏みにじり、暴挙を行ったことは断じて容認できない」と記者団に述べた。

政府が直ちに、北朝鮮に厳重抗議したのは当然である。

北朝鮮は、米本土全域を攻撃でき、大型核弾頭の搭載が可能なICBM「火星15」の試験発射に成功した、と発表した。朝鮮労働党の金正恩委員長は、「ついに核戦力完成の歴史的大業が実現した」と言い放った。

自国の戦力を誇張するのは、北朝鮮の常套じょうとう手段であることに留意せねばなるまい。高度を稼ぐため、弾頭を実戦用よりも軽くした可能性がある。大気圏再突入技術の獲得も確認されていない。能力に関する冷静な分析が必要だ。

最近2か月半、北朝鮮の軍事的挑発はなかった。米国の出方を見極めていたのではないか。

トランプ米大統領は今月のアジア歴訪を通じて、経済、軍事両面で、北朝鮮への圧力を高める姿勢をアピールした。核・ミサイル開発の放棄が対話の前提になることを明確にし、テロ支援国家の再指定にも踏み切った。

北朝鮮は、今回の発射で、米国の圧力には屈しない意思を示したつもりなのだろう。危機を作り出し、米国に譲歩を迫る駆け引きに再び走ったと言える。米朝間の緊張が高まるのは必至だ。


◆制裁の効果を高めたい◆

トランプ氏は、「北朝鮮に対するアプローチに変更はない」として、既定の圧力路線を着実に進める意向を示した。制裁の効果への一定の手応えがあるのだろう。河野外相も、「経済制裁が効いているとの情報がある」と語った。

北朝鮮漁船が相次いで、日本の沿岸に漂着している。質の悪い燃料と老朽化した船体を使った無理な操業が原因との見方が強い。

北朝鮮から板門店の南北軍事境界線を越えて亡命した兵士は、肺結核などにかかっていた。劣悪な待遇がうかがえる。

安倍首相はトランプ氏との電話会談で、対北朝鮮圧力を最大限に強める方針を確認した。国連安全保障理事会は、緊急会合を開き、対応を協議する。制裁決議の厳格な履行で、中国、ロシアの協力を取り付けることが大切だ。

首相が参院予算委員会で「アプローチの仕方に温度差はあるが、今後も中露の動向をしっかりと分析し、働きかけるべき時には働きかけを行っていきたい」と強調したのはうなずける。

中国外務省も、発射に重大な懸念を表明した。北朝鮮への石油製品の輸出制限拡大など、追加制裁をためらってはならない。


◆迎撃能力強化も必要だ◆

日本は、不測の事態に備えて、迎撃能力を拡充すべきだ。

来年度の予算編成では、陸上配備型イージスシステムの関連経費や、新型ミサイルの取得費などの適切な計上が欠かせない。

気がかりなのは、自衛隊、米軍、韓国軍が揃そろって参加する演習や訓練が行われていないことだ。

今月中旬に「ロナルド・レーガン」など米空母3隻が日本海に入った際も、演習は日米、米韓での実施にとどまった。

韓国側に、自衛隊との連携への反発があるためだとされる。中国が日米韓3か国の安保協力の緊密化を警戒し、韓国に慎重な対応を迫っているという事情もある。

韓国は、ICBM発射直後に、対処能力を示すため、日本海でミサイル訓練を実施した。

北朝鮮に融和的な文在寅大統領も、事態の深刻化を受けて、軍事面での対抗措置に出ざるを得なかったのだろう。日米韓の安保面での連携強化を躊躇ちゅうちょしている場合ではないはずだ。

2017年11月30日 06時04分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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朝日新聞
(社説)対北朝鮮政策 制裁と外交で活路を
2017年11月30日05時00分

北朝鮮がきのう、弾道ミサイルを発射した。大量破壊兵器の開発をめぐる行動としては、2カ月半の「沈黙」を破った。

核・ミサイル凍結のかすかな期待を裏切る蛮行である。日米韓が、国連安保理の緊急会合を求めたのは当然だ。

国際社会は、暴挙を許さない決意を崩してはならない。国連の全加盟国が、いっそう結束を強めて対処すべきである。

ミサイルは、過去最も高い約4500キロまで上昇したとされる。専門家によると、首都ワシントンを含む米国の東海岸にまで飛ぶ可能性がある。

もし米全土に届く大陸間弾道ミサイル(ICBM)ができたとすれば、軍事レベルは極めて危うい段階に入る。だが、大気圏に再突入する技術を得たかどうかなど、不明な点が多い。

今回の発射が何より鮮明にしたのは、北朝鮮は当面、米全土を攻撃できる軍事力の追求をやめないという意思である。その意思を変えさせる方策を探しだす難題が続いている。

この2カ月半の休止が何だったのか、読み方は難しい。

米国は空母3隻を派遣するなど圧力を強めてきた。北朝鮮は、失敗を避けようと時間をかけて発射の準備を進めてきたという見方はできる。

一方でこの間は、トランプ米大統領のアジア歴訪に伴う各国の会談に加え、中国特使による平壌訪問もあった。さまざまな動きを注視し、今後のふるまいを練ったのも確かだろう。

すでに科された国連制裁は、これから本格的な効きめを表し、年末から北朝鮮経済は深刻な打撃を受けるとみられる。

その厳しさに備えようということか、ここ最近、最高指導者の金正恩(キムジョンウン)氏は国内の経済分野での現地指導や視察を重ねた。

きのう北朝鮮メディアは「国家核戦力完成」「ミサイル強国の偉業」と宣伝したが、その割にはあえて飛距離を抑える発射方法を選んだ。米国との軍事衝突は避けつつ、国内に実績をアピールしたい金正恩政権の思惑がうかがえる。

そうした北朝鮮側の事情をにらみながら、あらゆるルートを駆使して外交の工夫を凝らすのが日米韓各政府の務めだ。

かつて北朝鮮核危機に取り組んだペリー元米国防長官は、現況下で実行可能な軍事オプションはないとし、「対話しなければ、よい結果はそもそも得られない」と本紙に語った。

国連制裁の履行を着実に進めつつ、中国、ロシアと調整しながら平壌との対話を探る。そのための外交力が問われている。
引用終わり
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毎日新聞
社説
北朝鮮「核戦力完成」と主張 状況の悪化を食い止めよ
毎日新聞2017年11月30日 東京朝刊

北朝鮮をめぐる危機が新たな段階に入ったと考えるべきだろう。

北朝鮮がきのう2カ月半ぶりに弾道ミサイルを発射し、青森県沖約250キロの日本の排他的経済水域(EEZ)に落下させた。

通常より高い角度に打ち上げるロフテッド軌道だった。山なりに飛ばして飛距離を抑える方法だ。最高高度は初めて4000キロを超えた。飛距離は1000キロに近く、50分以上も飛行した。

北朝鮮は、米全土に届く新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」だと発表した。

通常軌道で発射された場合の射程は1万3000キロに達すると推定される。首都ワシントンやニューヨークなども射程に収めたことになる。

北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は発射に立ち会い、「核戦力完成の歴史的大業が実現された」と語った。正確に何を意味するのか不明ではあるものの、核兵器で米国を攻撃できる能力を保有したという宣言であれば危機のレベルは格段に高まったことになる。

北朝鮮は、米国に対する抑止力を確保しようと核・ミサイル開発を急いできた。後ろ盾である中国の反対すら無視する裏には、体制生き残りのためには核保有しかないという切迫した思いがあろう。

北朝鮮は核保有国という対等の立場で米国と交渉することを望んでいる。金委員長の言葉はそうした交渉を仕掛けるための布石に見える。

米国の一部には、北朝鮮の核保有を容認せざるをえないという主張がある。米本土を狙うICBMの配備を阻止するか、互いにけん制しあい使用させない核抑止の論理で対応すればよいという考えだ。

だが、そうした状況は日本として受け入れがたい。日本と韓国は核の脅威にさらされ続けることになりかねないからだ。米国が自国への核攻撃を覚悟してまで日韓を守ってくれるだろうかという疑念が生じれば、同盟関係が揺らぐ恐れもある。

日本にできることは限られているが、手をこまねいているわけにはいかない。米韓と連携して中国、ロシアに働きかけ、北朝鮮に核放棄を迫る包囲網を強めていく必要がある。さらなる状況悪化を食い止める外交努力を尽くさねばならない。
引用終わり
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産経新聞
2017.11.30 05:02更新
【主張】
ICBM発射 北は自滅への道急ぐのか 「核完成」阻止へ手立て尽くせ

(1/2ページ) .
北朝鮮に核・弾道ミサイル戦力を放棄する考えなどない。それが改めて明確になった。

北朝鮮が日本海に向けて発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)は、約千キロ飛行して青森県西方約250キロの日本の排他的経済水域(EEZ)に着弾した。

日本は、同盟国である米国や国際社会とともに、北朝鮮の核戦力完成を全力で阻止すべきだ。

必要な手立てはすべて講じなければならない。連携、結束という言葉にとどまらず、日本自らのさらなる具体的行動が求められる。残された時間は多くはない。

≪圧力なき対話は無力だ≫

国連安全保障理事会の決議に違反し、平和を乱す暴挙を、世界が非難している。厳しい制裁措置を受けながらも、北朝鮮は自滅への道から引き返してはいない。核を放棄する対話のテーブルにつかせるための努力は、なお必要だ。

ICBMは、通常よりも高い角度で打ち上げる「ロフテッド軌道」をとり、到達高度は過去最高の約4500キロだった。通常軌道であれば、1万3千キロ以上飛ぶとみられる。北朝鮮は声明で「米本土全域を攻撃できる」ほか、「超大型の重量級核弾頭」を搭載できると主張した。

「国家核戦力の完成」を宣言したが、これは額面通りに受け取れない。ICBMで米本土を射程に収めることと、核攻撃できることとは次元が異なるからだ。

ICBMの核弾頭が大気圏再突入時の7千度の高熱に耐え、もくろみ通りに爆発させるには技術的に高いハードルがある。北朝鮮はすでに7月の発射で成功したというが、日米両政府は懐疑的だ。今回の発射も分析が必要だ。

それでも、北朝鮮が着々と開発を進めてきたことは明白だ。放置すれば対米核攻撃能力を完成させるだろう。米国が日韓両国にさしかける「核の傘」は、破れ傘になってしまう。

北朝鮮の弾道ミサイル発射は2カ月半ぶりとなる。その間、トランプ米大統領のアジア歴訪や米空母3隻の日本海集結、中国共産党大会の開催があった。

(2/2ページ) .
北朝鮮が軟化してきたという希望的観測も一部にあったが、完全な誤りだった。河野太郎外相が、「抑制していたのではなく、着々と次の行動の準備をしていた」と述べたのは正しい。

こうした相手には、経済、軍事の両面から、最大限の圧力をかけ続けるしかない。

日米などが圧力強化を図ることで、北朝鮮が暴発するとの批判があるが、極めておかしなもので、独裁者を喜ばせかねない。情緒的な判断は禁物である。

強い制裁なしに核武装を止めることはできない。安倍晋三首相が国会で、「われわれが『暴発するかもしれない』とたじろげば、まさに彼ら(北朝鮮)の思うつぼになる」と語ったのは妥当だ。

≪船舶検査の態勢をとれ≫

ICBM発射は、国連の制裁や米国によるテロ支援国家再指定に真っ向から挑戦するものともいえる。日本も安保理決議に基づく制裁の完全履行を各国に求めてきたが、それだけでは不十分である。新たな暴挙には新たなペナルティーが科されるべきだ。日本は、石油の全面禁輸を含む制裁強化を呼びかけたらどうか。

ティラーソン米国務長官は声明で、「北朝鮮に物資を運搬する海上交通を禁止」する追加制裁を呼びかけた。経済制裁の一環としての海上封鎖である。

その際、北朝鮮の隣国である日本は大きな役割を期待されよう。ところが、現行の船舶検査活動法に欠陥がある。海上自衛隊や海上保安庁は不審船の船長が拒否すれば、乗船して調査することはできない。安保理が海上封鎖を決めたとしても、日本は国連加盟国としての責任を十分に果たせない。

政府と与野党は、今の国会で諸外国並みの海上封鎖に当たれるよう法改正に取り組むべきだ。国民を北朝鮮の核の脅威から守るため、迅速な行動が必要である。

ティラーソン氏は、現在は休戦中となっている朝鮮戦争の国連軍参加国に、日本など関係国を加えた国際会議をカナダと共催することも明らかにした。北朝鮮を牽制(けんせい)するねらいがある。

横田基地(東京都)には朝鮮国連軍の後方司令部がある。日本は参加各国と地位協定を結び、基地使用などを認めている。その意味でも国際協調に努めたい。
引用終わり
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森友・加計問題 いつまで引きずるのか?

2017/12/01 03:00
20171129

朝日新聞
(社説)森友・加計 解明は首相にかかる
2017年11月29日05時00分

衆院の予算委員会はきのう、野党各党が質問に立った。

改めて浮かび上がったのは、森友学園への国有地売却があまりにも不自然だったことだ。

立憲民主党の川内博史氏は財務省幹部にただした。

近年の同種契約のなかで、売却額を非公表にした例は。分割払いや、売却を前提にした定期借地契約を認めた例は……。

「本件のみでございます」と4回続いた答弁が、異例の扱いぶりを雄弁に物語っている。

だが結局のところ、募ったのはもどかしさと疑問ばかりだ。

なぜ、そんな特別扱いをしたのか。学園の籠池泰典前理事長らと交流があった安倍首相の妻昭恵氏への忖度(そんたく)は、あったのか否か。肝心な点の解明が依然として進まなかったからだ。

理由ははっきりしている。

問題に直接かかわった当事者が口を閉ざしているからだ。

森友問題では、昭恵氏や近畿財務局幹部、通常国会で答弁に立ってきた佐川宣寿・前財務省理財局長(現国税庁長官)。

加計問題では、学園の加計孝太郎理事長や、特区の構想を進め、官邸も訪れたとされる地元愛媛県や今治市の職員らだ。

野党が何度国会招致を求めても、与党が立ちはだかる。昭恵氏については首相が「私がすべて知る立場だ」とかわした。

衆院選で大勝した自民党には「この問題をいつまで審議するのか」との声もある。だが問題を長引かせているのはむしろ、真相究明に終始一貫後ろ向きな政府や首相の姿勢である。

森友問題では、約4カ月前から報じられていた学園側と財務局側の会談の音声データの内容を、一昨日の予算委でようやく認めた。加計問題でも、文部科学省の内部文書を1カ月近くも怪文書扱いした。

「安倍1強」のもと、首相官邸の不興を買いかねない場面は避けたい。そんな与党や官僚の忖度の結果、ずるずると解明の機会を失うなかで、新たな疑問が膨らんでいく。

この悪循環を断ち切れるのは首相自身である。

首相はこの日、「交渉した当事者や責任者から説明するのは当然のことだ」と述べた。

ならば、首相自身が財務省など関係省庁に改めて徹底調査を指示するべきだ。「国会が決めること」と身をかわさずに、関係者の国会招致を与党に求めることも欠かせない。

ふたつの問題を引きずれば引きずるほど、首相と行政機構への国民の不信は増す。「一点の曇りもない」という首相なら、何をためらう必要があろう。
引用終わり
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毎日新聞
社説
森友問題の政府側答弁 ほころびが明白になった
毎日新聞2017年11月29日 東京朝刊

幕引きどころか、さらに疑惑は深まったと言える。学校法人「森友学園」への国有地売却問題だ。


きのうの衆院予算委員会では、土地売却が値引きされた根拠となった地中のごみについて、近畿財務局と森友学園側が口裏合わせをしていたと疑わせる音声データの存在も指摘された。これらに対する財務省の答弁は著しく説得力を欠いていた。

森友問題は、会計検査院が「値引きの根拠が不十分」と厳しく指摘したことで新たな局面を迎えている。

そんな中、政府がやっと認めたのが、売買契約前の昨年5月、近畿財務局が売却価格に関し、「ゼロに近い形まで努力する」などと学園に伝えたとされる音声データの存在だ。

このデータには価格の下限をめぐるやり取りも記録されている。共産党が指摘した「口裏合わせ」の音声データも財務省は存在を認めた。

これまで佐川宣寿・前財務省理財局長(現国税庁長官)は「財務局側から価格を提示したことはない」と国会で繰り返してきた。この答弁と矛盾しているのは明らかだ。

ところが財務省は「金額に関する一切のやり取りがなかったかのように受け取られたのは申し訳ない」と陳謝しながらも、このやり取りは財務省の考え方を伝えただけで価格交渉ではないと否定。「金額は触れたが価格は言っていない」と全く理解できない答弁まで飛び出した。

一方、安倍晋三首相は「売却手続きも価格も適切だった」とこれまで答弁してきたことに対し、「財務省を信頼している」と述べるだけで、「私が調べたわけではない」とも語った。これも無責任な姿勢だ。政府はまず従来の答弁を撤回し、不適切だったと認めるべきだろう。

首相らは会計検査院の指摘を真摯(しんし)に受け止め、今後、直すべき点は直すと言う。しかし、「森友」の件ではどこが問題なのかは具体的にしない。これでは解明も改善も進まない。

財務省は契約価格を非公開にしたり、売却を前提に定期借地権契約を結んだりした例は、過去数年で今回だけだとも認めた。

問題の本質は、なぜこうした特例が重ねられたのかだ。佐川氏や、問題となった小学校の名誉校長に一時就任していた首相の妻昭恵氏らの国会招致はますます不可欠になった。
引用終わり
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私見
森友・加計問題は、追及するに足る明確な根拠がないなら野党は幕引きを図るべきだ。朝日と毎日の論説は疑惑の具体的な根拠を示すべきだ。


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慰安婦記念日 文政権は正気か

2017/12/01 02:41
20171129

読売新聞
社説
慰安婦記念日 「反日」迎合を強める韓国政治
2017年11月29日 06時00分

韓国の独善的な動きによって、歴史問題を巡る日本との溝が一段と深まった。これでは、「未来志向」の日韓関係の構築は遠のくばかりだ。


韓国国会で、8月14日を「日本軍慰安婦被害者をたたえる日」と定める改正法が可決された。賛成205、反対ゼロ、棄権8で、与野党ともに支持した。近く公布され、その半年後に施行される。

改正法は、記念日制定の目的を「慰安婦問題を国内外に知らせる」ことだと明記した。政府と地方自治体に対し、行事を催し、広報する努力を求めている。

政府が元慰安婦に関する政策を立案する場合には、本人の意見を聴取する条項も盛り込まれた。

元慰安婦の金学順さんが、1991年に初めて名乗り出て、取材に応じたのが8月14日だ。記念日の法制化により、毎年この日が来るたびに、慰安婦問題が公に蒸し返されることになる。

植民地支配から解放された翌15日の「光復節」と合わせ、韓国人の反日感情が引き継がれていくのではないか。日本人の韓国観が厳しさを増すのは避けられまい。

看過できないのは、文在寅政権が、慰安婦問題に焦点を当てる施策を推進していることだ。

7月に策定した国政5か年計画で、記念日の制定や「歴史館」の建設を打ち出した。国立墓地に追悼碑を建てる方針も発表した。

ソウル高裁は、慰安婦に関する学術書の著者、朴裕河教授に対し、名誉毀損きそんで有罪判決を言い渡した。トランプ米大統領の歓迎夕食会には、元慰安婦が招かれた。

政府・国会・司法が揃そろって、韓国の市民団体が煽あおる反日運動に迎合する。極めて深刻な事態だ。

日韓両政府は、2015年の合意で、慰安婦問題の「最終的かつ不可逆的な解決」を確認している。双方が歩み寄った貴重な成果であり、再交渉の余地はない。

合意には、当時の朴槿恵政権が元慰安婦から聞いた要望も反映されている。元慰安婦の7割は、合意に基づき、韓国政府が設立した財団から現金支給を受けた。文政権はこうした事実こそ、国民に広く知らせるべきではないのか。

菅官房長官が記念日について、「日韓合意の趣旨に反する」と、遺憾の意を表明したのは当然である。首脳会談などの機会に、合意の着実な履行を促すべきだ。

訪韓中だった公明党の山口代表は、日韓関係全体に悪影響が及ぶことへの懸念を示した。日韓議連を通じた議員交流の強化など、多角的な努力も必要だろう。

2017年11月29日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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衆院予算委員会で森友土地問題追及

2017/12/01 02:38
20171128

読売新聞
社説
森友予算委審議 検査院の指摘に丁寧に応えよ
2017年11月28日 06時00分

森友学園への土地売却の正当性に重大な疑問符が付いた以上、政府は問題点を再整理し、丁寧に対応すべきだ。


衆院予算委員会の質疑がスタートした。

会計検査院は先週、評価額より約8億円安い価格での大阪府豊中市の国有地売却について「根拠が不十分だ」とする検査結果を公表した。安倍首相は答弁で、「会計検査院の指摘は、真摯しんしに受け止めなければいけない」と語った。

首相は、「国有財産の売却業務のあり方を見直すことが必要だ」とも述べた。国有財産の管理処分手続きや公文書管理について、法改正を含めて改善するという。

いずれも当然の措置だ。早急に着手しなければならない。

財務省は、学園と近畿財務局の交渉を記録した音声データの内容を確認した。財務局側が「できるだけゼロ円に近い額になるように作業している」などと述べている。財務省は、価格交渉ではないため問題ない、との見解を示した。

財務省は過去の理財局長答弁などで価格の提示を否定しており、整合性が問われる。自民党の菅原一秀氏が「虚偽答弁と疑われる」と強調したのも無理はない。

この土地は国が買い戻し、損害は生じていないが、値引きの理由が不明確なのは問題だ。財務省も「政治的な配慮はなかった」と主張するなら、交渉記録は廃棄済みだとしても、可能な範囲で調査することが大切だろう。

立憲民主党の長妻昭代表代行は「官僚に忖度そんたくがなかったのか」と追及した。だが、新たな証拠や証言もないまま、同じ質問を繰り返しているだけではないのか。

国家戦略特区を利用した加計学園の獣医学部新設について、首相は「具体的な指示は一切していない」と改めて関与を否定した。

問題の発端は、内閣府が「総理のご意向」として開学を促したとされる文部科学省の内部文書の発覚だ。文書は「『諮問会議決定』という形にすれば、議長の総理の指示に見えるのではないか」との内閣府側の発言も記している。

「これは、首相からの指示がないということではないか」との菅原氏の指摘はうなずける。

憲法への自衛隊の明記について首相は「9条1、2項の制約は変わらない」と明言した。長妻氏は「追加した条文が優先され、地球の裏側まで武力行使できる解釈の余地が出る」と懸念を示した。

現在の安全保障環境を踏まえれば、自衛隊の根拠規定の追加は重要課題だ。議論を深めたい。

2017年11月28日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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日経新聞
社説
国有財産の処分に透明性を
社説 2017/11/28付

国民の財産である国有地が約8億円も値引きされて学校法人「森友学園」に売却された。にもかかわらず資料が廃棄され、妥当性を検証すらできない。そんなずさんな実態が会計検査院の報告書で改めて浮き彫りになった。

安倍晋三首相が国会で「国有地は国民共有の財産であり、売却にあたっては国民の疑念を招くことがあってはならない」と答弁したのは当然だ。真相究明と再発防止に全力を挙げるべきだ。

報告書は値引きの根拠となった国有地のごみの推計量について「十分な根拠が確認できず、慎重な検討を欠いていた」と指摘した。

森友学園をめぐっては首相の昭恵夫人が開設予定の小学校の「名誉校長」に一時就任した。値引きに政治家の関与や官僚の忖度(そんたく)があったか否かが問われたが、報告書は触れなかった。

8億円の積算根拠となる資料を財務省や国土交通省が廃棄していたからだ。保存期間1年未満の行政文書はいつでも廃棄できるとの説明に国民の納得は得られまい。保管ルールの強化は欠かせない。

検査院によると、国土交通省大阪航空局がごみの量を過大に推計し、大幅な値引きにつながった可能性がある。政府は「法令に基づき適正な手続きで処分した」と説明してきたが、前提は崩れた。

野党は昭恵夫人や財務省理財局長としてかかわった佐川宣寿国税庁長官らの国会招致を求めている。与党も率先して協力すべきだ。近畿財務局職員らへの背任容疑での告発を受理した大阪地検特捜部は、徹底して真相を解明してもらいたい。

会計検査の課題もある。衆院選後の公表となったのはなぜか。もっと迅速に対応できなかったか。さらなる検査の改善を求めたい。

財務省は今後、国有財産の売却の際、地下にごみが埋まっているような特殊な例では、専門家に撤去費用の算定を依頼するという。こんな当たり前のことすらできていなかったのは驚きだ。抜本的な再発防止策を打ち出すべきだ。
引用終わり
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朝日新聞
(社説)衆院予算委 議論深まらぬ与党質問
2017年11月28日05時00分

衆院選後初めての予算委員会が衆院で行われた。

「街頭演説で説明するよりも国会で説明したい」。森友・加計学園の問題について、そう語ってきた安倍首相にとって、初の説明の場である。

ふたつの問題をめぐっては最近、新たな動きがあった。

加計学園については文部科学相が獣医学部新設を認可した。森友学園への国有地の売却経緯をめぐっては、会計検査院が調査内容を国会に報告した。

公平・公正であるべき行政手続きが、ゆがめられたのではないか。多くの国民の疑問に、首相は今度こそ「謙虚」に、「真摯(しんし)」に応える責任がある。

だが、初日の論戦は十分に深まったとは言いがたい。

最大の理由は、自民党の要求で野党の質問時間の割合が減ったことだ。従来は「与党2対野党8」だった質問時間は「5対9」に見直され、この日は政府への追及というより、政府と歩調をあわせるような与党の質問が5時間も続いた。

そんな中で注目されたのは、森友問題での自民党の菅原一秀氏の質問である。

菅原氏は、学園への国有地売却について、財務省職員が学園側に「ゼロに近い金額まで努力する」などと語る音声データが報じられたことを問うた。

政府はこれまで「一方的な報道だと思う」としてきたが、この日は財務省幹部が、近畿財務局職員に事実関係を確認したことを初めて認めた。

菅原氏は「結局、1億3千万円より下回らないと言っちゃってる。これは不適切であり、厳に戒めるべきだ」と指摘しながら、さらに踏み込んだ追及はしなかった。政府がなぜこれまでデータの内容を認めてこなかったのか、学園側となぜこのようなやりとりをしたのか、いくつもの疑問が積み残された。

通り一遍の答弁は許さず、疑問があれば二の矢、三の矢を放つ。この日の与党質問は立法府のあるべき姿とは程遠い。

与党の後に質問に立った立憲民主党の長妻昭氏が、質問時間の配分を従来通りに戻すべきだと主張したのは当然だろう。

だが首相は「国会の運営について指示をする立場にない」とかわした。

衆院予算委ではきょう、野党各党が質問に立つ。あすから2日間は参院でも予算委がある。

行政府を監視し、政治に緊張感をもたせる。野党の役割を果たすことができるかどうか。

菅原氏が問おうとしなかった質問を、きちんとただすべきなのは言うまでもない。
引用終わり
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毎日新聞
社説
予算委で与党質問5時間 増やすに足る内容なのか
毎日新聞2017年11月28日 東京朝刊

首相の出席する予算委員会の論戦はかつて「国会の華」と言われた。与野党の論客が首相と交わす丁々発止のやり取りが注目されたからだ。


だが、きのうの衆院予算委員会では、冒頭から夕方まで5時間にわたって「華」とは言い難い与党の質問が延々と続いた。従来なら野党第1党の質問が昼前には始まっていた。与野党の配分時間を「1対4」から「5対9」に見直した結果だ。

自民党からは4氏が3時間半、質問に立った。最初の田村憲久氏は「厳しい質問もいくつかある」と前置きし、先月の衆院選で「逆風が吹いていた」として「森友・加計」問題の説明を安倍晋三首相に求めた。

2人目の菅原一秀氏も「謙虚さを言葉だけでなく形にすることが大事だ」とただした。森友問題に関する財務省の説明を「虚偽答弁だったのではないか」とも追及した。

首相は「謙虚に受け止めながら、真摯(しんし)な説明を丁寧に行っていくことによって国民の理解を得たい」と応じた。だが、答弁は大筋で従来と変わらず、質問した両氏も真相解明を強く迫ることはしなかった。

長年の国会慣行を与党が強引に見直したのが今回の時間配分だ。野党から追及を受ける時間を減らすためだと言われないよう厳しい姿勢を演出したのだろう。半ば演技の出来レースでは解明が進むはずもない。

安倍首相に近い新藤義孝氏は自ら「ヨイショしているわけじゃない」と言いつつ首相の外交実績を褒めそやす一方、野党の政権批判を念頭に「劇場型」国会をけん制した。

自民党の最後は当選2回の加藤鮎子氏が農林水産行政について質問したが、実務的な確認事項が多く、首相にただす内容とは言えなかった。

与党が急に質問時間の配分見直しを言い出した理由に「若手議員の質問機会を増やす」というのがあった。各委員会や党の部会で経験を積ませた方がよいのではないか。

やはり必要なのは、政府に対する国会の監視機能だ。議院内閣制のもとでは与党と政府が一体となって政権を運営し、政府は政策や法案を決める過程で与党と事前調整する。与党の国会質問は調整結果の確認や今後への注文が多くなる。

政府説明を確認して問題なしとする与党質問では監視にならない。
引用終わり
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量子計算機開発

2017/11/28 08:50
20171127

読売新聞
社説
「量子」計算機 日本発の技術を磨き上げたい
2017年11月27日 06時01分

日本発の新技術を、社会の発展に役立てたい。情報技術(IT)分野の国際開発競争を勝ち抜くためにも官民が力を結集することが重要だ。


NTTや国立情報学研究所などが、量子コンピューターの試作機を開発した。今週から、インターネット経由で研究者らが自由に利用できるようにする。

量子コンピューターは、分子や原子の物理現象を扱う「量子力学」の原理を用いる。特定分野の問題では、通常のコンピューターよりも1億倍速く計算できるというデータも出ている。有望な「夢の技術」の一つと言える。

特に、様々な選択肢の中から最も適した組み合わせを導き出すのが得意だ。交通量の多い都市部の渋滞解消や自動運転、物流網の効率化、さらには新薬の開発にも役立つと期待されている。

NTTは通信事業で培った光ファイバーの技術を駆使した。計算能力に優れ、大幅に消費電力を減らせるという。試作機の運用を十分に生かして、汎用はんよう性の高い実用機の開発を加速してほしい。

量子コンピューターを実現する手法は、西森秀稔東京工業大教授の理論などが知られている。

国内生まれにもかかわらず、日本勢は開発で海外に後れを取っている。西森氏の理論を応用したカナダ企業が実用化で先行した。米航空宇宙局(NASA)も利用を始めている。中国は、巨額の研究開発投資を続けている。

NTTは、政府の「革新的研究開発推進プログラム」(略称・インパクト)に参画し、財政支援を得て開発を進めてきた。

理化学研究所と富士通が開発したスーパーコンピューター「京」は今月、実用性能評価で世界1位となる成果を上げている。

最先端の研究成果を着実に実用化に結び付けるには、産学官のさらなる協力が欠かせない。

人工知能(AI)、あらゆるものがネットにつながるIoTなど、IT技術を事業に活用する動きが際立って増えている。

世界の技術革新力のランキングで、日本は2007年の4位から10年間で14位まで下がった。科学技術大国としての日本の存在感が薄れていることは否めまい。

日本は、自動車や電機など、高品質で生産性の高いモノ作りで強みを発揮してきた。

今後は、ITなど多様な技術開発を主導し、新たなビジネスモデルを開拓することが求められる。柔軟な発想で様々な社会問題の解を示してもらいたい。

2017年11月27日 06時01分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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自民合区解消案 参院の役割も同時に議論せよ

2017/11/28 08:49
20171126

読売新聞
社説
自民合区解消案 参院の役割も同時に議論せよ
2017年11月26日 06時00分

参院選の合区を解消するためだけの、あまりに安直な案だと言わざるを得ない。参院のあり方を含めた、より根本的な議論が欠かせない。



自民党が、3年の改選ごとに各都道府県から最低1人の議員を選出する規定などを憲法に追加する案をまとめた。

これを根拠に公職選挙法を改正し、2016年参院選で導入された「鳥取・島根」「徳島・高知」の合区を解消するという。

合区は、地方の人口減少が続く中、1票の格差を現状の3倍前後に抑えるための苦肉の策だ。

都道府県の行政単位や郷土意識は国民に定着しており、「地方の声が国政に届きにくくなる」という懸念は理解できる。合区の解消へ、参院議員の地域代表の性格を強めることは検討に値しよう。

だが、自民党案は、選挙に関する憲法47条と、地方自治に関する92条の小手先の改正にすぎない。自民党の選挙基盤の強い地域で定数を増やす身勝手な案である。

公明党が、衆参両院は「全国民を代表する」議員で組織するとした憲法43条との矛盾を指摘したのは、もっともだ。14条の「法の下の平等」に基づく投票価値の平等の例外を設ける以上、衆参両院の役割分担も論議すべきだろう。

衆参ねじれ国会では、法案の可決や国会同意人事で衆院と同等の権限を持つ「強すぎる参院」の是正の必要性が強く指摘された。

都道府県を代表する参院議員の存在を認めるのなら、衆院の法案再可決要件を「3分の2以上」から「過半数」に引き下げる憲法59条の改正も避けてはならない。

参院選挙制度改革に取り組む参院改革協議会でも、自民党案に賛成する政党はなかった。公明、共産両党や日本維新の会は、地域ブロック制の導入を主張した。

各党には、ブロック制なら第3党以下でも議席を獲得しやすいという党利党略の発想もあろう。しかし、選挙制度改革は、民主主義の土台作りであり、より多くの政党の合意形成が求められる。

15年7月に成立した改正公選法は付則で、19年参院選に向けた抜本的な制度改革について「必ず結論を得る」と明記している。周知期間を考えれば、来年夏までの制度改正が必要である。

参院各会派だけの議論では、参院の権限縮小も含めた抜本的な改革案は望めまい。テーマを絞って有識者会議を設置し、提言を受けるのも一案ではないか。このまま何も手を打たなければ、合区のさらなる拡大は避けられまい。

2017年11月26日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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トランプ氏の兵器売り込み 安保で商売は納得できぬ(毎日)

2017/11/25 15:29
20171124

毎日新聞
社説
トランプ氏の兵器売り込み 安保で商売は納得できぬ
毎日新聞2017年11月24日 東京朝刊

トランプ米大統領による露骨な兵器売り込みと言っていいだろう。


今月、来日したトランプ氏は安倍晋三首相との共同記者会見で「日本が大量の防衛装備を買うことが望ましい」と述べた。

米政府は声明で北朝鮮への対応として「大統領は日本の防衛力の強化と近代的な防衛装備の提供への関与を強調した」と発表した。

防衛装備のトップセールスはめずらしくない。だが、トランプ氏の売り込みは地域の軍拡競争を自らあおっているように映る。

トランプ氏は「米国で雇用が生まれる」とも述べた。国防産業の雇用増につながるという米国民向けのアピールなのか。

同盟関係にある日本が米国の防衛装備を購入することは相互運用性からも有益ではある。しかし、「米国第一」に追従するような野放図の購入なら、国民の理解は得られまい。

防衛省は防衛装備を長期的な防衛力の規模を示す防衛計画の大綱と、5年ごとの調達内容を示す中期防衛力整備計画に沿って購入している。

政府は、中国や北朝鮮など安全保障環境が厳しさを増す中、防衛力の「質的、量的な拡充」の必要性を強調する。防衛費は安倍政権発足後、5年連続の増額だ。

日本は戦闘機F35や輸送機オスプレイ、ミサイル防衛システムなどの装備を米国と購入契約している。

ただし、こうした高性能で機密性が高い最新装備は日本政府が米政府と直接契約する有償軍事援助(FMS)を通じて購入される。

米政府が価格設定を主導し、交渉の余地はほとんどないという。近年は米国製の購入額が急増し、今年度のFMSの予算額は5年前の2・6倍にあたる3596億円にのぼる。

だが米国優位のFMSは問題も多いという。F35は日本製部品の採用を条件に価格が割高に設定された。しかし、会計検査院は一部の機体で使用されていないとして米国と減額交渉するよう求めている。

米国製に依存し過ぎれば国内企業による装備開発が進まず、受注減にもつながる。米国製と国産のバランスを取る必要もあろう。

厳しい財政状況の中、日本は適正価格で効率的に装備を購入できるよう米政府と交渉すべきだ。
引用終わり
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私見
防衛省は陸上配備型のイージスを購入することにしている。また、敵基地攻撃能力を保持するために。トマホークミサイルの購入も検討している。

トランプ大統領の発言は、これらを自国向きに追認したに過ぎない。露骨な兵器売り込みなどと断じるのは書きすぎだ。

自国兵器は、自国で生産する体制が望ましいが、開発、運用には多くの時間を必要とする。それまでの間は、米国製の兵器を購入せざるを得ないのが現状だ。

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憲法70年 「合区」で改憲の無責任(朝日)

2017/11/25 14:51
20171124

朝日新聞
(社説)憲法70年 「合区」で改憲の無責任
2017年11月23日05時00分

参院選挙制度をめぐる各党の協議が、ようやく動き出した。

「一票の格差」を是正するため、2016年の参院選で、鳥取・島根と徳島・高知の県境をまたぐ合区が導入された。

そのための改正公選法の付則に、19年の参院選に向けて「抜本的な見直し」を検討し、「必ず結論を得る」と書いた。抜本改革を怠り、小手先の対応に終始したあげく、合区にたどり着いた実情を省みてのことだ。

その答えを、各党は今度こそ出さねばならない。

これに関して、自民党は合区解消のための改憲を主張している。衆院選で公約したとはいえ、とうてい賛成できない。

自民党の案は、国政選挙について「法律で定める」とした憲法47条と、地方自治に関する92条を改め、各都道府県から改選ごとに1人以上選出できる、との趣旨を盛り込むものだ。

多くの行政が都道府県単位ですすむ現状をふまえてはいる。人口が減っていく時代に、ますます置き去りにされていく。そんな危機感をもつ地方には歓迎されるかもしれない。

一方で、地方の定数を手厚くする自民党の案は、国民の「法の下の平等」をうたう14条、さらには国会議員は「全国民を代表する」と定める43条と矛盾するのは明らかだ。

衆院は人口比例を徹底させて「国民代表」とし、参院議員は「地域代表」と位置づける。そんな考え方なら一理はある。

だがその場合、首相指名など一部に限られる衆院の優越性をより明確にし、参院の権限や役割を見直す必要がある。「国民代表」の決定を「地域代表」が覆せる構図が生まれるのは不合理だからだ。

参院は衆院とどうすみ分け、どんな仕事を担うのか。憲法の他の条文との整合性をどう保つのか。答えを見いだしにくいこうした論点について、どのように他党と国民の理解を得るつもりなのか。

抜本改革の期限である19年の参院選まで2年足らず。多くの党がこの件での改憲に賛同しておらず、それまでの改憲はおよそ非現実的というほかない。

改憲ではなく、公選法改正による参院選挙制度の改革案はこれまでも示されてきた。

選挙区を廃止し全国を9ブロックの比例代表制にする。全国を10程度のブロックの大選挙区制にする。議員の経費を大幅に削って定数を増やす、などだ。

自民党がこのまま現実味を欠いた改憲を掲げ、いたずらに時間を費やすなら、無責任のそしりは免れない。
引用終わり
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私見
憲法で参議院の合区解消を図るなどはどうかしている。憲法の条文は簡潔・明瞭であることが必要で、下位法に定めれば済むことは下位法に記す事で良い。

参議院の合区解消などは公職選挙法の改正で済むことだ。

衆議院は単純小選挙区制、参議院はブロックの大選挙区制を執るべきだ。それと参議院議員には、自由な立場での討議を確保するために、党議決定などの制約を課さない必要があろう。

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森友学園土地払い下げ 検査院報告

2017/11/24 12:04
20171123

読売新聞
社説
森友検査院報告 不透明な値引きに疑念が募る
2017年11月23日 06時03分

約8億円の値引きに疑問符が付いた。


大阪府豊中市の国有地が学校法人森友学園に1億3400万円で売却された問題で、会計検査院が報告書をまとめた。

「見積もりの算定根拠が不十分で、慎重な検討を欠いていた」と政府の姿勢を非難している。

地中に埋まっていたごみの撤去費用を差し引いた結果、売却額は鑑定評価額の7分の1になった。「法令に基づき、適正な手続きで処分した」という政府の説明を否定した検査院の指摘は重い。

財務省近畿財務局の依頼を受けた国土交通省大阪航空局が、ごみの量や撤去費用を推計した。専門業者を通さずに直接算定する異例の対応だった。ごみのある範囲や深さ、混入率などの数値を設定し、全体量を見積もった。

検査院は、数値がいずれも過大だった可能性に言及した。見積もられた量の3割や7割しかない独自の試算結果も示した。

値引きに至る不透明な実態が、改めて浮き彫りになった。

算定根拠となる文書が、一部しか残っていないことも看過できない。掘削から処分までの工程にかかる「処分単価」の根拠は確認できず、検査院は、撤去費用の適正価格をはじき出せなかった。

森友学園側とのやりとりにも、不透明な部分が残る。詐欺罪などで起訴された前理事長の籠池泰典被告は、近畿財務局職員に「ゼロ円に極めて近い形で払い下げを」と要望していたとされる。

財務省は、昨年6月に売却が完了したのを理由に、学園側との交渉記録を廃棄したという。行政文書管理規則に沿った対応とはいえ、交渉過程を検証する手立てが失われたことも事実だ。

検査院が甘い文書管理に苦言を呈したのはうなずける。

刑事告発を受けた大阪地検特捜部は、近畿財務局職員らを背任容疑などで捜査している。

背任罪の成立には、故意の立証が欠かせない。職員らが自身や学園に利益をもたらし、国に損害を与える目的で値引きをしたかどうかだ。立件のハードルは高いだろうが、検査院の報告書を踏まえて、捜査を尽くしてもらいたい。

森友学園が問題の土地に建設を進めていた小学校の名誉校長には、安倍首相の昭恵夫人が就任する予定だった。首相は「私や妻は国有地の払い下げに一切関与していない」と強調している。

値引きに、官僚の何らかの意図が働いたのか。政府には納得のいく説明が求められる。

2017年11月23日 06時03分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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朝日新聞
(社説)「森友」の検査 首相は再調査を命じよ
2017年11月23日05時00分

根拠のあやふやな大幅値引きが、ずさんな手続きで進められていた。

森友学園への国有地売却問題を調べていた会計検査院が、8億2千万円の値引きについて「十分な根拠が確認できない」とする検査結果を国会に出した。「法令に基づき適正な価格で処分した」という政府の説明に、大きな疑問符が付いた。

政府には指摘に答える義務と責任がある。値引きの根拠と経緯を再調査するよう、安倍首相は関係省庁に命じるべきだ。国会も政府をたださねばならない。参院が検査を要請したことを忘れてはならない。

鑑定価格の9億5600万円から、地中のごみ撤去費として9割近くも値引きされたのはなぜなのか。

政府の説明では、新たなごみが見つかったと学園から連絡を受け、財務省近畿財務局と国土交通省大阪航空局が現場の状況を確認した。工事業者が撮影した写真や過去の調査結果などをもとに、ごみがある深さや混入率などを計算し、ごみの量を算定。処分単価と掛け合わせて費用を出した。

しかし検査院は、業者の写真ではごみの深さを確認できず、政府の職員が現地で計測した記録もないとして、ごみの深さの裏付けは確かめられないとした。混入率や処分単価についても根拠に疑問を呈し、ごみの量は最大で7割少なかった可能性があると試算した。

売却までの手続きもお粗末だ。不動産鑑定士の評価書の内容を判断する「評価調書」は作成されず、売却価格を決めた決裁文書に理由が書かれていないなど、ルール違反や通常とは異なる対応が検査で見つかった。

ただ、その検査も十分とは言えない。壁になったのは、財務省や国交省が関連文書を破棄していたことだ。検査院は「会計経理の妥当性について検証を十分に行えない状況」と指摘し、文書管理の改善を求めた。両省の責任は重い。

土地売却の交渉は、学園の籠池泰典前理事長が「神風が吹いた」というほど特例づくしだった。建設予定だった小学校の名誉校長を、安倍首相の妻昭恵氏が務めていたことが、背景にあるのではないか。この疑問にも検査結果は触れていない。文書中心の検査の限界だろう。

首相は国会で「(内閣から)独立した会計検査院がしっかりと検査すべきだ」と述べてきた。今度は、首相が疑問に答える番だ。検査が不十分な点は国会が解明に努める。それが国民に対する責務である。
引用終わり
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毎日新聞
社説
森友値引きは「根拠不十分」 やはり証人喚問が必要だ
毎日新聞2017年11月23日 東京朝刊

ごみ撤去費として約8億円値引きしたのはやはり根拠に乏しかった。


学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省などは、値引きの算定について「基準に基づき適切に処理した」と説明してきた。これに対し、会計検査院は、積算に十分な根拠がなく、ごみの推計量が過大だった可能性を指摘した。

価格の妥当性に疑義を示したといえる。税金の無駄遣いをチェックする独立機関の指摘は極めて重い。

財務省から依頼を受けた国土交通省がごみの量を推計した。検査院によれば、ごみの混入率を高めに算定したり、敷地全域で3・8メートルの深さまでごみがあると判断したりしたことについて十分な根拠を確認できなかった。1トン当たりのごみの処分費が妥当かを示す資料もなかった。

国民共有の貴重な資産の売却が、極めてずさんに行われた。しかも積算に用いた資料や売却に関する交渉の記録文書は、廃棄されるなどしていた。記録があれば、おかしな値段で売却したことが裏付けられたはずだ。検査院が文書管理の改善を求めたのは当然である。

安倍晋三首相は、国会審議で売却の妥当性を問われると、「検査院の検査に委ねる」と繰り返してきた。

結果が示された以上、一連の売却が不適切だったことを政府はまず認めるべきだ。

学園前理事長の籠池泰典被告と妻諄子被告は、大阪府などから補助金を詐取したとして詐欺罪などで起訴された。大阪地検特捜部による捜査の過程では、財務省近畿財務局職員が学園側の希望する金額に近づけるために「努力する」と両被告に答え、具体的に金額を示す音声データの存在が明らかになっている。

佐川宣寿(のぶひさ)・前財務省理財局長(現国税庁長官)は国会で「価格を提示したことはない」と答弁していたが、明らかに矛盾している。

安倍首相の妻昭恵氏の国会での説明もまだ行われていない。昭恵氏は一昨年、学園が計画した小学校の名誉校長に就き、今年まで務めていた。国有地の売却は昨年だ。官僚のそんたくが指摘されるゆえんだ。

会計検査院の検査は国会の要請に基づくものだ。疑惑の解明には、昭恵氏や佐川氏、さらに国交省の幹部らの国会での証人喚問が必要だ。
引用終わり
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私見
国有地の森友学園への土地払い下げに付いて、担当部局の積算根拠が杜撰で有ったことは否めない。それは認めるが、ごみが埋設されている土地の頭書評価額(9億5600万円)に付いては、適切なのか疑問を持っている。

それと、ごみの撤去等の問題が有る厄介な物件として、この土地を一日も早く手放したかった財務省近畿財務局や財務省理財局が買い手が現れたのを「これ幸い」と交渉に応じたのだろうと推測している。

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テロ支援国家再指定

2017/11/24 09:56
20171122

読売新聞
社説
テロ国家再指定 北朝鮮の新たな挑発に備えよ
2017年11月22日 06時14分

北朝鮮の核・ミサイル開発の阻止に向けた圧力が一段と高まった。非核化協議のテーブルに北朝鮮を着かせ、外交カードとして生かしたい。


米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定した。

トランプ大統領は、「北朝鮮は国外での暗殺を含む国際テロ行為を繰り返し支援してきた」と述べた。米財務省が大規模な追加制裁を科す方針も明らかにし、「残忍な体制を孤立させるため、最大限の圧力をかける」と強調した。

金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄の金正男氏は、2月にマレーシアで殺害された。金政権の組織的な関与が濃厚だ。北朝鮮に拘束された米国人学生が昏睡こんすい状態で帰国後に、死亡した事件もあった。再指定は妥当だと言える。

北朝鮮は1988年に、大韓航空機爆破事件などの「国際テロ活動への継続した支援」を理由に、テロ支援国家に指定された。

ブッシュ政権は2008年に、北朝鮮が申告した核計画を厳密に検証する見返りとして、指定を解除した。北朝鮮は合意を破り、核開発を継続している。トランプ氏の「何年も前に再指定すべきだった」との指摘はうなずける。

安倍首相は、「圧力を強化するものとして歓迎し、支持する」と語った。日本人拉致も、北朝鮮によるテロである。問題の膠着こうちゃく状況を打開する契機としたい。

再指定に伴い、金融取引の規制や武器禁輸、経済援助禁止などの措置がとられる。国連安全保障理事会の決議や米独自の制裁により、大半は発動済みだ。

新たな効果は見込めないが、米国が「最大限の圧力」を主導するという象徴的な意味は大きい。

中国の習近平国家主席の特使が最近、訪朝した。目に見える成果はなかった。北朝鮮に対する中国の圧力が不十分だという判断も、トランプ氏が再指定に踏み切る一因となったのではないか。

オバマ前政権は、キューバとの関係を改善した際に、指定を解除している。北朝鮮に関しても、非核化交渉での取引材料などとして活用することが期待できよう。

懸念されるのは、北朝鮮が反発し、暴挙に出る事態だ。弾道ミサイルの発射や核実験は2か月間、行われていない。小康状態から、局面が転換する可能性がある。

小野寺防衛相は、「新たな挑発行動に出ることは否定できない。引き続き緊張感を持って、しっかり対応していきたい」と述べた。様々な展開への警戒を怠らず、備えを固めることが求められる。

2017年11月22日 06時14分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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日経新聞
社説
北のテロ国家再指定は妥当だ
社説 2017/11/22付

米国のトランプ大統領が北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定すると表明した。北朝鮮は核兵器やミサイル開発に加えて国際テロ活動も支援し、国際社会を威嚇してきた。再指定は極めて妥当だ。

北朝鮮は大韓航空機爆破事件後の1988年にテロ支援国家に指定されたが、ブッシュ(子)政権下の2008年に解除された。米側は当時、北朝鮮との核協議の進展を促すためだと説明したが、日本人拉致問題などが未解決なまま指定を解除したブッシュ政権の対応には批判的な見方が多かった。

北朝鮮はその後、核・ミサイル開発を再び加速した。指定解除の効果は皆無だったうえ、国際テロ活動についても、金正恩(キム・ジョンウン)委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアの空港で毒殺された事件を含めて、関与がしばしば取り沙汰されている。約9年ぶりの再指定は遅すぎたともいえる。

トランプ政権による再指定の公表は、中国が派遣した習近平国家主席の特使が訪朝から帰国したタイミングと重なった。中国はかねて、北朝鮮の核問題を対話によって解決すべきだと唱えており、特使派遣で打開の道筋が見えるかが注目されていた。

結局、中国特使と金委員長との会談は見送られたとみられ、核問題をめぐる中朝の立場の溝は埋まらなかったようだ。米政権がテロ支援国家の再指定を発表したのは恐らく、中国による説得工作が失敗したと判断したからだろう。

トランプ大統領は「最大限の圧力をかける取り組みを促す」という。テロ支援国家の再指定は象徴的な意味合いが大きいものの、メンツを重んじる北朝鮮にとって打撃となるはずだ。国際社会はこれを機に北朝鮮に核開発の放棄を促すべく、結束して一段と強い圧力をかけていくべきだ。

北朝鮮が激しく反発するのは必至だろう。9月中旬以降は控えてきた核・ミサイルによる挑発を再開する恐れは否定できない。不測の事態への備えも怠れない。
引用終わり
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朝日新聞
(社説)米の対北政策 敵視だけでは前進せぬ
2017年11月22日05時00分

米国の外交は伝統的に、敵と味方をはっきり選別する傾向がある。その象徴的な制度が「テロ支援国家」の指定だ。

国際テロの背後にいる国々を認定し、制裁を科すもので、北朝鮮が9年ぶりに登録される。トランプ大統領が明言した。

「ならず者国家」。米国がそんな呼び方もする敵視の対象のリストだ。米国の「敵視政策」こそ問題だとする北朝鮮が、反発を強めるのは必至だろう。

しかし、これも北朝鮮が自ら招いた事態である。今年、金正恩(キムジョンウン)氏の実兄、正男(ジョンナム)氏がマレーシアで殺された。進展のない日本人拉致問題を含め、人権無視のふるまいは目にあまる。

トランプ政権の粗雑な外交に世界は揺れているとはいえ、北朝鮮の人権犯罪に対する非難に国際社会の異論はあるまい。

それを踏まえた上で、同時に考えねばならないのは、核・ミサイル開発の問題である。

この夏まで挑発を重ねた北朝鮮の動きには変化がみられる。2カ月以上の間、核実験やミサイル発射が止まっている。

米朝間で核・ミサイル実験の凍結をめぐるやりとりがあったとの米国の報道もある。さらに今月の米中首脳会談や、中国特使による平壌訪問という最近の動きも絡み、何らかの水面下の駆け引きが進められているとの臆測が出ている。

真相は見えず、薄氷を踏むような状態ではあるが、北朝鮮の行動が表面上、激しさを潜め、少なくとも中朝間の関係改善の対話があった事実は、前向きにとらえることもできる。

そうした機運が生まれていた中でのテロ支援国家再指定である。その影響がどのような形で表れるかは予断を許さない。

再指定に伴い、武器の輸出・販売や経済援助の禁止などが科される。だが、大半が国連安保理の制裁などと重複しており、効果は少ないとされる。

核・ミサイルの開発をやめない北朝鮮への圧力は強化されるべきだが、それはあくまで対話に導くための手段にすぎない。米政府が北朝鮮の思考方式を把握した上で、事態を収めるシナリオを描いているのかどうか。

中東やアジア歴訪で見せた一貫性のないトランプ氏の対外姿勢が、ここでも不透明感を漂わせている。安倍政権は、核・ミサイル問題での米国の考え方を不断に問いただすべきだろう。

ブッシュ政権が指定を解いて9年間、米政権の交代のたびに北朝鮮政策は揺れてきた。非核化のための対話を進めるには、息長く継続的な努力を注ぐほかない現実を踏まえるべきだ。
引用終わり
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毎日新聞
社説
北朝鮮「テロ支援国」再指定 脅威封じる新たな足場に
毎日新聞2017年11月22日 東京朝刊

北朝鮮危機が続く中、大きな決断と言える。米国はまた北朝鮮を「テロ支援国家」と呼ぶことになった。


トランプ米大統領が再指定を発表した。2008年に同じ共和党のブッシュ政権が「テロ支援国家」の指定を解いてから9年ぶりである。

今年2月、北朝鮮の金(キム)正(ジョン)恩(ウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金(キム)正(ジョン)男(ナム)氏がマレーシアで毒物により殺された。

北朝鮮で昨年拘束された米国人大学生は6月に意識不明の状態で米国に帰り、その後死亡した。

そんな経緯を思えば再指定は異とするに足りない。米下院は4月、再指定を求める法案を圧倒的多数で可決した。米本土へのミサイル攻撃を口にする北朝鮮への怒りが米国内で高まっていることも再指定の背景に挙げられよう。

核・ミサイル開発が「テロ支援」に当たるのかという声もある。だが、イスラム過激派などが核に触手を伸ばしているのは事実であり、北朝鮮の不法な核開発などをテロと切り離して考えるのは現実的ではない。

テロ支援国家に指定された国には、武器関連輸出や経済援助の禁止などが科される。ただ、米国は国連安保理とは別に数々の制裁を発動しており、北朝鮮への「最高レベルの制裁」(トランプ氏)といっても象徴的な措置にとどまりそうだ。

だが、トランプ氏は関係国に北朝鮮への圧力強化を改めて求めるとともに、北朝鮮にはもうだまされないという強い姿勢を示したのだろう。

「何年も前に再指定すべきだった」とトランプ氏は言う。確かに、08年の指定解除は核放棄へ導く苦肉の策の性格もあったにせよ、いかにも詰めが甘かった。結果として、北朝鮮をますます手のつけられない存在にしたのである。

トランプ氏は中国の習近平国家主席の特使の訪朝を「大きな動き」として注目したが、今のところ局面打開への成果は見られない。他方、北朝鮮が再指定に反発して新たな挑発に出れば、小康を保つ北朝鮮情勢はまた緊迫することになろう。

過去の米政権の対北朝鮮政策を失敗と断じるトランプ政権も、いまだ得点を稼いではいない。北朝鮮の脅威にどう対処するか。手詰まり感がある中で、「テロ支援国家」再指定を新たな足場として活用したい。
引用終わり
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産経新聞
2017.11.22 05:03更新
【主張】
テロ国家再指定 北を「犯罪国家」と断じた米、日本は被害者を取り戻す好機だ

(1/2ページ)【北朝鮮テロ支援国家再指定】 .

トランプ米政権が、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定した。

核・ミサイルでの恫喝(どうかつ)に加えて、猛毒の神経剤を使って独裁者の異母兄を暗殺する。米国人大学生を拘束し、昏睡(こんすい)状態で送り返して死亡させる。こうした非道を何度も繰り返す「犯罪国家」と断じたものである。

再指定に伴う米の追加制裁と併せ、国際圧力を強める上でその意義は大きい。

日本人の拉致も北朝鮮の重大な国家犯罪である。トランプ大統領は国連演説で横田めぐみさんのケースを取り上げ、来日時に被害者家族と面会するなど、拉致問題に高い関心を示してきた。

「テロ支援国家」再指定を拉致問題解決の契機としなければならない。そのための行動と努力が政府に求められる。

2002年に北朝鮮は拉致を初めて認めて謝罪し、5人の拉致被害者が帰国した。このときは「テロ支援」に加え、当時のブッシュ大統領が北朝鮮を「悪の枢軸」と名指し、圧力をかけていた。この歴史にならい、被害者を取り戻す好機と受け止めるべきだ。

そのブッシュ氏は政権末期の08年、非核化の検証方法で北朝鮮と合意し、指定を解除した。だが、その後、北朝鮮の核・ミサイルの脅威は増大した。

(2/2ページ)【北朝鮮テロ支援国家再指定】 .
安倍晋三首相とトランプ氏は、北朝鮮に核・ミサイル開発を断念させるため、「最大限の圧力」をかけることで一致している。

背後にあるのは、08年の合意を含め、対話を理由に核・ミサイル開発の時間稼ぎを許した過去への反省である。

トランプ氏は再指定を「何年も前にやるべきだった」と述べた。ようやく、との印象も否めないが、改めて圧力の重要性を確認し、国際連携を訴えてほしい。

日本に求められるのは、目に見える形での圧力強化だ。安倍首相は「国難」を乗り切る決意を行動で示さねばならない。

トランプ氏は日本、韓国、中国を含む長いアジア歴訪を終え、中国特使の北朝鮮からの帰国を待っていたかのように、「テロ支援国家」再指定を表明した。

北朝鮮は9月中旬以降、核・ミサイルの挑発に出ていないが、再指定への反発から再開する可能性もある。あらためて警戒を強め、北朝鮮有事への備えを進めなければならない。
引用終わり
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政治家の言論 その荒廃ぶりを憂える(朝日)

2017/11/19 23:28
20171118

朝日新聞
(社説)政治家の言論 その荒廃ぶりを憂える
2017年11月18日05時00分

政治は言葉だ、といわれる。みずからの理念を人の心にどう響かせるか。それが問われる政治の営みが、すさんでいる。

加計学園の獣医学部問題を審議した衆院文部科学委員会で、聞くに堪えぬ発言があった。

他の政党の議員3人を名指しし、日本維新の会の足立康史氏が「犯罪者だと思っています」と述べた。相応の論拠を示さないままの中傷である。

各党から抗議されると「陳謝し撤回したい」とすぐに応じた。その軽薄さに驚く。言論の府を何だと思っているのか。

憲法は議員の国会内での言動に免責特権を認めている。多様な考えをもつ議員の自由な言論を保障するためだ。低劣な罵(ののし)りを許容するためではない。

これまでも、他党に対し「アホ」「ふざけるなよ、お前ら」などと繰り返し、懲罰動議を受けてきた人物である。

一向に改めないのは、黙認する雰囲気が国会内にあるからではないか。

同じ委員会で、朝日新聞への批判もした。「総理のご意向」などと記された文部科学省の文書を報じた記事について「捏造(ねつぞう)だ」と決めつけた。

自身のツイッターでは、「朝日新聞、死ね」と書いている。

加計問題の報道は確かな取材に基づくものだ。記事や社説などへの意見や批判は、もちろん真摯(しんし)に受け止める。

だが、「死ね」という言葉には、感情的な敵意のほかにくみ取るものはない。

昨年、「保育園落ちた日本死ね!!!」の言葉が注目されたが、それは政策に不満を抱える市民の表現だ。国会議員の活動での言動は同列にできない。

政治家による暴言・失言のたぐいは、以前からあった。最近は、政権中枢や政党幹部らからの、とげとげしい言葉が増えている。

政権与党が、論を交わす主舞台である国会を軽んじる風潮も一因だろう。昨年は首相周辺が野党の国会対応を「田舎のプロレス」「ある意味、茶番だ」と切り捨てた。

国会に限らず、政治の言葉が、異論をとなえる者を打ち負かすだけの道具にされている。

安倍首相は7月の東京都議選で、演説にヤジを飛ばした人々に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と叫んだ。

「犯罪者」「死ね」「こんな人たち」。国策に重責を担う政治家が論争の相手を突き放し、対立と分断をあおる。

そんな粗雑な言動の先にあるのは政治の荒廃であり、それに翻弄(ほんろう)される国民である。
引用終わり
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私見
足立康史議員の暴言は、今に始まったことではない。その都度謝罪はしている。だから暴言と分かっていながらも問題提起の一手段と考えて発言しているのではないか?

加計学園が経営する岡山理科大学に獣医学部を新設する案件で「総理のご意向」などと記した私文書が文科省内で発見された。だが、総理がそのような指示を出した証拠が存在しない。

それにも関わらず野党は、安倍首相が友人である加計学園理事長に便宜を図ったかの如き構図を描いて追及している。

この事態は、足立議員の暴言などよりも問題視されなければならないだろう。と筆者は考える。

論説は、自社の報道を確かな取材に基づいたものだとしているが、手続きに誤りはないと発言した国家戦略特区の作業部会長で有った八田氏の発言や、行政の歪みが正されたと発言した加戸守行前愛媛県知事の発言を取り上げていない。

「行政を歪められた」とした前川喜平前文科省事務次官の発言のみに依拠して他を無視する。安倍首相を攻撃するための偏向報道と言われても仕様があるまい。

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《参考》
朝日ニュースから抜粋

日本維新の会の足立康史氏の15日の衆院文部科学委員会での発言の要旨は次の通り。

 ――安倍総理あるいは政権与党に対して、追及している立憲民主党の福山哲郎幹事長、希望の党の玉木雄一郎代表は、獣医師会から献金をもらっている。献金をもらって、仮に請託を受けて質問すれば、普通に考えれば、あっせん利得罪あるいはあっせん収賄罪。何らかの権限がある、例えば石破(茂・元地方創生相)さん。受託収賄、様々な疑惑が取り沙汰されている。

 私は犯罪者だと思っていますけど、個人的には。李下(りか)で冠を正した安倍総理に対して、犯罪者たちが周りを取り囲んで非難しているというのが今の国会だ。今の国会はそういう疑惑のある国会議員を追及する場がない。委員長。福山幹事長、玉木代表、石破大臣はどうするかわかりませんが、自由討議でも良いからそういう野党議員に質問する場を検討していただけないか。

 ――今回の加計問題は、朝日新聞の5月17日の「総理の意向」という捏造(ねつぞう)報道から始まっている。この文科省の文書は「総理の意向」と確かに書いてあるけども、加計学園についてじゃない。規制改革についてです。朝日新聞は捏造であると思うがいかがか。

引用終わり
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日本人拉致 落胆の日々に終止符を(朝日)

2017/11/19 02:19
20171117

朝日新聞
(社説)日本人拉致 落胆の日々に終止符を
2017年11月17日05時00分

13歳の横田めぐみさんが下校途中に新潟市内で拉致されて、40年の歳月が過ぎた。

母の早紀江さんが節目の日の会見で、老いを重ねる自らを踏まえ、「『めぐみちゃんだ』とわかる間に1時間でもいいから会いたい」と語ったのは、心の底からの叫びだろう。

日本政府が認定する被害者は17人だが、拉致された疑いがある特定失踪者はさらに多い。被害者やその帰りを待ち続ける家族たちにとって、どんなに残酷で長い歳月だったろうか。

これまで帰国できたのは5人にすぎない。認定被害者の残る12人について、北朝鮮は8人死亡、4人は未入国とし、問題は解決済みだと主張してきた。

だが、きっちりとした被害者の安否確認や真相究明は進まず、解決などしていない。

拉致は国家的犯罪であり、明白な反人道的な行為だ。金正恩(キムジョンウン)氏は父の故・金正日(キムジョンイル)氏が犯行を認め、謝罪したことの意味をよく考え、国の責任者として誠実な対応をとるべきである。

核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対し、国際社会はいま、制裁を強めている。中でも日本は圧力強化を先頭に立って呼びかけている。だが、拉致問題は時間との闘いだ。解決を図るためにも、対話が欠かせない。

結成から20年を数える家族会が2月、日本政府の独自制裁の解除という見返りも条件に実質協議を進めてほしい、と初めて訴えたのも切実さの表れだ。

これまでを振り返ると、北朝鮮は米国との関係改善の糸口が見えない時、政治的な打開策として日本との協議を再開させたことが多かった。

米朝関係が冷え込む今、軍事挑発に対しては国連制裁の履行を進めつつ、拉致などの人道問題ではもっと柔軟な交渉を考えるべきではないか。人的交流などでの制裁緩和も視野に、北朝鮮を動かす工夫がほしい。

日朝両政府は3年前、日朝平壌宣言を元に、拉致被害者らの再調査などを含むストックホルム合意を発表した。いまもなお完全に白紙化されたとは言えない状況だけに、合意をうまく活用する道を模索すべきだ。

安倍政権は拉致問題を最重要課題と掲げるが、肝心の具体的な成果はまだ何もない。

人権問題を扱う国連の委員会では今月、北朝鮮の拉致批判を強める非難決議が出された。安全保障政策で連携する米国や韓国も、拉致問題に関する日朝協議には理解を示している。

国際的な世論の支持を背景にした、結果にこだわる外交が、日本政府に求められている。
引用終わり
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私見
拉致後40年経過したのに、取り戻せない原因は平和主義を唱えて、攻撃用兵器の保持は周辺を刺激すると反対し、憲法九条を守れと主張した旧社会党とそれに呼応する左翼陣営が存在した事にある。

また、他国領土で武力行使ができないと憲法を解釈する為政者の不見識もあった。何よりも問題なのは、武力を行使してでも同胞を救出しなければならないとする気概(国家意思)が政治家に欠けていることだ。

拉致は主権侵害に当たる。原状回復を求めるのは国家として当然の責務だ。だが日本には外交交渉のバックボーンである軍事力がない。

論説は、またぞろ対話による解決を唱えているが、棄民を容認する戦後の平和主義にどっぷり漬かって、軍事力行使を容認できない言い訳に過ぎない。

国家が戦争を忌避して主権が護持出来るのか考えて頂きたい。

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憲法70年 改憲ありきの姿勢では(朝日)

2017/11/17 11:02
20171117

朝日新聞
(社説)憲法70年 改憲ありきの姿勢では
2017年11月17日05時00分自民党が憲法改正推進本部の会合を開き、改憲に向けた議論を再開した。

衆院選で自民党は、自衛隊の明記▽教育の無償化・充実強化▽緊急事態対応▽参院の合区解消の4項目を公約にうたった。公明党とあわせた与党で、改憲発議に必要な3分の2を上回る議席を獲得した。

与野党を問わず、国会議員の改憲志向は強まっている。本紙と東大の調査では、当選者の82%が改憲に賛成姿勢だった。

一方で、国民の意識と大きなズレがあるのも確かだ。

本紙の今月の世論調査で「首相に一番力を入れてほしい政策」を聞くと、社会保障32%、景気・雇用20%、教育15%などが高く、憲法改正は6%にとどまった。

自民、公明両党にも温度差がある。公明党の山口那津男代表は最近、こう指摘した。

「発議は、国会内の多数派工作で可能な場合もあるが、国民投票でぎりぎりの過半数では大きな反対勢力が残ってしまう。国民の憲法としては不幸な誕生になる。発議の3分の2の背景には、それ以上の国民の支持があるくらいの状況が望ましい」

見識だろう。

国会による発議にこぎつけたとしても、最終的に改憲の是非を決めるのは主権者である国民による投票だ。

国民の納得が不十分なまま強引に発議に持ち込めば、国民投票の結果がどうあれ、国民の間に深刻な分断をもたらす恐れさえある。

憲法のどこに、どんな問題があるのか。その問題は憲法を改めなければ解消できないのか。他の政策課題より先に、いま改憲を急ぐ必要性はあるのか。

まず衆参両院の憲法審査会での超党派の議論が重要だ。

少数意見を排除せず、丁寧な議論を積み重ねる。少なくとも野党第1党の賛成をえる。

手順をふんだ合意づくりの努力を尽くすことしか、国民の幅広い納得をえる道はない。

安倍首相は5月に憲法への自衛隊明記を訴え、「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」と意欲を示したが、夏以降は「スケジュールありきではない」と述べている。

当然の姿勢だろう。

何よりも大事なのは、国民の多くがその改憲は必要だと理解し、同意することである。

改憲ありきの姿勢は厳に慎むべきだ。

ましてや安倍氏自身の首相在任中の施行を視野に、期限を区切るようなやり方では、国民の合意は広がらない。
引用終わり
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私見
国家の主権を護持する役割を担う国防組織が憲法に条文化されていないので、九条は国家の自衛権を否定したものではないとの解釈で自衛隊を創設し現在に至っている。

歴代内閣が集団的自衛権の行使を認めなかったものを、安倍政権は限定的な行使を認めた。内閣の見解は、時の安全保障環境及び政治状況によって変わる。

解釈変更を積み重ねて、防衛政策などが決定されるのは、時として暴走に繋がりかねない。それを防ぐためにも国軍保持を憲法に明文化するべきだろう。

現行憲法は、占領政策の一環としてなされたものであり、その目的は将来に渡って米国の軍事的脅威にならない様に企図されたものだ。

それ故、軍の保持も国家緊急事態措置も条文化されていない。「専守防衛」とか称して、日米安保によって攻撃力を米国任せにしている日本の姿勢は半属国のままなのだ。

擬制民主主義下に於いて制定された「瑕疵」のある憲法を放置していては、真の独立国家にはなれまい。


************* 社説の気になる部分 *************
与野党を問わず、国会議員の改憲志向は強まっている。本紙と東大の調査では、当選者の82%が改憲に賛成姿勢だった。

一方で、国民の意識と大きなズレがあるのも確かだ。

本紙の今月の世論調査で「首相に一番力を入れてほしい政策」を聞くと、社会保障32%、景気・雇用20%、教育15%などが高く、憲法改正は6%にとどまった。
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この文節は論説委員が自説の補強に使っているとしか思えない。

憲法改正などは一般国民の日常生活に直接は影響しない。それを、社会保障、景気・雇用などとを同列に扱って、世論に問えばこのような結果になる事は分かり切った事だ。およそ調査の意味がない。

世論調査を実施するならば、設問と選択肢を考慮するべきだろう。担当者はそれを吟味した上で調査を実施しているのか疑義を呈しておきたい。

論説は、衆参両院の憲法審査会の審議を強調するが、この会は全会一致を隠れ蓑にして、サボタージュを重ねている様にしか筆者には見えない。

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加計学園問題 野党は疑惑の根拠を示せ

2017/11/16 22:02
20171116

読売新聞
社説
加計文科委審議 疑惑の追及には証拠が必要だ
2017年11月16日 06時00分

疑惑を追及するなら、根拠となる材料が必要である。それが示されなくては、論戦が堂々巡りになるのも無理はない。


衆院文部科学委員会で加計学園に関する質疑が行われた。衆院選後、この問題についての国会審議は初めてだ。

林文科相は大学設置・学校法人審議会の答申に基づき、加計学園による岡山理科大獣医学部の新設を14日に認可した。来春、愛媛県今治市に開設される予定だ。

林氏は委員会で、国家戦略特区の選定や認可を「行政手続きとして決められた手順に従って、適切に進めてきた」と強調した。

獣医学部新設の特区認定を受けて、設置審では、有識者が専門的、学術的な観点から厳正に認可の妥当性を審議した。公正を期するために、非公開で行われた。

自民党は委員会で、「認可の判断に首相や文科相の意向は及ぶのか」と質問した。文科省の担当局長は「外部からの意向が及ぶものではない」と断言した。

文科相が認可を最終判断する際、専門性と独立性が高い設置審の結論を尊重するのは当然である。林氏は「首相から文科省に指示はなかった」とも明言した。

立憲民主党は「学園の理事長が首相の友人だから、首相や官邸が何らかの肩入れをしたのではないか」と追及した。希望の党も「特区の選定過程に関する疑念は払拭されていない」と主張した。

「肩入れ」や「疑念」を裏付ける具体的証拠は挙げていない。実のある議論からは程遠かったと言わざるを得ない。

自民党が「根拠はないが結論ありきの姿勢だ」と野党を批判したのは、うなずける。

希望の党は「国会審議後に認可を判断すべきだった」とも疑義を呈した。行政手続き上の瑕疵かしが存在しない以上、必ずしも国会審議を経る必要はないだろう。

与野党は、委員会の質問時間の配分を巡って対立した。質問時間は近年、「与党2対野党8」だったが、自民党が議席数に応じた再配分を提起していた。

結局、「与党1対野党2」で折り合った。与党が「今後の前例としない」と説明し、野党も同意した。今回の委員会審議をみる限り、野党が質問時間を有効に使ったとは到底言えまい。

国会審議で重要なのは、行政の問題点をきちんとチェックし、法案・予算案について建設的な議論を行うことだ。その前提で、各党が相応の質問時間を確保できるよう、与野党は歩み寄るべきだ。

2017年11月16日 06時00分 Copyright © The Yomiuri Shimbun
引用終わり
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朝日新聞
(社説)加計問題審議 行政監視を担う使命
2017年11月16日05時00分

衆院選から3週間余。争点の一つだった加計学園の問題をめぐる国会審議が、きのう衆院文部科学委員会で行われた。

衆院選で勝った安倍首相は強い権力を再び手にした。だからこそ、行政府を監視する立法府の役割はさらに重みを増す。

その使命には本来、与野党の違いはないはずだ。

だが自民党から質問に立った義家弘介氏は、8月まで学園の獣医学部新設のプロセスに関わった文科副大臣だった。先の通常国会では政府側の答弁者を務めた、いわば当事者だ。

その義家氏が強調したのは一連の政府手続きの正当性だ。部下だった文科官僚と歩調をあわせ、「きちっと手続きを踏みながら歩んできた」と主張した。

際だったのは政府と与党の一体性である。

一方、立憲民主党の逢坂誠二氏は、国家戦略特区の審査過程が不透明だと追及した。

加計の計画が獣医学部新設を認める要件を満たしていると、だれがどう判断したのか。記録に残っているのか。

政府側は「一つひとつの詳細は残っていないが、会議の結論は(記録に)残っている」と具体的な根拠は示さなかった。

希望の党の山井和則氏は、首相と学園の加計孝太郎理事長がゴルフや会食を重ねていたことを改めて指摘。首相は特区基本方針で審議や議決に関われない「利害関係者」に当たるのではないかとただした。

与党に行政監視の役割を期待できないなら、野党の役割はいっそう重要だ。だが、その野党の質問時間が十分に確保されなくなるかもしれない。

衆院選の大勝を受けて、自民党が野党の質問時間を削る要求を強めているからだ。

きのうの文科委員会をめぐっても、野党は近年の実績をもとに「野党8、与党2」の割合を求めたが、自民党は「与党5、野党5」を主張した。

最終的に「野党2、与党1」で折り合ったが、野党による政府追及の場を少しでも減らしたい与党の狙いは明らかだ。これでは国会による行政監視そのものが弱体化しかねない。

数におごった自民党の慢心にほかならない。これが衆院選で首相が国民に誓った「謙虚」で「真摯(しんし)」な政治のあり方なのか。直ちに撤回すべきだ。

政府は獣医学部新設を認可したが、そこに首相や周辺の意向が働かなかったのか。疑問は解消されていない。

この特別国会で、首相みずから十分な説明責任を果たすべきなのは当然のことだ。
引用終わり
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